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ボディーガードも楽じゃない ~アサコ26歳~

作者: まるお38号

「誰だろう、あれ?」


恐らく、特務警護課のメンバーだと思うけど、これまでの任務においてチーム員ではない人がいる事にふと疑問が湧いた。

「ウルフ、あの人誰ですか?」

「ん?ああ、お前はまだ知らなかったか。チームメンバーではないが、今日バックアップに入ってもらう『暁』だ。」

「結構若そうですけどいつ入った人ですか?」

「(笑)お前も人のこと言えないけどな。でもお前より現場のキャリアは長いからな。」

「え?本当ですか?私よりも若く見えますけど…」

どう見ても私より年長者には見えなかった。

確かに身のこなしは、素人ではないけどそんなに経験を積んでいるようにも見えないけど。身体も大きくはないしね。

私もこの会社は入って日が浅いけど、私は他での経験がまあまああるので、この場にいる事が出来ている。

「と、いうか彼のポジションはどこになるんですか?」

「バックアップだ、言っただろ?」

「誰かの代わりとかではないんですか?」

「そうだ、フリーなポジションで入ってもらう事になっている。」

「え?指揮系統としてはだれのカバーなんですか?」

「基本的には俺のサポートでフリーなポジションに入ってもらうが心配するな、彼の経験は俺よりも多いから」

「え?ウルフより経験多いってどういう事ですか?」

「彼は一族の出身で子供の頃から現場に出ているんだ。余計なことする前に言っておくが、彼は俺よりも格段に強いからな。ちなみに師範クラスだ。」

「なるほど、納得しました。」

一族の出身なら納得だ、あの一族出身は何人かいるけど確かに強者だと感じる人が多かった。

でも…

「良いんですか?」

「何がだ?」

「え?社長代わって一族の影響力が排除されてきている中で現場に呼ぶとか、上層部に良く思われないのでは?」

「ああ、彼は大丈夫だ。経営とか全く興味が無く、早いうちから現場担当だと宣言しているから、経営陣の取り巻きも居ないからな。

偶にこういったリスキーな現場のサポートに駆り出されて来る以外はほとんど会社とは距離を置いているから。

今回は部長がどうしてもって呼んだんだ。」

「部長が?何故?」

「知らん。何か急に部長からの連絡で現地に入ってもらう事になったと聞いている。」

「それ、今日かなりヤバいって事じゃないんですか?」

「ヤバくない日なんてないだろうが、基本」

「そうなんですけどね。あ、来ましたよ。」

今日も、マル対のバカボンがのこのこエレベーターから降りてきた。

相変わらずバカ面下げてエレベーターホールに出てきた…え?あの人何するつもり?

「ウルフ、緊急事態、マル対に何かあったらしい。コイツ替え玉だ。上を見に行く。移動の準備を頼む。」

暁がバカボンを押さえつけていきなり言い出した。

マジか?どういう事?

「了解しました。各員状況確認。本部、移動プランを再検討。」

「え?」

「おい、ボーっとすんな!俺は車両までのルートを確認する。ジラフ、お前は暁のサポートに回れ!」

「了解」

早っ、あの人もうエレベーターホールだ。あれ?オートロックはどうやって開けたの?

まあ、いいや、ってエレベーター乗らないの?

「ジラフ、エレベーターに乗って上がれ。上がったらエレベーターからホールの確保だ。」

「はい」

でも18階とか階段で登るのは時間のロスでは?まあ、先に上がってルートの確保をしておこう。


エレベーターからホールの確保って事は相手は火器持ち?イヤだなぁ。

でもそう言った経験を買われてこの会社にいるんだから仕方ないよね。

さてと、18階のエレベーターホールは何処から狙われるかな?とりあえずカメラにテープ貼ってと、上で待機で良いかな?

『ポーン!18階です』

エレベーターのドアが開くがホールには誰もいない。エレベーターの天井に張り付いて上から覗くが敵の気配はなさそうだ。

「出るな」

え?なんであの人もう着いているのかな?てか、マウスはこの階での待機では?気配が無いってことはヤラれた?

あ、エレベーターホールに入る所にトラップがある。既にヤバい状況みたいですね。

「トラップ掛からずに出れるならサポートしてくれ、多分、マル対は部屋だろう。」

「出ます」

「OK。一人ダウンを確認、18階で待機していたマウスだろう。」

「了解。『ウルフ、18階マウスがダウン。マル対を確保しに部屋に向かいます。あと18階ホールにトラップ有。オーバー』」

「行くぞ」

早いなぁ、しかも何なのあの身のこなし、ヤバすぎでしょう、捉えられる気がしない。味方なのは大助かりですけどね。

え?もうマル対の部屋も既に入ろうとしてる。え?なんで開くの?鍵は?てか何この倒れてるの?敵?いつ撃ったの?

もう訳分からないけど暁は既に部屋に入ってる。マル対は?抑えた?なら向こうの部屋から来るのは敵だよね、撃っていいのかな?

「早く撃て。」

「了解。」パスッパスッと2発当てるも効いてない。どうしよう、後、2発撃つけどヤバい。デカい。突っ込んできたら押し負ける。

「スイッチ!」

ありがたい、マル対をカバーする為に動くと、暁が前に出て一発で敵がダウン。強すぎん?てか何したん?一族ってこんなに強かったんだ。下手に実力試すとか言って喧嘩売らなくて良かった。

「マル対の状況は?」

「今のところ、意識無し、呼吸有、毒ではなく睡眠薬系かと思われます。」

「『ウルフ、マル対確保、意識無し、呼吸有、エネミー2制圧、移動は?』」

『車両手配済み、ルート確認済み、プランは襲撃有のパターンで目的地はCに変更』

「『エレベーターの確保は?』」

『エレベーターのコントロール確保済み』

「『了解、下で会おう オーバー』、行くぞ」

「ハイ」

そうですね、マル対持つのは私ですよね、ヨッコイショっと、着いていきますよ。


いつの間にかエレベーターホールに有ったトラップも外されててエレベーターにすんなり乗れた。

「暁、マル対が替え玉ってどうやって分かったんですか?」

「前にマル対に会った事があるし、この件は始めからこうなる可能性があったからな。」

「え?本命は父親じゃないんですか?父親がテロの標的になってるって聞いてたんですけど」

「間違いではないな、マル対も標的というか生け捕りの対象になっているはずだ」

「生け捕り?」

「生体認証のパーツになっているらしい」

「成程、あれ?何で地下2階?」

「下って言っただろ?」

「エントランスじゃないんですね」

「車に乗る時外は怖いんだよ、俺は」

『ポーン!地下2階です』

「暁、こっちです!ジラフ、マル対をボックスに入れろ。」

「了解」

警護用の耐衝撃BOXに寝かすとSUVは動き出す。

目立たないように、国産のミドルSUVだ。

バカボンが安っぽいからイヤだと喚いたけどこの車両追加装備だけで〇百万円掛かっているのは多分理解できないだろうなぁ。


現在はセーフハウスに到着して、マル対の体調確認中だ。

「ウルフ、情報漏れはどこからか判明したか?」

「社長室辺りからと思われます。」「裏は取れているか?」「確認中です」

「え?旧経営陣からじゃないんですか?」

「何故そう思う?」

ヤバッ、余計なこと言った?

「先日、社長交代で経営陣がほぼ総入れ替えになってその関連かなと思って。」

「残念ながらそうではない様だがな。どちらかと言うと現社長派はそう主張したいようだが。」

「旧経営陣はほとんど社内に居なくなったからな。言いたい放題だろうさ。一族で社内に残っているのは暁くらいでしょう?」

「俺は経営陣では無いからな。」

「でも旧経営陣派と見られてますからね。」

「残念ながらな。」

「違うんですか?」

「俺は一族でも現場しか知らないはみ出し者だったからな。

経営って言われても俺にはあまり関係が無い話だったからポジションそのままで残っているんだけどな。」

「一族最強ですからね。」

最強?

「そんなの一部で言ってるだけだからな。」

「暁って何歳なんですか?」

「エライ直球で来たな、どうした?」

「だって、そんな最強って呼ばれてるのに上層部にも経営にも関与しないで、現場にいるとかおかしいですよ。

しかもこんなに若いのに最強とかって。」

「一族は基本個人情報管理がキッチリしてるからな、あまり表に出ないんだ。」

「質問の答えになっていません。」

「設定では22歳だ。」

「設定て(笑)納得できるし意味不明な点もあるし。」

「意味不明ってどういう点が?」

「ウルフが自分より経験多いって言ってました。

ウルフが35歳なのでそれより経験多いって事は何歳からなんだ?って思って。」

「余計な事を言ってしまいましたね。」

「まぁ、事実だしな。」

「暁は子供の時から現場に出てましたからね。

初めて会った時は中学生になる前でしたっけ?

その時から設定で22歳って言ってましたね。」

「ほへー、そんな前からなんですね。

自分より実戦経験長い若い人って初めて会いました。」

「らしいな、ジラフも良い動きしてたし何処にいたんだ?」

「ヨーロッパです。向こうでスカウトされました」

「大変だったんだな、誰のスカウトだ?」

「あーあんまり言えないんですけど、イーグルって言われてました。」

「鷲尾か、あれ?あいつアメリカじゃなかった?」

「ヨーロッパに出張に来てた時に襲撃してボコボコにされました。」

「(笑)良く殺されなかったな、でもそこで日本人が珍しいってなったのか」

「アメリカまで拉致られていきなり訓練受けろって言われて死ぬほどやらされましたよ。

でも日本に帰ってこられて良かったですけどね」


マル対の様子を見ていたウルフから声が掛かった。

「暁、マル対が目を覚ましました。どうしますか?」

「状況を共有して今後の対応を確認しよう。マル対の家族は?」

「現状、問題無しとの事ですが…」

「どうした?」

「部長からの連絡が無いんです。」

「なら誰からだ?」

「警護部からの連絡でしたが社長室長が仕切ってました。」

「マル対と相談してからにしよう。これだけでは分からない。

ジラフ、移動の準備はしておけ、ここは放棄する必要あるかもしれない。」

マジか、ヤバい状況になってきてるんじゃないの?


「父さんと連絡が取れない。」

マル対がいつものヘラヘラしている雰囲気とは違う感じで慌てていた。

「落ち着いてください。同じように襲撃されて対応出来ていないのかもしれない。」

「暁、どうなっているんだ、お前が来てるって事はかなりヤバいって事なのか?」

「落ち着け、我々も状況確認中だ、お父さんに連絡つかない事で向こうの状況がある程度分かった。」

「どういう事だ?」

「おそらくだが、お父さんとお前の携帯情報が洩れていると思われる。その携帯は捨てろ。」

「マジか、でも情報がだいぶ詰まっていて放置はヤバい。」

「ならSIMを抜け。電源も落とせ、移動するぞ。」

「どこに向かうんだ?」

「この分ではお前の会社はヤバそうだ、とりあえず落ち着ける先に移動する。」

「大丈夫なのか?」「そんなの分かる訳ないだろう、とりあえず俺と一緒に居れば大丈夫だ。」


マル対は警護ボックスに入るかどうかで一揉めしたがしぶしぶ入っていた。

思ったより素直に従ってくれるのがちょっと以外、見直した。

それよりもマル対が言っていた『暁が来てる=ヤバい』ってどういう事?

『暁=会社の切り札』的な事なのかな?

確かに強いけど、そんなに頼りにされてるのかな?

まあ、とりあえずやれる事をしっかりやって生き残らないと。

運転はウルフがしてるから警戒しっかりしないと…

ん?何かアラート鳴ってる。え?もうセーフハウス襲撃されたの?

「ウルフ、アラート鳴ってます。セーフハウスの放棄は済んだんでしょうか?」

「終了連絡来る前にアラート鳴ったなら未だなんだろう。暁、やはりマル対の携帯ですかね?」

「この後追跡されてなければそうなるだろうな。」

「急がないとヤバいんじゃないですか?」

「こちらの車両を補足されてなければしばらくは大丈夫だ。でも、この車両は変えた方が良いかもな。」

「どうしますか?」

「本部道場で車両を変えよう。個人の車両あるだろうから交換してもらおう。」


「師範、良いんですか?同じ車種ですけどただのノーマルSUVですよ。」

「良いんだ、でもあまりこの車両を使うな、もしかしたら襲撃の対象になるかもしれん」

「了解しました。うおーすげー、装備が全然違いますね。この警護ボックスはどうされますか?」

「そのまま持っていてくれ、これは動かせん。」

「服も借りて悪いな」

「もともと着替えて帰る予定ですので問題ありません。」

マル対を着替えさせているのでボックスから出ている。

さて、この後はどうするんだろう?

「ウルフ、移動しよう」

「部長との連絡はどうしますか?

警護部からはマル対の父親も襲撃されたのか状況がつかめないってようやく認めました。

どうも部長もヤバいと思ったのか父親の方に行っているようです。

連絡が取れない理由もこちらと同じかと思われます。」

「成程な、だから社長室長が出しゃばってるのか、参ったな。

だれか犬塚と連絡できる端末持ってる奴はいないのか?」

「暁、父さんは無事なのか?」

「多分な、今のところは犬塚部長が向こうに合流しているようだから大丈夫だと思うぞ。」

「そうか、犬塚さんが一緒なら安心だな。」

「取りあえず、向こうと合流しよう。」

襲撃怖いけど今のところは移動してれば大丈夫だよね?


「警護部からはマル対連れて会社に戻るよう指示されているのですがどうしますか?」

「明らかに待ち伏せされてるだろう。誰だその指示出したのは?」

「室長らしいですよ。自分らのいる本社は安全だと思っているようですが。

すでに情報漏れがある事は伝わっているとは思うんですが、それでも取りあえず本社に戻れとの指示です。」

「マル対を襲撃した部隊は把握できているのか?セーフハウスも襲撃されたんだろう?」

「襲撃された事実も把握できていない様子でしたからね。部隊の追跡は出来ていないみたいです。」

そんな状況、どこに居ても一緒だよね。とりあえず敵の襲撃部隊を倒さない事には安心できないよね。

「チームの別動隊は予定通りか?」

「今は別のセーフハウスのチェック中です。」

「そこで情報を集めて対策を立てよう。

マル対を同行していては攻勢に出られないからな。」

「チェック完了したようです。クリーンアップOKです。」

「取りあえずそこに行こうか。」

「そういえば、犬塚部長と連絡取れますけどどうしますか?」

「は?ジラフお前何言ってんだ?」

「えーっと、部長の個人携帯の番号聞いてるんですけどマズいっすか?」

「マジか!良いぞ、てか何で言わなかったんだ?」

「いや、流石に個人情報知ってるっていうのはマズいかと思って…」

「いや、まあ、そうだな…とりあえず連絡してみてくれ。」


「こちらジラフ、部長、今大丈夫ですか?」

「何でこの番号知ってる?ってお前か、アサコ。そう言えば番号交換してたな。」

「個人名出すの止めてもらっていいですか…作戦中ですし。」

「スマン。てか暁居るか?マル対は確保してるか?」

「暁、ウルフ、マル対と一緒です。今どこですか?」

「無事だな、なら良かった。こちらは移動中だ。こちらのマル対も無事。今はレオとマル対と俺だけだ。」

明らかに向こうの方がヤバそうな感じ。どうすんのかね?

「部長、ウルフです。現在、セーフハウスを確保して移動中。F7のクリーンアップ完了しています。」

「そこで合流しよう。本部には伝えたか?」

「いいえ、情報漏れが怖いので伝えてはいません。」

「了解だ。現地で会おう。」

あー良かった。とりあえず合流して何とかなりそうだね。後は襲撃犯を殲滅してからかな?

一息付けそうでホッとしたよ。さて、警戒警戒。


セーフハウス着いた。結構大きくて良い部屋だね。

外から見えにくい所がより良いね。

いつかはこう言ったタワーマンションに住んでみたいなぁ。

でもこんな所もあるんだなぁ。知らなかったよ。

「ウルフ、ココは通常のセーフハウスでは無いのですか?」

「ココは警護部じゃなくて諜報部が管理するセーフハウスだ。」

「え?諜報部管轄ですか?ホントにヤバいヤツですね。」

「そうだ、情報セキュリティ部の保有資産になるから一切口外するなよ。」

「ウルフ、装備を更新しておけ。あと連絡用の端末だ。部長が来て、マル対達の警護体制が用意出来たら狩りに行くぞ。」

「了解しました。ジラフはどうしましょう。」

「警護は部長とレオが居れば大丈夫だろう。狩りの方が得意そうだしな。どうする?ジラフ選べるぞ。」

「狩りの方が嬉しいです。(笑)」

「だろうな。装備は奥の部屋だ。好きなのを持っていけ。持ち出した分はちゃんと申告しておけよ。」

わーい!狩りだー!


スッゲー、何だこの部屋、マジで武器庫じゃん。

選び放題とかボーナスステージかよ。豆鉄砲支給されて困ってたんだよね。

いくらボディーガードとは言え最低でも9㎜使えないと意味無いよね。さっきも4発撃って止められないとか意味わからんし。

小さいのと8発しか撃てないとかマジ怖い。

SIGのP320あるじゃん、これ借りていいよね?

サブマシンガンもAPC9とか良いよねぇ。みんな使うよね。

誰だろう、ココの装備用意したのは。友達になれそうな気がする。

流石にアサルトライフルは持ちだしたらダメだよね…ウルフ、そんなゴミを見る目はやめて下さい。

「トリガーハッピーとか止めてくれよ。」そんなにオカシクナイヨネ?


マル対連れて合流した部長はここで指揮を執るらしい。

警護部からの連絡システムを構築しなおしたみたい。

社長室長は何だか喚いていたけど急に大人しくなってた。

多分警護部の誰かがシバいたんだと思う。

あそこのお姉さん方結構怖いもんね。

「それ、あんまり外で言うなよ。」部長、分かってますよ。私も命が惜しいです。

さて、連絡システム構築後、ものの1時間で敵の襲撃部隊の現在位置が判明。

やっぱり本社への移動ルート上で網を張っているみたい。

本部からの情報駄々洩れやん。部長の顔が怖い。

諜報部のドローンその他で既に状況は把握されていた模様。

諜報部って相変わらず怖い。

こんな装備、一民間企業で保有しているモノなのかな?どっちかと言うと民間軍事会社レベルじゃない?

そんなのを今の上層部で扱いきれるのかな?え?諜報部はもう別会社になってる?

成程、当然ですよね。

今どきのIT企業経営者レベルがいきなりそんな民間軍事会社とか扱えるわけないもんね。

旧経営陣はそちらに就職しなおしてるんですね。納得。

今後はそういった情報をそちらの別会社から購入しなくてはいけないシステムになるんですね。

成程、私もそっちに行きたいです。

え?警護部はもともとそっちの会社から派遣されている形?知らんかった。

確かに海外拠点とかあるし、訓練施設とか多いし、それにしては日本の民間企業として大丈夫なんかと思ったけどそういう事なんだね。


さてと、狩りの時間だ。



結論から言おう。

・・・暁さんマジ怖い。

達人っているんだね。

銃弾よけれる人って初めて見た。

この目で見るまで信じられないけどホントだった。

師範クラスって言ってたけど違うなこれは。マジで。

バックアップとか要らなかったレベルであっという間に敵が無力化されてた。

ちなみに私一発も撃ってない。私もウルフも。暁さんも…。

どうやって無力化したんだろう。体術で?向こうも一応プロのはずなんだけど…


その後はお察しの通り。本部内を洗浄した結果、社長室長の端末からウイルス検知されそこから外部へ情報が漏れてた模様。

しかも外部業者からの献金とサポートでその端末を採用させており、警護部本部へねじ込んできた理由も外部業者の依頼だった様子。

流石に警護部には入り込めなかったので今回はチャンスとばかりに出しゃばって情報漏洩に尽力したらしい。

本人は知らなかったと関与を否定していたけどセキュリティとは?って所からやり直してほしいと思った。

社長派はこの失態で一気にトーンダウンしちゃってる。

しかも、諜報部(外部委託)から契約違反の為、契約打切りとの通告があり警護部のスタッフも引き上げが検討された事で自分達のした事がかなりヤバいレベルだった事をようやく理解したみたい。

しかも、諜報部からはこれまで通りの体制なら情報共有システムに関して管理費を値上げすると吹っ掛けられており顔色が青くなっていた。

そりゃそうだよね。

諜報部と警護部は会社の財産だ!って喚いてたらしいけど元から別会社だったのを上手く会社組織としてまとめてたのが旧経営陣だからそれを追い出したらそうなるよね。

社長派は本当はそこを手中に収めたかったみたいだけどそのレベルの内情調査ではムリムリ。

ちなみに外部業者と繋がってた工作組織、いつの間にか潰されてた。

日本の情報部、舐めてたわ。半端ない。


でも、後になって思った。

この頃はまだ、青かった。

こんなの未だ序の口だった。

この会社に入って良かったけど、良かったけど…


マジ怖い。



人物紹介

ジラフ(アサコ)

ショートカット、身長175㎝、26歳 モデル風ではあるが目つきが鋭い警備会社のボディーガードとして2年目。

結構波乱万丈な人生で意外と苦労人 運動神経抜群で海外でこの業界にスカウトされて入っている。

ウルフ(リーダー)

ガッチリした体型。身長179㎝ 35歳 短髪、髭無し 家族有(妻 子供二人)警備会社のボディーガードチームのリーダー。 

元自衛官。警護部のエース的存在。上に気に入られ、下にも慕われるスーパーマン。道場では師範として教えている。

あかつき

高校生にも見える若い外見の男性 身長166㎝ 設定22歳 若く見えるが経験が長いのか落ち着いている。

警護部のスーパーサブ的ポジション。会社の母体である武道場の一族の一員。

師範クラスの腕を持ち子供の頃から現場に出ている。

マル対

ヒョロッとした現代風の若者。警護対象者の息子で今回ボディーガードがついている。身長172㎝ 28歳 茶髪でチャラい雰囲気をさせている。社長である父親の後を継ぐ予定。ボディーガードを鬱陶しがっている様子でボディーガードとの関係はあまり良くない(ように見せている)。過去も警護された事があり、暁の事はその時から知っている様子。

犬塚部長

ガチムチの筋肉体型。身長170㎝ 45歳 短髪 強面 眼鏡 独身・離婚歴有(子供有)ちなみに眼鏡は目つきの悪さをカバーするための伊達メガネ。警護部の部長として現場を仕切る。本部道場の責任者も兼任する。結構忙しいはずだが、女子にはマメなので人気は高い。

マウス(チーム員)

マル対の居る18階の警護担当チーム員だったが既にやられてしまっている様子。

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