表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
6/24

6話 「お風呂とタオルと洋服と」


ガチャッ

彼が水浴びから帰ってくる。

なるほど。

あの部屋が水浴びの部屋か。

彼が柔らかそうな布で頭を拭きながら出てきた。

先ほどとは違う服に着替えていた。

「お風呂。」

彼がそう言って水を浴びるジェスチャーをした。

この国では水浴びの事をお風呂というのか。

私もそろそろ水浴びをしたいと思っていたところだったので、ありがたく水浴びをさせてもらおう。

立ち上がって服を脱ごうとした。

「わーっ!わーっ!」

突然大声を出されて、水浴びの部屋に連れていかれてドアを閉められた。

「《…何か間違ったのだろうか?もしかして順序などがあったのだろうか?…まぁ、気にしても仕方ない。私はまだ何もこの国の事を知らないのだからな。》」

そう言って入ってきたドアと反対のドアを開けると、凄い煙。

いや、これは煙ではない。

お湯だ。

まさか、これだけのお湯を水浴びのためだけに沸かしてくれたというのか!

なんというもてなしだ。

私は何も返すことが出来ないというのに。

だが、この厚意を無駄にするなんて私にはできない。

お湯で丁寧に体を洗う。

いつも川の水だったため、これはかなり気持ちがいい。

お湯の水浴びは慣れてはいないがなかなか良いものだ。

お湯の中に足を付けて回りに座る。

これはクセになるほど気持ちいい。

「《~♪~♪》」

つい歌ってしまっていた。

あまりに気持ちよくて完全にリラックスしていた。

水浴びから出てくると、彼が頭を拭いていた柔らかそうな布が何枚も置いてあった。

それの隣に彼が着ていた服に似たものも用意されていた。

「《これで体を拭いて、こっちに着替えるのか。ありがたい。》」

柔らかそうな布は、体を拭いてみてよくわかった。

本当に柔らかくて、凄く水を吸ってくれる。

特に髪を拭く時は良かった。

私の髪は長くて腰ほどまである。

そんな髪を濡れたままにしていては彼の家を濡らしてしまう。

一枚では水を吸いきれなかったが、二枚も使えばかなり吸ってくれた。

ある程度拭き終わると、彼が用意してくれていた服に着替える。

「《…今度は何も間違っていないよな。》」

自分で確認して戻ると、彼は小さなバックを持って私を待っていた。

私が水浴びから出てきたのを確認すると、「買い物」と言って家のドアを開けて外に出る。

私も彼を追って出ようと靴を履こうとしたら、彼が履いているモノと同じようなものを用意してくれていた。

紐を通して締める靴のようだ。

履いてみて改めて思った。

凄く軽くて履き心地が良い。

「タカヨーシ!」

彼の名前を呼んでご機嫌に二人で階段を下りていく。

透明な壁も通過して、私とタカヨシの新しい冒険が始まる!


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ