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4話 「転生エルフ、街に出る」

彼に付いて行くとは言ったが、まさかこんな事が起ころうとは…。

ブロロロロロロ~

「《こ、これは一体何なんだ!?勝手に動いてる!?魔力か!?いや、魔力は感じないからそれは無い筈だ!それなら一体どうやって動いている!?それに凄い速さだ!こんな速さは今まで体験したことが無い!それにこの体を固定している紐は何なんだ!?引っ張れば伸びるが、一体何の意味がある!?周りにも同じようなのがたくさん走ってきている!》」

喋っている事はよくわからないけど、顔が引きつっているから喜んでいる訳じゃなさそうだとわかる。

安全運転でゆっくり山から下ってきて家への帰路につく。

そんなに離れている訳じゃない。

大体20分程度走れば家に着く。

・・・が、この状態で家までもつのか?

車をこれほど怖がるとは…。

本当に世界中にある車すらも知らないようだ。

聞いたことが無い言語、それなのに日本語で書かれていたカード。

国籍不明どころか国籍存在無しって。

そもそも全く日本語がわからない19歳の女の子が山の中に一人でいるのも不自然だ。

…待てよ?

確か友達から聞いたことがあるぞ?

最近、異世界転生って奴が流行っているって。

まさかそれか?

彼女は異世界から転生してきたっていうのか?

それなら全てに納得がいく。

「…もしそうなら本格的に言葉とか教えないとな…。」

そう呟いて彼女をチラ見すると、うっすらと涙を浮かべてシートベルトを握って震えていた。

なんだかちょっと可哀そうになってきた。


5分後


…ようやく止まった。

叫び過ぎて喉が痛い。

彼にも迷惑をかけてしまった。

ガチャッ

先に降りた彼がドアを開けて、紐を外してくれる。

「《あ、ありがとう。》」

わからないだろうがお礼だけは言っておく。

降りると、目の前に巨大な石造りの家が現れた。

まわりにも巨大な石造りの家が大量に並んでいる。

何故かみんな四角い形をしている。

彼が歩いていく後を付いて行く。

彼について歩いて行くと透明な壁があった。

どうやら行き止まりのようだ。

彼が壁を何やら触っている。

手元に何か模様があるように見えたけど何をしているのだろう?

ガァァァッ

「《!?》」

透明な壁が開いた!

彼が何かしていたのはこの壁を開けるための魔法陣か何かだったのだろう。

彼は一瞬で壁の封印を解除してしまえる程の実力だったのだろうか!?

だがこの世界に来てから全く魔力は感じない。

後ろで透明な壁が閉まって二度驚いた。

彼が振り返ってジッと見てくる。

「…エレベーター使ったらまた驚かせちゃうかな…。5階だけど階段使うか。」

彼が歩いて行く先に階段があった。

階段を上っていく彼を追うように階段を一緒に上っていく。

結構上まで階段を上ってきた。

どこまで行くのだろうか?と思った矢先、彼が上るのを止めた。

廊下を歩いていくと、何枚もドアがあった。

どんどん歩いて行って、一番奥のドアに何かを差し込んで開けた。

そして彼が中に入っていく。

私も彼について中に入る。

中に入ると、彼が靴を脱いで入っていった。

私も彼を真似して靴を脱ぐ。

ドアの向こうは短い廊下と部屋が4つ。

あとはよくわからない物だらけだ。

彼が背中に背負っていたバックを部屋の床に置いて、奥でゴソゴソ何かを探していた。

彼の後ろから何をしているのか覗くと、本を探しているようだ。

隣に座って待っていると、彼から一冊の本を渡された。

よくわからない言葉で書いてあるが、彼が渡してくれるという事は何か意味があるのだろう。

私は彼から渡されたその本を抱きしめた。


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