他人に育てられたボク。
ボクの名前は、『哀川 稜真』28歳、工場でアルバイトをしている。
___ボクは23年間、ボクと全く血の繋がりもない家族に育てられたんだ!
ボクの本当の、血の繋がった親は? 僕が産まれて直ぐに僕を捨てたらしい。
___ボクが、捨てられた場所は、、、?
小さな公園のベンチの上だった。
その日は、とても寒い寒い冬の日でね!
雪もパラパラと降っていたらしい。
ボクは、毛布一枚で包まれてて全然泣かない子でね!
その日もボクは寒空の下、泣く事もなく公園のベンチに置いて行かれたんだよ。
・・・そんなボクを、見つけて育ててくれたのが今の血の繋がらない家族だ!
ボクは、何の疑いもなく! この家族がボクの本当の家族だと思っていたんだ!
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___まさか!? 23年間もずっと騙されていたなんて!
・・・ボクが、友達と海外旅行に行く事が決まって!
パスポートを取るのに、戸籍謄本がいるらしくそれで分かったんだよ。
___ボクは、養子になっていたんだ!
ボクは、それを見ても! 直ぐには信じられず、、、。
冷静に考えれるようになってから! ボクは、育ててくれた両親に聞く事
にしたんだよ。
『___ごめん、少しいいかな?』
『___どうしたのよ! そんなに改まって!』
『___あのさ? 凄く聞きにくい話なんだけど? ボクは、二人の子供
じゃないの?』
『___えぇ!? どうしたんだ、急に、、、?』
『___パスポートを取るのに、【戸籍謄本】を取り寄せたら? ボクは
養子になっていたんだよ! これって? どういう事なの?』
『・・・すまない、ずっと稜真に黙ってて! でもね? ちゃんとその時が
来るまで、話さないようにお父さんと決めてたのよ!』
『・・・ボクは、一体!? “誰なの?”』
『___お前は、“俺たちの子供だよ!” 血が繋がってないかもしれないが
それでも、、、俺たちの子供だ!』
『・・・お父さん、』
『___どうして? ボクは、ここに、、、?』
『・・・それは、』
『___お母さん、俺から稜真に話すよ!』
『___え、えぇ!』
___父さんも母さんも、真剣な眼差しでボクを見て! 隠さず全て話して
くれたんだ!
ボクは、赤ちゃんの時から世話をやかない子でね!
凄くいい子だったらしいよ! 思春期になっても反抗期もなく! 家族みんな
仲が良くよく笑う子供だったらしい!
・・・確かに、ボクの記憶も両親と同じだったんだ!
いつも、ボクの事を一番に考えてくれた両親。
どんな時も、笑いの絶える事がない家族だったよ。
学校の行事だって! 母さんは当たり前に来てくれていたのだけど?
父さんも、仕事を休んで来てくれたり。
ボクの為に、いつだって! 時間を作って休みの日には旅行に行ったり
遊園地に行ったり映画を観に行ったり仲がいい家族だと思っていたよ。
・・・いろいろ、父さんが話してくれた後に、、、ボクにこう言ったんだ!
『___なあ、稜真? もし、お前が! 本当の両親に会いたいと思ってるなら?
手掛かりになるモノが、一つだけあるんだ! それを持って、俺の知り合いの探偵
に頼めば、調べてもらえる! どうする? それは、稜真が決めろ!』
___そう言って、父さんがボクにその探偵の名刺をボクに渡してくれたんだ!
▽
___あれから、5年経ったけど?
ボクは、あの名刺の電話番号に電話をする事はなかった、、、!
・・・ボクを捨てた、両親が?
何故? ボクを捨てたのか? 分からないのだけど、、、?
___だけど? そんな事はボクにとって! どうでもいい事なんだ!
今が、幸せならそれでいい!
___今のボクの家族に、疑いの気持ちもない!
完全な家族なんて! 逆に探してもないだろうし!
一つや二つ、家族の中で秘密事があってもいいじゃないか!
ボクにとって、血が繋がってなくてもこの両親がボクの本当の家族なんだ!
大事に大事に、ボクを育ててくれた本当の両親なんだ!
それが、嘘偽りがない! 本当の話だよ!
・・・だから、それでいいと思えたんだ!
決して! 血が繋がっているからと言って! ボクを愛してくれるかは?
別だと言う事なんだ!
最後までお読みいただきありがとうございます。