魔物が来るらしい 2
カタリ曰くこういうことらしい。
・王都のお偉いさんが占いをした
・魔物発生の兆候がでていた
・そこはなんと!インガナ村であったのである!!
村の集会所の黒板を叩きながら熱く説明していた。
「それでカタリや…、いつ頃勇者さんはいらっしゃるのじゃ?」
村長のじいさんが杖をプルつかせながら尋ねた。
集会所に集まる各家庭の代表役300人もどうなんだというようにカタリに視線を向ける。
「3年後の春にくるらしいって…」
「なんだよ、まだまだ先じゃねぇかよ。」
キーヴが言いながら椅子の背もたれに体重をかけた。
「お前はそれまでに就職先見つけないといけないなな。」
「へいへい、シルクさんは手厳しいことですわね。」
集会所は笑いに包まれた。
「ちょっと!!!最後まで聞いてって!!」
カタリがプリプリ怒っている。
「どうしたカタリ、水虫でも治ったのか?」
ギーヴがいつもの調子で返す。
「もう!それはいいの!!!ちゃんと最後まで聞いてって。」
「聞いてる聞いて…」
「その話って三年前の話なんだって!!」
「る……うへ?」
「だぁかぁらぁ、三年前に3年後この村が魔物に襲われるの!!」
「それはつまり…、」
集会所の面々がゴクリと唾を飲み込んだ。
「あと何ヶ月もしないうちにここが魔物に襲われるーーー。」
「おいおいおいおい、マジかよ。」
珍しくギーヴが真面目な顔をして何かを考えているようだった。
〇〇●●〇〇
「まだ見つからんのか!!!」
「申し訳ありません!!!」
「早く探して参れ!」
「はっ。」
「(もうあれから3年だぞ…。時間がないんだ……。」
首都ビルダムの王室で国王バハゲトルは焦っていた。三年前の占いで魔物の大量発生が占われてからもう三年経っている。だというのに、だというのに。
「勇者はどこに行ったんだァァァァァァーー!!」
周りにいる騎士たちが肩をビクッとさせた。バハゲトルが起こる理由を説明するには、二年前に遡る。