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2067年4月17日。
あの日、世界は狂った。
第三次世界大戦。
3年間続いたこの戦争の中で、人の手で直接殺められた者は誰一人いなかった。機械化した世界では、軍人が敵国に攻め入ることなどせずとも、遥か彼方の国に攻撃ができてしまったのだ。大量に人が殺したければ、自動運転をしている電車を、ただハッキングすれば良かった。街中の人を傷つけるには、アンドロイドを……
どの国も、軍人などという役職はとうに無くなっていて、代わりに機械が交戦していた。
戦争が終結して、8年。
未だにあちこちでアンドロイドが作業をしている姿を見ることができる。
結局、人々はどれだけ危険でも一度手にしたケーキを手放す事など出来なかったのだ。
例えそれが、未だに人を殺す凶器に変わると知っていても。