三章 怪しさ満点黒ローブ。
ブックマーク登録2件♪ ありがとうございます♪
毎週木曜更新予定!!
「あぁもう、緊張したぁ~~」
声出すの久しぶりだからちゃんと声出てたかなぁ~。大きな声なんか出せないしぃ~もう無理だよぉ~! ……。明日から無理はしないでおこう……。
「ていうか! 私の声、届いたのかなぁ~、あの人に……」
うぅん……どうだろうなぁ~、私はそんなことを考えながら森の中を見渡す。
森の中には人も動物もいなかった。動物の足跡はあるけど。
ハァー、よかった~。あの運動場みたいな所ぐらい人がいたら、倒れていたような気がする。ハァー、本っっ当、よかったぁ~。
私は胸を撫で下ろした。
その時。
ガサッ!!
バッ! 私は音がした方に振り向く。
そこには、頭から足まで真っ黒なローブを着た、不気味な人が立っていた。
「……? 何ですか?何か用ですか?」
怪しい。
「あっ!べ、別に怪しい者じゃないよ!?」
今、怪しいと思ったことは秘密にしておこう。
けど、その服で怪しくないと言われても疑わしいのは変わりない。
でも、服は……まぁゲーム内の物だし……。
「フフフフ……。君に会えてよかったよ。実はね……」
「笑い方からして怪しいです」
「っ!? え!? 率直!? そっ、そんなに怪しいの!? えっ!? あ、え、え--っとっと。そんなことは、まぁ、おーいとーいてっ! 火を売ってます! 君なら買ってくれると思うんだけど! どうする?」
『そんな怪しさで買ってもらえるか』とか、色々思うところもあるけど、まぁ言わないでおこう。
「買うよ。何……β?」
なんで……こんなややこしい『ベータ』なんだろう。
「え!? 買ってくれるの!? あっ、ありがと~~!! フフっ♪ 100βだよ? 買う?? 買う!? 買う!! だよね!!」
もう、そんなキラキラした目で見られたら買うしかないじゃないか。
相手の方が絶対年上だろうけど、恥というモノは無いのかな、この人には。
……それで……100βか。もともと私達は1000β持っている。その10分の1。
「いっ、今なら薪をもう一本追加します! だから、お願い!!」
買ってくれなきゃ死んじゃうみたいな顔されても……ねぇ……。
チラッと見ると、土下座しようとしている。
「待った待った!! 分かったから!! 買うから!!」
パワワワワァ~~!!
火売りの人の顔が見る見るうちに、輝いていく。
あーー!! もう! 私のペースが崩れる!
うぅー。まぁ、これから火がなきゃ大変だろうけど。もう関わりたくない。
私はため息を吐きながら、100βと火を交換する。
「あ~り~が~と~う~!! これからもよろしくね! フレンド登録、フレンド登録っと。OK! 申請したよ!」
テンポ早っ。それに、馴れ馴れしい。もう関わりたくないのに~!!
「あの!!フ──」
「あ~!! ゴメン! 時間が~~、ヤバイ!! 本当ゴメン! 待ち合わせに遅れたら本気で怒られるから! ゴメン~~!!」
怪しかった黒ローブの人は、竜巻が起こるくらいのスピードで立ち去った。
早い。立ち去るのも早い……。
あーー。気が抜けそうになるぅ。
あっ、ダメだ、ダメだ。私は気を引き締める。
……てか、待ち合わせ? この世界で? 誰と?
あの人に次会ったら……会う気は無いけど、気をつけた方がいいな。
私はそう思いながら、あの不思議な木の方へ足を向けた。
不思議な木の横には、本を読んでいる美少女がいた。その子の名前は……
逢峰 小命です。よろしくお願いします。
えっと、今回は1人、新しい登場人物(?)が出ましたね。
まぁ、それはどうでもよくて。
『こ、ここまで読んでくれたんだから、ブックマークぐらい、し、してよね!』
美少女にこんなこと言われたらブックマークぐらいするでしょう。
『で、できれば感想も! だよ!』
あっ、あー、えっと。
読んでくださり、ありがとうございました。
次週もよろしくお願いします。