二章 カイナ……さん?
毎週木曜更新予定!!
『僕はこのゲームを操ってるんだよ?ダイオ君だっけ?君、死んだからゲームオーバー♪あっ、死んだからって現実に戻れないよ?僕に勝たなかったら……ここで死んで人生終わり。ハハハッ♪暇つぶしにはなりそうかな?みんな、頑張ってね~♪』
私は……現実に戻るなんてどうでもいい。現実より、むしろこっちの方が良い。けど……私がゲームで勝たないなんてありえない。だから……『王子』に勝って、その後のことはその時、考えよう。
そう思いながら私は、人が集まっている所に向かう。
そこから会話が聞こえたからだ。
『えっ、あの……さんですか!?』『えぇ。わたくしが王子をちょちょいと倒してみなさんを現実に返してあげますわ。』『あぁ!!ありがとうございます!!ありがとうございます!!……様ぁ!』『ふふっ。これからもそう呼ぶと良いわ』『はぁ!?……なんて信用出来ねーよ!!』『そう?じゃあ自分で頑張って生きて生きなさい。私に頼らず生きていけないわよ?この世界は、私が一番知りつくしているんですから。死んでも良いのですか?』『っ!!死にたくねぇ……ょ』『私を……様って呼んだら、許してあげてもよろしくてよ?』『……ちっ、……さ、ま』
きどってる20代の女の人がリーダーのようだ。
何故そこに向かうかと言うと、名前が気になったからだ。
私はその女の人の前に行き、ふらっ、と腰下まである黒髪を揺らし、女の人の胸によろける。
声が出るか確かめて、そして、下から上を見るようにして、いつもどうりの小さな声で、
「あなた、あの、有名な……あの、カイナさんですか?」
絶対に答えなければいけない状況をつくった。
女の人は、驚きながらも答えた。
「え、えぇ。そ、そうよ。……あなたも私にすがりたいのですか?」
私は、少し表情を明るくして、いつもどうりの可愛い声で言った。
「やっぱりそうですよね。私、一度で良いから会ってみたかったんです。……こんな、ゲームの中じゃ無かったら……もっと喜べたのに……」
私の悲しそうな表情と声は、周りも巻き込み、冷たい空気にする。
「そ、そう……」
「……私、考えたんですけど……もしここで人生が終わるなら……最後にカイナさんと戦いたいな、と思ったんです。あっ、戦うってそういうことじゃないですよ?ゲームで、です」
周りの人はみんな私の話に引き込まれている。
私は背伸びして、女の人の耳元で、小声で言った。
「3日後、夜8時頃……あの辺でお話、お願いします。それまでの収穫が聞きたいです」
私は女の人の耳元から離れて、できるだけ大きな声で言った。
「お願いします!!」
私はそのまま森へ行った。
何だったの? あの、美少女は……。
フッフッフッ、教えてあげてもよろしくてよ!? あの美少女はね!
逢峰 小命です。
えっと、今回も読んでいただきありがとうございます。
これからも頑張っていきたいと思いますので。
よろしくお願いします。