序章 自由を手に入れよう。
毎週木曜更新予定!!
編集:主人公は、13歳です。
ガラガラ。
私は車椅子のタイヤをまわす。
はぁ。私の足は現実では、使えない。
やっぱり、ゲームの世界が一番ね。
だって、ゲーム内のアバターは、絶対五体満足なんだもの。
耳から雑音が入ってくる。外が騒がしい。
何なの?
私は不機嫌に思いながらも、窓を開ける。
窓を開けると、春の涼しい風が入ってくる。
「あ……そっか。今日がその日だったんだ……」
今日は、この国の王子『セブン』が何かをする予定だった。
この計画に入りたい人は、この町に集まれ!だって。
この町にいる人を追い出して、何をするのかしら。
10歳以上っていう制限があった。
私は、今13歳だから普通に入れる。
私はこの計画に興味があった……ってか、春休みで町から出るのが面倒臭かった、ってのもある。
始まるのが10時らしいけど、ちょうど電車が通る時間。
大丈夫なのかな? と不思議に思う。
ってか、全然集まってないじゃん。
あっ、みんなが騒ぎ出した。
カウントダウンか~。
「「「3!…2!…1!…ゼ!……」」」
急に視界が黒くなり、私は浮いた……。
そう、浮いたのだ。
「は?」
そして、目の前に大量の文字が表れる。
──説明だと思うけど、早すぎて目が追いつかない。スキップできるのならスキップしよう──
普通の人だったら。
そう思うだろう。
でも、私は違う。
私は、そのすべての説明を見て、すべてを記憶する。
5秒ぐらいだった。
だけどそこには、いろいろ大切なことが書いてあった。
これから始まるのは『ゲーム』だと。
自分がゲームの中に入り、そこで死ぬまで生きるのだと。
王子の暇つぶしだと。
いいじゃん。
分かる。
私の足がここにある。
感覚が、ある!!
そう、ここでは自由に動けるはずだ!
今までのゲームなんか、アバターを動かすだけだ。
このゲームなら、このゲームならっ!!
そんな気持ちのまま、私は『スキル』を選ぶ。
スキルは、このゲームの世界で戦ったりするためのものらしい。
説明の時、すべてのスキルが書かれていた。すごい量だったけど。
通常スキルと魔法スキルがあって、通常スキルは、例えば【通常スキル:剣】のスキルだったら、剣を持って剣の練習をすれば習得できる。
魔法スキルだったら、私が取ろうとしてる【魔法スキル:空気】のスキルで例えたら、そこから【風】の魔法スキルを習得できるらしい。
まぁ、分かりやすく言うと…何もないところからは、通常スキル、魔法スキルからは、魔法スキル、ってかんじかな。
じゃあ、やっぱり魔法スキルを取らないとダメだなぁ、と思いながらスキルを選んだ。
すると、機械の音声がながれた。
《【魔法スキル:空気】【魔法スキル:命令】【魔法スキル:回復】を習得しました。》
へぇ~。これが……確認かな?
あっ……。
[名前〔 〕]
急に目の前に出た。
心臓に悪そうだな。
あぁ、名前か…やっぱりアレだね。
私は名前を入力する。
逢峰 小命、と。
申します。
今回は読んでくださりありがとうございました。
えっと、できればブックマークしてくださればと思います。
これからも、どうぞよろしくお願いします。