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幻想異変録:replay  作者: 凍曇
妹紅編
3/32

出会い

——幾千もの人の形を見た。

——幾千もの時代の変化を見た。

——幾千もの大切なモノを失った。

——そして、

——彼女は孤独だった。



-竹林-


 春の柔らかな日差しが竹林の隙間に差し込み所々に幻想的な光が生まれている。

 彼女は竹林で地べたに座ってボーッとしたままそんな光景を見ている。

 素晴らしい光景ではあるが彼女にとってそんな光景はもはやなんの感慨もない。

 今日も何も変わらず1日が過ぎる。

 そして明日も、明後日も、その次の日もきっと何も変わらない日々が続くだろう。

 そう思っていた。

 けど今日は違うみたいだ。

 どうやら迷ったみたいで先程から同じ場所をグルグルとさまよっている女性がいる。

 彼女は竹林に迷い込んだ人達を案内するのを趣味としている。


『迷っているなら案内してあげようか?』


 これが彼女にとっての退屈だった人生を変える出来事だった。



 …困った実に困った。


『やぁ今日も来たぞ!』


 気さくに話しかけてくるこの女はいつの日だったかに迷っていたところを助けてあげた女だ。

 何故かこの女はそれに恩義を感じてるらしく恩返しをしたいとか言って毎日会いに来ては帰りに道に迷ってる変な奴だ。


『…毎日毎日懲りないよなお前』

『それはお前が全然相手にしてくれないからだろ?』

『だろ?じゃなくて、お前が毎回押しかけて来るんだろうが…』

『私は恩返しがしたいんだ!』

『そんなもの欲しさに助けた訳じゃねぇよ』


 辛辣な言葉を吐くがまったくこの女は気にする事なく。


『お前にとって不必要でも私にとっては必要なんだ!』

『じゃあ恩返しって事でさっさと帰れ』

『むっ…分かったよじゃあ案内してくれ』

『お前…毎回来てるんだから道とか覚えてないのかよ』

『だってお前が毎回違う所にいるから毎回道が違くなるんだしょうがないだろ』

『仕方ねぇな…』


 まったく困った奴と知り合ったもんだ。


『そういえばお前の名前はなんていうんだ?私の名前は上白沢慧音だ』

『私は…ただの健康マニアの焼き鳥屋だよ』

 

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