レミリアショック(笑)
『今帰ったわよー』
夜中で静かな館の中に響く館の主人、レミリアの声。かなり遅い時間帯であるはずだが主人の声に返す声があった。
『あら、遅かったわねレミィ』
パチュリーは居間のテーブルに突っ伏しながら言った。
パチュリーの疲れた様子を見たレミリアは溜息をつきながら話しかける。
『ちょっと神社でパニックが起きてね、それで予想以上に帰るのが遅れたのよ』
『ふーん……パニック?』
『そ、信じがたい話だと思うけど霊夢と紫がうちの子達と同じ様に小さくなってたわよ』
『はあ!?』
テーブルからガバッと顔を上げながら驚いた顔をするパチュリー。
『あの紅白巫女が……?じゃあ何も有力な情報が聞き出せないじゃない!』
『え、なんで?』
テーブルに置いてあるパチュリーが飲もうと思って淹れた紅茶をレミリアは見つけてちゃっかり飲んでいる。
『なんでって…….』
『?』
そこでパチュリーは記憶喪失についてまだ伝えてない事を思い出す。
(そういえば伝えるの忘れてた……けど聞いたら絶対ショックを受けるわよね……記憶喪失だなんて)
うーんうーんとパチュリーがどうやってオブラートに伝えようか悩んでいる時、第三者の声が飛んできた。
『あ、ママー!お帰りなさーい!』
レミリアはその声を聞いた瞬間おもわず紅茶を吹いてしまった。
『げほごほ!ま、ママですってぇ!?』
声の方向へ振り向くとそこには咲夜が笑顔でレミリアに向かって走って来ている。
そしてそのままレミリアに抱きついてくる。
『ぱ、パチェ?ど、どういう事?』
レミリアが動揺しながらパチュリーに問いかけるがパチュリーは何故かレミリアに微笑むとまたテーブルに顔を突っ伏した。
『いや、なぜ微笑んだ!?』
『どうしたのママ?』
『い、いやなんでも……てかなんでママなの……?』
わなわなと震えていると遠くから小悪魔の声が聞こえてきた。
『咲夜ちゃーん?どこー?』
廊下の曲がり角からひょこっと小悪魔の顔が出てくる。そこで小悪魔がレミリアを視認すると慌てて体も出す。
『お帰りなさいませ!』
『あ、うんただいま……あのちょっとこっち来てちょうだい』
レミリアは小悪魔に手招きをする。
『はい?どうかしたんですか?』
小悪魔がレミリアに近づくとレミリアは小悪魔にコソコソと話しかける。
『(なんか私の事ママって咲夜に呼ばれるんだけど何かあったの?)』
『(あ、もしかしてパチュリー様から聞いてないんですか?)』
『(どうゆう事かしら?)』
『(その……言いづらいんですが……その……咲夜さんと美鈴さんは……記憶喪失なんですよ)』
『(……っ!どうゆう事かしら!?)』
レミリアと小悪魔がひそひそと会話をしているその時、寝息が下から聞こえてきた。
レミリアが下を見ると咲夜がレミリアに顔を埋めながら寝ていた。
『あらら……寝ちゃった』
『こんな時間帯だと子供は眠くなりますからね』
『しょうがないわね……よっこいしょっと』
レミリアは咲夜を抱き上げるとそのまま抱っこし、いいから話を続けなさいと目で催促する。
『えっとですね、長くなるんですが…』
-数時間後-
『なるほど……つまり肉体が退化したからその年齢までの記憶しかないからあの子達の記憶は8才ぐらい頃までの記憶しかない……と』
『そ、そうなりますね』
『なるほど分かったわ』
けど、とレミリアは区切ると疑問を再び口にする。
『なんで私はママ?』
『そ、それはその咲夜さんがママ、ママって泣き出してそうしたらパチュリー様が「あなたのママなら今出かけているから帰ってくるのを待ちなさい」って言ったせいで……』
『ふーん……パチェ?詳しい話が聞きたいわね?』
しかしパチュリーはテーブルに顔を突っ伏したままピクリとも動かず反応がない。
『パ〜チェ〜?』
レミリアは片手で咲夜を支えながら空いた片手でパチュリーの首根っこを掴む。
パチュリーは顔を覗かれると何故かカタコトで言い訳を始める。
『パチュリー、ナニモシラナイネー』
『おやおや?此の期に及んで言い訳すると?』
『ホントネー、パチュリーウソツカナイヨー』
『……』
小悪魔は確かにレミリアからブチッと音を聞いた。
『だらぁしゃっあああ!!!』
『ローキックだぜチクショウ!』
パチュリーは変な叫びを上げながら吹き飛ぶ。
レミリアは息を荒げながら肩を上下させる。
『ぜーぜー、ああ疲れた』
『お、お疲れ様です』
小悪魔は苦笑しながら吹き飛んだ主人を背中に乗せる。
『それじゃあもう私達も寝ますね。今日はちょっと働き詰めで疲れまして……』
『そうね、私も流石に今日は疲れたから寝るとするかな……あ、この子の寝る所って……』
『いえ、特には。好きな場所で寝るとこの子も言っていたのでレミリア様と一緒に寝たらどうでしょう?』
『そうね、じゃあお休みなさい、美鈴はそちらでお願いね』
『はい、お休みなさいませ』
今日は一体何だったのかしら……と独り言を呟いたら気絶していたはずのパチュリーがボソッと呟く。
『レミリアショック(笑)』
『わー!わー!お休みなさーい!ではー!!』
小悪魔は大声を出しながら走っていった。
『……さて、今日は本当に疲れたわね。なんかパチュリーは煽ってくるし……まぁ、賑やかなのは良いことなんだけどね』
レミリアは苦笑し咲夜を抱きながら寝室へと向かっていった。