第4話 冒険者ギルド
説明が長いかも
ガセットと別れて町に入ると、石で作られた建物がたくさんあった。後で散策して分かったが、石壁の周りと街の中心部に位置するギルドの周りには商店街、その間を住宅街や酒場などの飲食店がある。
今はそれらの店を無視して、ギルドに向かうこと1時間、やっと冒険者ギルドらしき大きな建物に着いた。3階建ぐらいの高さがあり、他の建物と違って何か感じる。魔法を使った結界とかかな。
ギルドに入ると、結構中は空いていた。今午後の3時頃ぐらいだからまだ街の外にでもいるのかな。
受付に行き、3人いる中で一番気が弱そうな女の子を選んだ。・・・別に他意とかないよ。
「冒険者ギルドへようこそ。貴方はどうギルドに来るのが初めての方ですね。依頼ですか、それとも冒険者登録ですか。」
「あっはい、冒険者登録をお願いします。」
「でしたら身分証の提示をお願いします。」
「すみません、私転移者なので身分証を持っていなくて。どうすればいいですか。」
すると、受付の人は顔色を変えず、
「でしたら身分証の提示は必要ありません。この用紙に必要事項を記入してください。それと冒険者カードは貴方のステータスの表示義務がありますので、ご了承ください。代筆は必要ですか。」
とプロの対応をしてくれた。
「はい、お願いします。」
受付の人の書いている文字を見ると、この世界の文字はカタカナではなかった。店の看板をいたるとこで見たが、その全てが読めることができなかった。だけど、カタカナには似ていたから、俺のステータスの名前はカタカナ表記になったんだと仮説を立てている。
受付の人に聞かれたのは、名前、年齢、種族だった。これだけなのは、次に俺の血を冒険者カードの元となるものに書いてある魔法陣に垂らすと俺のレベルなどのさっき聞かれたこと以外のステータスが現れるらしく、空欄で出てくる名前とかはギルド職員が魔法で文字を刻み入れて完了だ。
そうして出てきた冒険者カードは日本にあるどのカードよりも美しく、なのに派手さのない素晴らしいものだった。
「では、ご自分のステータスでご確認って貴方は異世界人でしたね。ステータスの開き方わかりますか。」
この世界ではみんなインディビジュアルを開くことができるんだな。俺のチートだと思ったのに。
「分かります。」
確認すると一つも間違っていなかった。数字はこっちの世界でも同じで安心だ。そしてやはり称号の欄にテンイシャの文字らしきものがあった。
何気なく裏を見るとスキル欄があった。
・・・えっ、これはやばいんじゃね。
「あのすいません。裏を見るとスキル欄があるのですが。」
「ああ、スキル欄の情報の漏えいはありませんよ。他の人が見ることができるのは表だけですから。」
ふぅー。なら良かった。今は良いけど、もし命が狙われるぐらい強くなったとしたら隠し球が持てないからな。マジ焦った。
「他にご質問はありませんか。では、冒険者カードの更新ですが、ギルドで行うか、自分の魔力を冒険者カードに注ぐことで更新することができます。次に冒険者についての説明をするのですが、入りますか。」
なぜか受付の人が上目遣いで言うのではいと言うのにとても苦労した。受付の人は上機嫌で説明を始めた。
「それでは始めますね。冒険者にはランクという格付けがされており、1から6までで最初は1ですので貴方はランク1となります。これはモンスターのランク、デンジャーにも関係しており、ランク1冒険者一人で倒せるモンスターはデンジャー1が目安だと考えてください。これも1〜6まであります。ちなみに貴方の手にあるアサルトラビットはデンジャー1です。」
俺はたぶんこの世界の人より弱いから、デンジャー1でも手こずりそうだな。うさぎの攻撃もギリ耐えただけだし。ま、まぁ二発で倒したけどね・・・
「ランクの上げ方なのですが、これは依頼の数やモンスターの討伐数が各ランクごとの規定値を超えると昇格することができます。ランク1は10つ依頼をこなす事かデンジャー1のモンスターを50体倒す事です。この討伐数はデンジャーが上がるほど下がりが、自分のランク以上のモンスターと戦うのはお勧めしません。次に依頼についてですが、依頼には3種類、討伐、採取、人助けがあります。討伐、採取はそのままの意味ですが、人助けとは護衛をしたり、町で手伝いをしたりです。まぁ町の手伝いはほとんどがランク1ですけど。依頼も1〜6のランクがあり、自分のランクの±1までの範囲のランクしか受けれませんのでご了承を。依頼の貼ってあるボードは右側にあるので、受注したいときはその紙をはがしてここまで持ってきてください。受注受付をしますので。ですが、常駐クエストと呼ばれる依頼は受注しなくて結構です。討伐証を売ったところから貰い、それを出してもらうだけで良いですので。ですが、これはあくまで依頼となるので、自分の討伐数の加算にはなりませんので。では説明は以上です。」
「説明ありがとうございました。参考にします。」
「他にご質問はありますか。」
何か質問あるかな。・・・そうだ!良い宿と武具店と道具屋教えてもらわんと。
「あっ二個あります。この街周辺に出てくるモンスターを教えてもらえますか。」
「はい、町を出たファゼスト平原にはデンジャー1のアサルトラット、レッドラット、レッドウルフにもっと奥に行くと、デンジャー2のゴブリン、プレインベア、ウェアウルフ、スライムが居ます。後はデンジャー3のビッグスライム、スチールベアがごく稀に出ますが、この二体からは絶対に逃げてください。死にますからね。」
怖っ。てかゴブリンとスライムは普通最弱モンスターに分類されるけどこの世界では強い設定だね。だったら次の質問に図書館も加えよ。
「はっはい。では次に、いい宿屋と武具屋と道具屋と図書館知っていますか。」
「えっと、宿と武具店と道具屋ですが、宿はギルドを出て右の通り、東通を言ってください。そこに周りより古そうな家が私おすすめです。中身も古いですが、どこよりも料理の質が最高です。それに道具屋もありますので、探している道具屋もそこでいいと思います。ポーションの質も良いですし。次に武具店ですが、これは人によりますからあまり助言はしたくないですけど、腕が確かな人なら武器屋防具屋を兼ねているバウローさんの店がいいです。西通のこれもまた古い建物を目印にすれば簡単に見つかると思います。図書館ですが、この町にはありませんが、東通に古本屋があると聞いたことがあります。」
「そうですか。情報感謝です。ではこれで失礼します。」
「はい、では貴方に・・・あ!すみません。自己紹介がまだでした。私、アレーヌと言います。今後ともよろしくお願いします。」
「あ、僕は綾野裕太です。さっきの登録の時に言っていたから分かると思いますけど。僕からもよろしくお願いします。」
「はい、では貴方に幸があらんことを。」
ありがとうございました。