第2話 ステータス
ふぅー、書き終えることができた。
森を抜けた後、平原に出た俺は周りを警戒して森から少し離れたところで見つけた整備された道を進みながら今後のことを考えていた。
うーむ、森の中で走った感じ元の世界と変わらん感じだし、空気とかもあんま変わった感じはせん。強いて言うなら気配が感じやすくなっただけかな。
っと、そういえばステータスとかは見れるのかな。ええっと確か頭の中でステータスって考えればいいのかな。ステータスよ開け。
・・・うーん、出て来ないな。言葉が違うのかな。次はステータス、開け・・・ステータス、オープン・・・ステータス、オン。
全然出てこない。ステータスじゃないのかな。だったらパーソナル・・・プライベート・・・インディビジュアル。
すると、頭の中で表みたいなものが見えた。
「 よっしゃ〜、出た。それにしてもこんな単語なんて普通知らんぞ。昨日のテストで出て来たから知っていたけど。」
表みたいのの中には、ステータスとスキルがカタカナ表記であった。この世界の文字はカタカナなのかな。
そこでステータスと念じるとゲームでよく見る画面が現れた。上から読むと、
名前 アヤノ ユウタ
年齢 16
種族 ヒト
レベル 1
力 2
素早さ 4
頑丈 3
体力 1
器用さ 1
知能 6
精神 5
魔力 1
運 5
称号 テンイシャ
と書かれていた。
・・・全体的にはいいが体力と器用さが低すぎる、まぁ自覚はあるけど。運動部に所属している割には体力なかったし、不器用だったけど。
けど、この称号を何とかして欲しいよな。これのおかげで自分が転移されたと分かったけど、転移者の存在がなかったらどうすればいいんだ。
最低でも俺はレベルの概念が通用するから遅くなるかもしれんが確実に前よりは強くなれる。そう思うと、自然に体が震えた。
よし、決めた。俺はこの世界で勝ち組になってやる。前の世界でもあの時点では勝ち組だったけど、受験後のやる気損失で成績は下がる一方だったからいずれ負け組になっていたはずだ。だからこの世界では頑張るぞ、たぶん。
ま、まぁ次はスキルだ。えっとスキルスキルっと。
そうすると次はほとんど空欄の表が出てきた。そこには、
スキルボーナス3
スキル
と書かれていた。
お、これは例のチートってやつじゃないのか。スキル習得っと。
現れたのは途方もない数のスキルだった。ざっと見てみると、大まかに2種類に分かれていた。ステータス強化、特殊だ。
お分かりいただけただろうか。なんと攻撃スキルが覚えられないのだ。
・・・なんでだよ!なんでパッシブだけなんだよ。それにほとんどのスキルの使うボーナスが5以上で今の所ほとんどのスキルが覚えられない。でも覚えられるスキルの中に(といっても1つだけだけど)共通語というものがあった。使用ボーナスは3とこれで全部使い果たしてしまう。でも速攻このスキルを覚えた。
するとスキル欄に共通語が現れた。
ふぅー、まぁこの世界で共通?な言葉が使えるようになるのだったら安いと思うけど、もうちょっと優遇してもいいんじゃん。まだこの世界に来て生まれたての赤ちゃんと同じくらいの時間過ごしてるけど、森の中には果実とかなかったし、川も流れが強すぎて飲めるとか以前の問題だもん。ハードすぎだろ。でも、前を見たら町のようなものも見えてきたし、変なこと考えず周りを警戒しながら行こう。まぁ360度見渡せるから敵が来てもすぐに見つけれるし。
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