4/9
おい、マジでふざけんなよ
「おい、マジでふざけんなよ」
唐突だがスポーツ観戦において最も盛り上がるのはいつか。それはもちろん得点を決めた瞬間だろう。
それも試合を決定づける場面でのそれは一番の盛り上がりを見せるだろう。
それをこの女はあろうことか、その決定的瞬間にチャンネルを変えやがった。
「いや、ごめんって。もうドラマが始ってる時間だったからさ」
そんなことはどうでもいい。……いや、よくないが。何より問題なのはこの行き場のない感情の捌け口がないことだ。
「チャンネル戻そうか?」
「いや、いい」
今さら戻されてもどうしようもない。もう寝よう。
次の日姉は少し優しかった。