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姉と弟  作者: 海ほたる
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ちっ、気付かれたか

「あっ、カズマ今から出掛けるの?」


 ちっ、気付かれたか。


「そうだけど?」


 そのままリビングでくつろいでいればいいものを目ざとく勘づきやがって。


「ちょうどよかった、雑誌買ってきて。いつものやつね」


 簡単に言いやがる。男子高校生が女性向け雑誌を持ってレジに並ぶのがどれだけ苦痛だと思っているんだ。被害妄想かもしれない。でも、周りの視線を気にしてしまうんです。


「……わかった」


 でも悲しいかな、反抗する意思はもう折られている。子供の頃の経験って覆し難いよね。


 だが、無駄であろうが抵抗することを辞めてはいけない。


「何? その手。……あぁ、あとで払うから」


 ですよね、払ってもらったことは一度もありませんが。

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