表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
35/63

〔第三部〕「確かなもの」8話

「二〇X〇年十一月十日 脱出」


その日、トランクルームには早鐘が鳴り響いた。


何者かが、トランクルームから大切なものを持ち出したのだ。

大切なものがなくなっているのを発見したのは管理人だった。

管理人は、すぐポリスに通報して捜索させたが見つからなかった。


トランクルームの住人は、そんな大切なものが一体なんなのかを知らなかったから、さまざまな憶測が飛び交った。

それは、悠久の昔から人々が受け継いで来た秘宝だと言う者もいれば、何か大きなエネルギーの塊らしいという者もいた。

一方で、それが持ち出されたから一体どうしたのだと言う者もいた。

何かの大きさも形も色も語る者によって違っていた。


そして、「持ち出した」という言い方をしたのにはわけがある。


なぜなら、その大切なものは、もともとトランクルームのものでもなければ、管理人のものでもなかった。

実は、遠い昔に管理人がそれを盗んで、トランクルームに隠してしまったのだ。


管理人がなぜそんなことをしたのかは誰も知らなかった。


ただ、その大切なものは隠されてしまったことと、そしてなにより正当な持ち主のもとにないことが原因で、その輝きは鈍く、今にも消え入りそうになってしまった。


輝きを取り戻すためには、主に返すしかないのだが、主にも資格がいるのだ。


持ち出した者は、マルキスだった。


彼は、大切なものを持ったまま自分の国へは帰らず、歳の離れた男、Tのもとへと向かった。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ