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蝶になって  作者: ゆり
9/23

9、電話

定食屋を出て、遥ちゃんとドンキホーテで買い物をした。

そして、居酒屋へ行き少しお酒を飲む。


朝日が昇って明るくなった頃、二人は地元行きの電車に乗りこんだ。



遥ちゃんは絵里が住む○市の隣の町に住んでいて、絵里より先に電車を降りていく。


電車に揺られながら、遥ちゃんの言葉やノアの事を考えた。


割り切って働けたら楽なんだろうな・・・。



地元に着くと、駅前にはスーツのサラリーマンや学生があふれていた。

時計を見ると、朝の八時を少し回っている。



あくびをしながらタクシーを拾い、家の住所を告げる。

バスがあるのにタクシーに乗った。

そんな事は初めてだった。




家の前に着き、千円と少しを支払ってタクシーを降りる。

親にバイトがばれないように、セットされた髪をほどく。そしてワニクリップで髪をまとめた。


静かに玄関をあけ、急いで部屋に入った。


ベッドに横になり、天井を見上げる・・・。



そして絵里はそのまま眠りについていた。




携帯の着メロが鳴っている―――


絵里は携帯の音に起こされた。


もう4時半だ・・・。



携帯の画面には知らない番号が表示されている。


「はぁい・・・」

思い切り寝呆けた声が出てしまった。


相手は少し黙った後、

『寝てた?

俺だけど、わかる?』

と言う。



俺って言われても、わからない・・・



「だれ?」


『昨日、教えてくれたじゃん。

ユウヤだよ!』



ユウヤ・・・。?

昨日?


―――あっ。

わかった! 昨日ノアで大金を持ってた若い男だ。

番号きかれたんだっけ・・・。



「あー、わかった。

ごめんね。


どうしたの?」


『別に用事ないけど。

この番号、登録しといてね!

近々、エリ指名で飲みに行くからさぁ。』


「あ。

う、うん。わかったぁ。」


なんとなく、もう行かないって言いづらかった。


それに、眠くて面倒だった。



ユウヤとの電話を切ると、また携帯が鳴る。


また、知らない番号が表示されていた。



今日は変な電話が続くなぁ。



「はい」

今回は普通の声が出た。


『おはようございます。


ノアの店長ですけど、昨日はお疲れさまでした!


どうでしたか??』



「あ、はい。

おはようございます!


キレイな内装だったし、体験入店させてもらってありがとうございました。」



もう夕方なのに《おはようございます》という挨拶。

すごい違和感・・・。

《こんにちは》じゃないのかな?


しかし店長は何も気にしてないのか、話を続ける。


『エリちゃん、どうかなぁ?

ぜひ、入店してほしいんですけど。


週5日出れるなら、時給は4出すよ。

ダメかなぁ??』



4?・・・4000円?!


グラグラ気持ちが揺れる。


でも・・・。

やっぱり無理―――


「あ、あの。

ちょっと無理かなぁって・・・」


『4000円じゃ安いかな?


エリちゃん可愛いし、他店はもっと出すっていってたの?』



何か誤解されている・・・。

4000円じゃ安くて入店しないって思われてる(苦笑)


「いや、あの――」

『じゃあ、45(ヨンゴー)出すよ!


4500円ならいいかな』



す、すごい・・・。


絵里は断らなかった。


「また連絡します」

と答えを保留にして、店長との電話を切る。




急いで電卓をたたく。


4500円×6時間は27000円で、週5日出たら一週間で13万5000円。


・・・とゆうことは、一ヵ月で約60万円?!

そんな稼げるの?!?!

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