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蝶になって  作者: ゆり
7/23

7、体験入店

店長さんに一通りの流れを教えてもらう。


お客さんの接客、

お酒の作り方などなど。


一番大変だったのは、指のサインを覚える事。

フロアで

「おしぼりください!」

とかことばに出すのは厳禁らしく、全て手や指を使ったサインを出さなくてはいけないみたい。


両手の親指と人差し指を合わせて大きな丸を作ったものが《灰皿ください》のサイン。

両手で何かを絞るような仕草は《おしぼりください》のサイン。


初めての絵里にはサッパリ覚えられなかった。




そして夜の八時になった。


ノアのオープン。


同伴客(キャバ嬢と食事などをしてお店に入る客)がポツポツと入店してくる。


遥ちゃんもいないと思ったら、客と同伴をしていたらしい。

少しハゲかけたおじさんと一緒にノアに姿を現した。




更衣室でお店のドレスに着替えて、専属のヘアメイクさんに髪の毛をセットしてもらう。


鏡に写った姿は別人のようだった。

見た目だけは一人前のキャバ嬢だ。




『絵里さん、遥さんのヘルプお願いします。』


《付け回し》と呼ばれる従業員に呼ばれた。

《付け回し》とはフロア全体を見て、女の子を客席に案内するスタッフだ。

スタッフとゆうより、黒服と呼ばれるらしい。


理由は簡単。

黒いスーツを着てるから(笑)。


ちなみに灰皿やグラスをさげたり、ウエイターをする人は《ボーイ》と呼ばれている。




それから時間はあっとゆうまに過ぎ、気付けば日付が変わっていた。


ノアは人が絶えず出入りしていて、休む暇もない。



そして、絵里は会計中の若い人たちのテーブルに着いた。

歳を聞くと、みんな二十歳くらい。

ノアは一時間で指名がなくても一万を少し超える。 そして彼らのテーブルにはジンロ(定価900円弱なのにノアだと8000円になる)やフルーツやおつまみがたくさん。


いくらになるのかなぁ・・・。


その時、彼らに会計伝票が来た。

《18万7000円》


思わず絶句してしまった。


18万なんて、一ヵ月働いた絵里の月給より高い。

そして彼らは普通に会計を済ます。 財布には18万を払っても、まだまだ諭吉が入っていた。



『絵里ちゃん、連絡先教えてよ。

今度指名でくるよ。』

会計を払った男に声を掛けられた。

絵里は言われるままに携帯の連絡先を教える。




なんか、キャバってよくわからない。

でも、バブルな世界がもっと知りたくなった―――。

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