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蝶になって  作者: ゆり
6/23

6、ノア

すごい・・・。


ネオンの数が、地元の繁華街の何十倍なんだろう。




遥ちゃんは慣れた様子で人込みを歩いていく。


「私、場違いな感じがするんですけど・・・。」


『そんな事ないよー!

あと少しでお店だから。

ノアってゆう名前なんだけどね。』


ノアって、乃亜たんと一緒。 少し親近感がわく。




ネオン街を歩くこと五分、目の前にノアと看板が出てきた。

ノアは古い雑居ビルの2階にあり、そのビルは1階から6階まで全て飲み屋さんが入っていた。

隣のビルも、その隣のビルも飲み屋さんばかり―――


「飲み屋さんって歌舞伎町に何件くらいあるのかなぁ?」


『キャバだけで300とかじゃない?

風俗やホスト入れたら1000は超えてると思うよ。


じゃ、行こうか!』


「あ、うん。

お願いしますっ。」




歌舞伎町に少し圧倒されながら、絵里はノアのビルのエレベーターに乗り込み二階のボタンを押す。


エレベーターも古くて今にも止まりそう。

ノアもボロボロなんじゃないかと不安になった時、ドアが開いた。


「すごいっ!」


白を基調にしたオシャレなエントランスが、目の前に広がっていた。



「ビルから想像つかない・・・ですね。」


『そーだよね。

歌舞伎町は新しいビルは少ないから。


古いビルでも内装がキレイなお店はいっぱいあるよ。

ノアもそうでしょ?』




遥ちゃんはエントランスで『ねぇ、店長は!?』と、誰かに声をかけている。


絵里はエレベーターを降りたところで完全に硬直してしまっていた。


緊張した時は手のひらに人って三回書いて飲むんだよね?!




―――ちょうど三回目に人を書いた時、遥ちゃんが絵里に手招きした。

急いで飲み込んで遥ちゃんのあとに続く。




エントランスを通り過ぎ、廊下?を少し歩くとフロアが見える。


フロアにはソファーとテーブルがたくさんあって、間接照明が所々に設置されている。


フロアは広く、ソファーには80人くらいは座れそうだ。

だけど遥ちゃんいわく、ノアはそこまで大きいお店じゃないらしい。




遥ちゃんに案内され、フロアのはじのソファーに座る。


『これから店長の面接だよ。 そんな緊張しないで平気だからねっ。


頑張って!

またあとでね。』


遥ちゃんはどこかに行ってしまい、絵里は一人になってしまった。



男の人が絵里に履歴書らしき物を手渡し、お茶をテーブルに置いていく。


履歴書を見ると、普通の昼の社会とは違うのが明らかだった。



名前、住所、生年月日、本籍。 そこまでは一緒。


でも、学歴は一切書く場所がない。

昼間なら一番重視されるのに・・・。


その下に希望シフト、希望時給、他店経験などを書く欄があった。


あとは、撮影OKかNGかってゆうのと、身長体重や体のサイズ。

よくわかんないけど、とりあえずOKに○をつけてみる。




『書けましたか?』


男の人の声がした。


書類から目をあげると、三十歳くらいのスーツの人がいる。


『店長の酒井です。』


「咲坂絵里です。

お願いします。」


絵里は頭をさげた。

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