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蝶になって  作者: ゆり
21/23

21、知り合いなの?


カイと付き合ってから一週間が経った。


毎日電話をして、毎日ノアの後に少し逢う。

カイはわざわざローズから抜けてきて、絵里の顔を見にきてくれる。



でも、カイには全然ときめかなかった。


逢っても、キスをしても、何も感じない。



キスって、もっとドキドキするものじゃなかった・・・?


こんなのだった?



カイと電話したり逢うと楽しい。

だけど、遥ちゃんと一緒にいる時の楽しさと変わらない。




今日も二時にノアが閉店し、絵里はローズに向かって歩いていた。


電話をすると、『今から外に出てくる』とカイは言った。




―――その時、ケンが絵里の目の前に現れた。



『絵里!!

偶然だな。

今仕事終わったの??』



?!?!



「・・・うん。

ケンは?何してるの?


ビックリした。」



いきなりケンに会うから心臓がすごい音たててる。


ケン、赤い顔してるけど、またキャバクラ行ってたのかな・・・。

そう思うと胸が痛かった。



『絵里、携帯教えろよ。


この前聞けなかったし、電話するよ。


てゆーか、今から何するの??』



え?

なんで?


絵里に携帯教えたくなかったんじゃないの?



なんで今さらと聞きたい気持ちを押さえ、ケンに携帯番号を教えた。




ふとローズの方を見ると、カイがこっちをにらんでいた。


まずい、見られた・・・。



そして、カイはこっちに歩いてくる。



絵里は急いでケンと番号を交換し、

「すぐ電話する」

とだけいい、ケンを別れようとした。



―――でも、カイはもう間近まで来ていた。




『ケンさんじゃないですかー。

おつかれさまです。


絵里ちゃんもおつかれ!』



カイはケンと絵里に声をかけた。


「は??

知り合いなの???」


『おぉ。前にキャバクラの子とアフターで行ったんだよ。

絵里もローズ行った事あるんだぁ。』


ケンはそう絵里に言い、カイと話しはじめた。




まずい・・・。


お願いだから、付き合った話はしないで!!!




そう思った時、ケンの携帯が鳴った。

友達に焼肉屋へ呼び出されたらしく、また連絡すると言ってケンは歩いていった。




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