14、色恋営業
しばらく泣いた後に、部屋に戻った。
赤くなった目をユウヤに気付かれたが、酒のせいにして明るい歌をおもいっきり歌う。
そして五時頃、四人はカラオケ屋を出た。
ユウヤは絵里を送ると言い、タクシーを拾って絵里を乗せる。
タクシーが絵里の家に近づくと二人の間に微妙な沈黙ができた。
口を開いたのはユウヤだった。
『エリ・・・。
付き合ってよ、マジで。』
・・・。
言われてしまった。
絵里にはどう答えればいいのかわからない。
遥ちゃんに相談してから答えよう。
「い、いきなり・・・
少し考えたいから、待ってほしい。」
ユウヤは『わかった』といい、マンション前についたタクシーを降りようとする絵里にまたキスをした。
ユウヤの告白をごまかし続けてしばらく経った頃、ユウヤは店に来なくなった。
電話をしても『忙しくて』の一点張り。
絵里の売り上げは激減していった。
『エリちゃん、最近どうしたのー?
売り上げ落ちてるよ。』
店長にそう言われるたびにイライラする。
遥ちゃんはユウヤと色恋営業で付き合っちゃえばと言う。
キスは仕方なくても、セックスはさせないで引っ張れるだけ引っ張ればいいんだよと笑う。
でも、付き合えばいつかはセックスを求められる。
逃げ切れる自信がない。
そして、プライベートな時間も逢わなくてはいけなくなる・・・。
絵里はそこまでユウヤに深くふみこめなかった。
そして気が付けば、絵里がキャバクラ嬢になってから、すでに三ヶ月が過ぎていた。
絵里は悩みぬいた結果、ユウヤと付き合う事にした。
稼ごうと決めて選んだ職業なんだもん。
そして、ほかに告白されていたお客さんたちの告白も受け、付き合った。
後ろ指さされてもいい。
それで稼げるなら・・・。
だって、ケンがいない今、貞操を守ってもしかたない。
割り切るなら、一人も二人もかわらない。
みんな付き合って、店に来させて、うらっぴき!!
うらっぴきって言うのは、店にはあまり来ない客でもプライベートで会って、モノや金を貰うこと。
遥ちゃんのお決まりコースは、まずは友達営業で店に来させる。
来なくなったら色恋営業に切り替えて店に来させる。
それでもダメならうらっぴき用の客にする。
そして、金がなくなったりウザくなったら捨てる。
絵里はそれを真似しようと思っていた。