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桜の木のふたり。  作者: sakura


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3/10

第3話「サクラ」

はじめまして。


この物語は、桜を追いかけて日本を旅する青年の話です。


仕事に疲れ、少し立ち止まってしまった主人公カナタが、軽キャンピングカー「あお」で桜前線を追いかけながら日本を北へ旅していきます。


満開の桜だけではなく、散り始めた桜、葉桜、そして桜のない道もあります。

旅の中で出会う人や景色、そして小さな思い出が、少しずつカナタの心を前に進ませていきます。


ゆっくりとした旅の物語ですが、よかったらカナタと一緒に春の日本を旅してみてください。

第三話「サクラ」

昼の桜は、

やわらかい光に包まれていました。

風が吹くたびに、

花びらがゆっくり舞います。

ソラは桜の木の下で

寝転んでいました。

「気持ちいいなぁ」

青い空を見上げると

桜の枝がゆっくり揺れています。

そのとき。

小さな足音が聞こえました。

コツ、コツ。

ソラは体を起こしました。

小さな女の子が

桜の木の前に立っていました。

白いワンピース。

桜を見上げています。

ソラは手を振りました。

「こんにちは!」

女の子は

ゆっくり振り向きました。

大きな目。

そして少しだけ笑いました。

「こんにちは」

ソラは聞きました。

「どうしたの?」

女の子は桜の木を見上げます。

そして言いました。

「この桜」

ソラも見上げます。

満開の桜。

花びらが

ふわっと落ちました。

女の子は言いました。

「元気になったね」

ソラは少し驚きました。

「え?」

女の子は

桜の幹に触れました。

「この子」

「少し前まで弱ってた」

ソラは目を丸くしました。

「知ってるの?」

女の子はうなずきました。

「うん」

そして言いました。

「おじいちゃんが」

「ここにいたから」

ソラは首をかしげます。

「おじいちゃん?」

女の子は

桜の木を見上げました。

風が吹きました。

花びらが

ふわっと舞いました。

女の子は静かに言いました。

「この桜の番人」

ソラは驚きました。

「番人?」

そのとき。

桜の花びらが

二人の間に落ちました。

女の子は少し笑いました。

「あなたたちでしょ」

ソラは固まりました。

「え?」

女の子は言いました。

「ルナとソラ」

ソラはさらに驚きます。

「なんで知ってるの?」

女の子は答えました。

「だって」

少しだけ誇らしそうに言いました。

「おじいちゃんが言ってた」

そして桜の幹を

そっとなでました。

「この桜はね」

「人の気持ちを守る木なんだって」

風が吹きました。

桜の花びらが

やさしく舞いました。

女の子は振り返ります。

そして言いました。

「私の名前」

少し笑って

「サクラ」

ソラはびっくりして

桜の木を見上げました。

桜の花びらが

ゆっくり落ちてきました。

まるで

「よろしくね」

と桜が言っているみたいでした。


ここまで読んでいただき、ありがとうございました。


この物語では、日本のいろいろな場所を旅しながら、桜と人の小さな物語を書いていきたいと思っています。


桜は満開の時間がとても短く、同じ場所でも少しの時間で景色が変わってしまいます。

その変わっていく景色も含めて、旅の時間なのだと思います。


満開の桜だけではなく、散った桜や葉桜、そして桜のない日もある旅になりますが、ゆっくり読んでいただけたら嬉しいです。


もしよろしければ、ブックマークや感想などいただけるととても励みになります。


これからもカナタの桜の旅は続いていきますので、よかったらまた次の話でお会いできたら嬉しいです。

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