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桜の木のふたり。  作者: sakura


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第2話 「春の番人」

第二話「昼の番人」

朝。

桜の木の下には

やわらかい光が差し込んでいました。

夜とは違う、

少しあたたかい空気。

花びらが

ゆっくりと落ちています。

その桜の木の下で、

一人の男の子が寝転んでいました。

犬の耳をした男の子。

名前は ソラ。

ソラは大きく伸びをしました。

「うーん」

空を見上げると、

桜の枝がゆっくり揺れています。

「今日もきれいだな」

そのとき。

少し遠くから

足音が聞こえました。

ソラは体を起こします。

一人の男の子が

立っていました。

ランドセルを背負った

小学生くらいの子。

でも顔が少し曇っています。

ソラは笑いました。

「どうしたの?」

男の子は

少し驚いた顔をしました。

「え?」

ソラは立ち上がります。

「困ってる顔してる」

男の子は

少し黙りました。

それから小さく言いました。

「学校…」

「行きたくない」

その瞬間。

桜の花びらが

ふわっと落ちました。

ソラは桜を見上げます。

「そっか」

それだけ言いました。

男の子は

少し不思議そうな顔をします。

「怒らないの?」

ソラは笑いました。

「怒らないよ」

そして言いました。

「理由あるんでしょ?」

男の子は

少し安心した顔になりました。

そしてぽつりと

「ちょっと…」

「嫌なことあって」

ソラはうなずきました。

「そっか」

それから

桜の木の下に座りました。

トントン。

隣を叩きます。

「座る?」

男の子は

少し迷いました。

でもゆっくり座りました。

風が吹きました。

桜の花びらが

やさしく舞いました。

昼の桜は

静かで

あたたかい場所でした。

ソラは空を見ながら言いました。

「大丈夫」

男の子は聞きます。

「なにが?」

ソラは笑いました。

「なんとかなるよ」

それから少しして。

男の子は立ち上がりました。

「行ってみる」

ソラは手を振りました。

「いってらっしゃい」

男の子が歩いていくと

桜の花びらが

ふわっと落ちました。

まるで

「よく言えたね」

と桜が言っているみたいでした。

昼はソラ。

夜はルナ。

桜の木の下には

今日も

本当の気持ちが集まります。


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