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クラスごと異世界転移したモブの俺、ハズレスキル【無限収納】が覚醒したので異世界で無双します  作者: よるねこ
第一章

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第43話 ガルドさんが正式に仲間になった件と、このパーティでは遠征に酒を持っていかない鉄則が出来た件


翌朝。


ユウトたちはいつものように冒険者ギルドの前で落ち合った。


朝の街はすでに動き始めている。

荷車の音、屋台の準備、商人の呼び込み。都市国家の朝は早い。


レイナが最初に気付いた。


「ガルドさん」


ギルドの壁際に立っていたガルドがこちらを見る。


以前よりも、少し肩の力が抜けているように見えた。


ユウトたちが近付くと、ガルドは静かに言った。


「娘も完全に回復した」


マリナがほっと息を吐く。


「よかった……」


ガルドは頷いた。


「もう大丈夫だ」


それから四人を順に見た。


「それでだ」


少し間を置く。


「正式に仲間に入れてくれ」


レイナが即答する。


「もちろんです!」


マリナも頷いた。


「こちらこそお願いしたいわ」


ユウトも言う。


「ぜひお願いします」


ダインは腕を組んだまま言った。


「決まりだな」


ガルドは小さく息を吐いた。


「じゃあ登録だ」



ギルドの中は朝から人が多かった。


掲示板の前では依頼票の取り合いが始まり、受付には短い列ができている。


その間を抜けて、五人は受付へ向かった。


受付嬢が顔を上げる。


「あら、おはようございます」


マリナが言う。


「パーティ登録をお願いします」


受付嬢は書類を取り出した。


「承りました」


名前を書いていく。


ユウト。

マリナ。

レイナ。

ダイン。

ガルド。


受付嬢は書類を確認して言った。


「五人パーティですね」


「構成もバランスがいいと思います」


前衛、盾、弓、魔法、指揮。


安定した構成だ。


受付嬢は書類をまとめた。


「登録完了です」


「正式パーティですね」


レイナが嬉しそうに言う。


「やっとですね」


ガルドは登録票を見て言った。


「これで形になったな」



ギルドを出ると、すぐに声が飛んだ。


「おい」


振り向くと、冒険者がこちらを見ていた。


「お前ユウトだろ」


ユウトは首を傾げる。


「はい?」


男が笑う。


「酒のやつ」


レイナが吹き出した。


「もう広まってるんですね」


別の冒険者が言う。


「飲むときは教えてくれよ」


「え?」


「先生と一緒の時にな」


マリナの顔が引きつる。


「ちょっと」


ユウトは本気で分からなかった。


「なんで先生なんですか?」


男は当然のように言った。


「先生が隣にいれば安全だからだ」


ユウトは首を傾げる。


「安全?」


レイナが笑いながら言う。


「黒崎くん」


「自分が思ってるより危険なんですよ」


ダインが言う。


「そうだ」


ガルドも頷く。


「残念だがな」


ユウトだけが納得していなかった。



掲示板の前に戻る。


レイナが言う。


「パーティ登録したから出来る依頼増えてますね」


確かにそうだった。


採取だけではない。


討伐。

護衛。

素材回収。


マリナが言う。


「護衛依頼を受けてみない?」


ユウトが聞く。


「新人でも大丈夫なんですか?」


ダインが答える。


「普通は無理だ」


ガルドが続ける。


「だが俺がいれば話は別だ」


ガルドはこの街の冒険者だ。

多少顔が知られている。


ダインはこの街では無名だが腕は確かだ。


五人パーティなら信用も上がる。


レイナが依頼票を指差す。


「これどうですか」


商人護衛。


三日ほどの距離にある市まで荷を運ぶ依頼だ。


ダインが頷く。


「悪くない」


ガルドも言う。


「初護衛にはちょうどいい」


マリナが決めた。


「これにしましょう」



依頼を受理したあと。


五人は遠征準備を始めた。


食料。

水。

毛布。

簡易テント。

火打石。

鍋。


ユウトの収納に入れていく。


レイナが袋を確認する。


「食料よし」


ダインが言う。


「水よし」


ガルド


「矢よし」


マリナ


「調味料よし」


その時だった。


ダインが言う。


「確認だ」


全員を見る。


「遠征準備」


「酒は入れるな」


一瞬沈黙。


レイナが真顔で言う。


「当然です」


マリナも頷く。


「このパーティの鉄則ね」


ユウトが不満そうに言う。


「えぇ?」


ダインが言う。


「護衛中にお前が酒を飲む」


「想像するだけで危険だ」


ガルドも言う。


「遠征中は絶対禁止だ」


レイナ


「満場一致ですね」


マリナ


「決まり」


「遠征準備に酒は入れない」


ユウトは少し考えてから言った。


「……分かりました」


こうしてこのパーティには一つのルールが出来た。


遠征準備に酒は入れない。


それが鉄則になった。



街門へ向かう途中。


ダインが言った。


「合流前に確認する」


五人が立ち止まる。


ダインは続けた。


「メインの護衛は二人組で動く」


ガルドが補足する。


「護衛対象は常に視界に入れる」


マリナ


「残りは周辺警戒ね」


ダイン


「前後と左右」


「必ず誰かが見ている状態」


レイナが聞く。


「街道は?」


ガルドが答える。


「必ず道も見る」


ユウト


「道?」


ダイン


「穴や亀裂だ」


「馬車の車輪が落ちる」


「止まれば襲われる」


なるほど。


ユウトは頷いた。



街門の外。


小型の馬車が待っていた。


商人がこちらを見る。


それからユウトを見て言った。


「ああ」


「最近話題の……」


ユウト


「話題?」


レイナが吹き出しそうになる。


商人は笑った。


「まあいい」


「護衛頼む」


ダインが頷く。


「任せろ」


馬車がゆっくり動き出す。


こうして――


ユウトたち五人のパーティによる


初めての護衛依頼


が始まった。

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