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クラスごと異世界転移したモブの俺、ハズレスキル【無限収納】が覚醒したので異世界で無双します  作者: よるねこ
第一章

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第41話 男三人で飲んだら地獄だった件


ガルドの娘の容体が安定してから、数日が過ぎた。


ユウトたちはいつも通り依頼をこなし、エルドリア共和国での生活にもすっかり慣れてきていた。


その日の依頼は軽い採取だった。


街の近くの森で薬草を集めるだけ。


午前中で終わり、昼には街へ戻ってきていた。


ギルドで依頼を納品し、外へ出る。


レイナが大きく伸びをした。


「今日は楽でしたね」


ユウトも頷く。


「そうですね」


ダインが言う。


「このあとどうする」


マリナは少し考えてから言った。


「私は買い物があるわ」


レイナも言う。


「私も付き合います」


そして二人はユウトを見る。


「黒崎くんは?」


ユウトは肩をすくめた。


「俺は特に予定ないです」


ダインが言った。


「なら男三人で飯にするか」


ガルドも頷く。


「いいな」


ユウトも笑う。


「いいですね」


マリナが言った。


「お酒はほどほどにしなさいよ」


レイナが小さく笑う。


「先生、それ意味ないと思います」


ユウトは首を傾げる。


「え?」



夜。


ユウト、ダイン、ガルドの三人は酒場にいた。


冒険者が多く集まる店だ。


木のテーブルに肉料理が並び、酒の匂いが漂っている。


ガルドが言う。


「今日は軽くだ」


ユウトは頷く。


「はい」


ダインはすでに肉を食べ始めていた。


しばらく普通に食事をしていたが、やがてガルドが酒を持ち上げた。


「一杯くらいはいいだろう」


ユウトも頷く。


「そうですね」


三人は乾杯した。


ユウトは一口飲む。


「……」


二口飲む。


そして。


ユウトは静かに立ち上がった。


ガルド

「始まったな」


ダイン

「早い」


ユウトはダインを見る。


そして真剣な顔で言った。


「ダインさん」


「なんだ」


「男前ですね」


ダイン

「……」


次の瞬間。


ユウトは――


ダインに抱きついた。


ダイン

「何をしている」


ユウト

「落ち着きます」


ガルドが笑う。


「抱きつき癖か」


ユウトは離れた。


そして今度はガルドを見る。


「ガルドさん」


「なんだ」


ユウトはゆっくり頷いた。


「ガルドさん、奥さんとラブラブでとってもグッドです」


ガルド

「……」


ユウトは続ける。


「娘さんも大事にしてて」


「すごくいい家族です」


ガルドは少し困ったように笑った。


「……酔ってるな」


ユウトは真面目に首を振る。


「違います」


「これは真実です」


そして言った。


「ガルドさん」


「奥さん大事にしてください」


ガルド

「してる」


ユウトは満足そうに頷く。


「いいですね」


「家族っていいです」


ダインがぼそっと言う。


「まだ普通だな」


ガルドが笑う。


「このあとだ」


ユウトはさらに酒を飲んだ。


そして。


真剣な顔になった。


「先生がいない」


ダイン

「いないぞ」


ユウト

「困りました」


ガルド

「何が」


ユウトは言った。


「先生の匂いがしません」


ダイン

「……」


ガルド

「……」


ユウトは突然立ち上がった。


「探します」


ダイン

「待て」


ユウト

「先生の匂いがします」


そして――


走り出した。



その頃。


別の酒場。


マリナとレイナは食事をしていた。


レイナがパンをちぎりながら言う。


「今ごろ大変でしょうね」


マリナ

「何が?」


レイナ

「黒崎くんですよ」


マリナはため息をつく。


「……」


レイナが笑う。


「男三人で飲ませたら危険ですよ」


その時。


酒場の扉が開いた。


ユウト

「先生!」


店内の視線が一斉に集まる。


マリナ

「……」


レイナ

「来た」


ユウトは迷いなくこちらへ歩いてくる。


そして。


がっちりマリナに抱きついた。


マリナ

「黒崎くん!?」


ユウトは真剣だった。


「やっと見つけました」


レイナ

「どうやって?」


ユウトは当然のように言う。


「先生の匂いがしました」


レイナ

「え」


マリナ

「……」


その時。


ダインとガルドが店に入ってきた。


レイナが二人を見る。


「どういうことですか?」


ガルドが苦笑した。


「店を三軒通り過ぎて」


ダインが言う。


「突然走り出した」


ガルドが続ける。


「『先生の匂いがします』」


レイナ

「……」


ダインは静かに言った。


「ある意味すごいな」


ガルドが笑う。


「完全に追跡犬だな」


ユウトはマリナに抱きついたままだった。


「先生」


「落ち着きます」


マリナは真っ赤になっていた。


「……帰るわよ」


レイナは笑いを堪えていた。


「先生」


「生贄確定ですね」


こうして。


ユウトの酒癖は――


この街の酒場で、少しずつ知られていくことになる。

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