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クラスごと異世界転移したモブの俺、ハズレスキル【無限収納】が覚醒したので異世界で無双します  作者: よるねこ
第一章

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第1話 クラスごと異世界召喚されました

 目の前が白く光った。


 その瞬間、教室の空気が消えた。


「………は?」


 黒崎悠人は思わず声を漏らした。


 さっきまでの自分は、いつもの教室にいたはずだった。昼休みの少し前、担任の橘真里奈先生が黒板の前で何かを説明していた。


 クラスメイトは騒がしく、誰かがスマホをいじっていた。


 いつもの、退屈だが平和な日常。

 ーーーーのはずだった。

 気がつくと、そこは見知らぬ場所だった。


 広い石造りの大広間。

 高い天井。赤い絨毯。壁には見たこともない紋章が描かれた旗が掛けられている。

 そして目の前にはーーーー金属製の鎧を着た兵士たち。


「なんだここ」

 悠人の周りでは、クラスメイトたちがざわついていた。


「え、ちょっと待って………ここどこ?」

「映画のセット?」

「いや、ガチじゃない?」

 混乱した声が広間に広がる。


 ………全員いる。


 クラスの連中が、そのままの配置で集められていた。


 そしてその中にはーーーー


「………先生」


 クラス担任の橘真里奈の姿もあった。


 真里奈はスーツ姿のまま、驚いた顔で周囲を見ている。

「みんな、落ち着いて。慌てないで」

 そう言ってるが、本人もかなり困惑しているようだった。


 そのとき。


 大広間の奥にある大きな扉が、ゆっくりと開いた。


 重厚な音が大広間に響く。


 そこから現れたのは、豪華な服を着た男だった。


 王冠。

 長いマント。


 そして周囲には、さらに豪華な鎧を着た騎士たち。………騎士?


 男はゆっくりとこちらを見渡した。

 そして言った。


「勇者よ。よくぞ来てくれた」


 広間が一瞬、静まり返った。


 次の瞬間。

「………は?」

 クラス中から、同じ声が漏れた。


 男はそれを気にせず、言葉を続ける。


「我らの世界は今、魔王の脅威にさらされている」


「そのため我々はーーーー」

 そこで男は少しだけ間を置いた。


 そして、はっきりと言った。


「異世界より勇者を召喚した」


 ざわっ。


 クラスが一斉に騒ぎ出した。


「異世界って何!?」

「ちょっと待って、ドッキリ?」

「魔王って何だよ!」


 悠人は腕を組んで、その光景を見ていた。


 ………やっぱりか。


 さっきから、どう考えてもおかしいと思った。


 石造りの建物。

 兵士の装備。

 そしてーーーーー

 空気。

 教室とは明らかに違う匂いがする。


 そのとき、隣から声が聞こえた。

「黒崎くん」

 振り向くと、そこに橘真里奈がいた。

「………これ、本物だと思う?」

 悠人は少しだけ考えてから答えた。

「たぶん」

 真里奈は苦笑した。

「そうよね。私もそんな気がする」


 そして王座の男は続ける。

「勇者たちよ。これより神の祝福を授けよう」


 その瞬間。

 大広間に、再び光が満ちた。


 クラスメイトたちの体が、淡く光り始める。

「うわっ!」

「なにこれ!」

 騒ぎが広がる。


 悠人も、体の奥に何かが流れ込む感覚を覚えた。


 まるでーーーーー

 体の中に、何かが刻まれるような感覚を感じた。


 そして、光がきえた。


 数秒の沈黙。


 次の瞬間。

「おお………!」

 王の後ろにいた魔道士が声を上げる。

「勇者のスキルが……!」


 ざわざわと騎士たちが騒ぎ出す。


 クラスメイトたちも、次々と声を上げ始めた。

「なんか出てる!」

「ステータスみたいのが見える!」

「うわ、マジかよ!」

 悠人は目を細めた。


 ……なるほど。


 どうやら本当に、異世界らしい。


 そして、ふと隣を見ると。

 真里奈が少し困った顔で言った。

「ねぇ黒崎くん」

「はい」

「これ………帰れるのかしら」

 悠人はしばらく考えてから答えた。

「………どうでしょうね」


 そのとき、王の言葉が響いた。

「勇者よ!」


 王はクラスの中心に立つ天城隼人を指差した。

「そなたこそ、この世界を救う勇者である!」


 クラスの視線が、一斉に隼人に集まる。


 拍手が起きた。

 歓声も上がる。


 だが悠人は、少し離れた場所からその様子を見ていた。


 ……勇者か。


 どうやら、この世界は。


 最初から、主人公が決まっているらしい。











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