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26ー④ キアラ

 


 ここまで話すと、ギディオンはぐったりと疲れたように息をつき、両手で顔を覆って肩を落とした。

(その後、先代クルサード侯爵戦死の報を受けたパパが急遽侯爵を継いで、ゲートスケル軍をファーニヴァルから追い払い、その褒賞としてママとファーニヴァルを貰ったんだよね……)

 キアラは黙ってしまったギディオンの代わりに、頭の中で話の続きをなぞった。

 それにしても、ファーニヴァル大公(おじいちゃん)がママの話よりも頭が悪過ぎるし、ママを王国へ差し出す前からゲートスケルと繋がっていたなんて、クズもイイトコだ。

 ママのことは、本当にどうなっても構わなかったんだろうか、とキアラは途轍もない怒りを感じた。

 アーカート王も腹黒過ぎるし、その二人が自分と血縁関係にあるだなんて……イヤだ。イヤ過ぎる!

 そして、秘匿されている情報が多過ぎる!

(事実をそのまま公表したら先代クルサード侯爵の名誉とか、王家の沽券とかいろいろなモノに抵触するんだろうけど……)

 三者がそれぞれを出し抜こうと画策して、騙そうとした側・騙される側がくるくると入れ替わり、結局全員共倒れ(?)となったということなのか。

 ファーニヴァル大公・アーカート王・ゲートスケル皇国の思惑が(もつ)れて絡み合った結果、もしかしたら誰もが思ってもみない事態になってしまったのかもしれない。

 キアラは軽い頭痛を感じて、思わずこめかみを押さえた。

 ギディオンを見れば、当時の心境を思い出してしまったのか、落ち込みからまだ復活できないようだ。

 あの様子だと話が再開されるまで少し時間がかかるかもしれない。

 ならばその合間にと、キアラはギディオンの話の後、つまり紛争終結後に、小説と現在の何がどう変わったのかを、いま一度考察した————



 ギディオンが紛争に参戦し、ファーニヴァルからゲートスケル軍を追い払うところまでは、アミーリアとギディオンがお互いに抱いていた感情や、それに伴った行動に些細な相違があったとしても、概ね小説通りに進んでいたようだった。

 だがその後、婚姻したアミーリアとギディオンが()()ファーニヴァルに移ったところから少しずつ小説と変わり始め、キアラが生まれたあたりで大きく変化したのではないか、と思う。

 小説では、アミーリアは宝石商レヤードが現れるまでレティス城に引き籠って贅沢三昧の日々を過ごし、ギディオンは結婚後すぐに領地であるクルサードに戻ってしまった。

 その為、ある意味無法地帯となったファーニヴァルの治安と経済は悪くなる一方だった。

 しかし実際は、前世の記憶を取り戻したアミーリアはキアラを出産後、精力的にファーニヴァル商人と交流を始め、ゲートスケル商人に荒されたファーニヴァルの商取引を正常に戻すことに尽力し、新たな事業を初めて経済活動の活性化をも促して公都の復興に貢献した。

 一方のギディオンも、アミーリアを恋い慕うがゆえにファーニヴァルに留まり、贖罪の念からか戦後復興に寝る間も惜しんで励み、治安の悪くなった公都にクルサード騎士団を巡回させて治安維持に努め、さらにはアミーリアの活動にも影ながら協力・支援を惜しみなく与えていた。

 二人は期せずして、小説で暗躍したであろうゲートスケルの密偵の動きを封じていた可能性がある。

 一時ゲートスケル皇国軍に公都を占拠された際、多くの密偵がファーニヴァルに入り込んだはずだ。

 小説では、その密偵がアミーリアとギディオンの悪評を流して、亡国となり辛い生活に喘ぐファーニヴァル領民の不安を煽ったり、行方不明だった大公の遺児が戻ってくる等の噂を広めて、在りもしない希望を持たせて反乱を扇動したに違いない。

 だがいまは、アミーリアとギディオンの働きで戦後復興は順調に進み、公都に常駐するクルサード騎士団のこまめな見回りと厳しい取締りのおかげで不審人物を見かけることはほとんど無い。怪しい扇動活動等も自然と防止されたのだろう。

 結果、アミーリアの駆け落ち騒動は回避(代わりに誘拐騒動が起きたが無事救出)され、ギディオンが無体な捜索をして領民の恨みを買うことも、当然なくなった。

 とすると、ギディオン(パパ)が領民に殺害されるという筋書きは必然的に消えた————⁉

 ここまで考えて、キアラは思わず(おおっ)と喜びで唸ったが、同時にある()()()()()を思い出してサッと顔を青褪めさせた。




「…………ここまでが、俺がずっと言えないでいた……紛争終結の宴の前日に、陛下から聞かされた内容だ」

 キアラが考察している間に、ギディオンは落ち込みからいくらか浮上したのか、話が再開され始めた。キアラは慌てて考えるのを止めて、そちらに耳を傾ける。

「宴の前日、ということは、やっぱりギディオン様はアーカート王の思惑も先代クルサード侯爵の行いも、まったく知らなかったという訳ね」

 アミーリアはホッとしたように言ったが、ギディオンはそれでも悔やむように頭を抱えた。

「知らなかったから良いというものではない。父のやったことを考えれば、王命とはいえ貴女と婚姻してもいいのか……ひどく迷った……だが、俺は……断りたく……なかったんだ……」

 絞り出すように言ったギディオンの言葉に、アミーリアはぎゅんと胸を突かれて胸元を押さえた。

「ギディオン様……」

「……すまなかった……俺の我儘のせいで……。貴女は、ずっと前から……」

 途中でギディオンはぐっと喉を詰まらせた。

 ギディオンがいったい何に対して謝ったのかキアラには分からなかったが、アミーリアは先代クルサード侯爵のことだと思ったらしい。

「それはもう、お互い様よ。私の父だって、先代クルサード侯爵を陥れようとしていたんだから」

 恨みっこなしだと微笑むアミーリアに、ギディオンは寂し気な笑みを返す。

 それを見たキアラは(違う)と直感した。

 “貴女は、()()()()()()” ————もしかして、パパはいまだにママとシルヴェスター王子のことを誤解している?

 そんな考えがふと頭を過ぎるが、二人の会話は続いており、すぐに自分の思考よりも会話へと注意を戻した。

「そんなことは、もうどうでもいいんだ。そうではなく、貴女は、王宮に連れてこられた幼い頃から故国ファーニヴァルや父親の為、王子妃に選ばれるよう懸命な努力を重ねてきた。王子の婚約者に決まった後も、ファーニヴァルの利になることをあんなにも模索し、行動していた。それなのに! 大公の背信は、そんな貴女の努力も献身も、全て台無しにするものだった‼ いや、台無しどころか、自分の保身の為なら、国も、領民も、貴女も、どうなってもよいとばかりに……! そう、なにより俺が許せないのは、大公が貴女を……貴女の苦労など知りもせずに最初から————どうでもいいもののように捨て置いたことだ‼」

 最後は咆哮するかのように、怒りも露わにギディオンは声を荒らげた。

「ギ、ギディオン様……?」

 突然の感情の吐露にアミーリアは驚き、茫然とするばかりだった。

「こんな話を聞いて、辛くはないか? 悲しくは……ないか? 貴女の心は、本当は、傷ついているのではないか……?」

 眉間の皴がいままで見た中で一番多く深く刻まれ、ひどく凶悪な顔になっている。

 いっそ憎んでいるのかと思うほどの表情をしながら、声音はどこまでも優しく、アミーリアを気遣う言葉を綴る。

(そうか————)

 キアラも、アミーリアも、やっと理解した。

 ギディオンがずっと口を噤んで隠していた本当の理由とは、アーカート王の薄汚い陰謀の隠ぺいでも、陰謀に唯々諾々と従った自分の父親(先代クルサード侯爵)の行いを恥じたことでも、それをアミーリアに知られて恨まれることでもなかった。

 恐らくきっと————

 王太子妃候補としてアーカート王国に連れてこられた時点で、ファーニヴァル大公にとって単なる捨て駒になっていたこと。

 いかにアミーリアが自らを犠牲にしてファーニヴァルを救おうと努力し、働こうとも、ファーニヴァル大公とアーカート王の欲望と陰謀の前には、全く無価値で、無意味なものだったこと。

 それらを————アミーリアに自覚させたくなかっただけなのだ。

 孤立無援の王宮で、ファーニヴァル公女として、ファーニヴァルを守ろうとひとり必死に戦っていたアミーリアを見ていたギディオンは、アミーリアがそれを知ったことで傷つくのを厭い、アミーリアの心を守ることに腐心していただけ、だったのだ。

 まさか、すでにアミーリアが独自に調べておおよその事実を知っていたとは、ギディオンが知るはずもない。

 まぁ、大公が思っていた以上のどうしようもないクズだったのには、アミーリアもキアラも正直ドン引きではあったが……。

 いろいろと説明することになれば、どうしてもファーニヴァル大公がゲートスケル皇国と婚約成立前から通じていたこと、それをアーカート王が知っていたことを話すのは避けては通れなくなる。だから……例え自分が疑われ、嫌われても、それでもアミーリアの心と矜持を守る為、必死に口を噤み、ずっと隠し続けるつもりだったのだろう。

(……もう。パパぐらい馬鹿みたいに優しくて、ママを大事に思っている人はいないよ……)

 キアラはそう思い、思わず目頭がじわりと熱くなる。アミーリアにもそんなギディオンの思いは正しく伝わったようだった。

 アミーリアは感極まったように、ギディオンの手を両手でぎゅっと強く握った。驚いてギディオンは顔を上げる。その顔は真っ赤に染まっていた。

「……ありがとう、ギディオン様。私のことを、そんなに心配してくれて……、私のために、そんなに怒ってくれて……本当に、ありがとう……。例え父にとって私が単なる捨て駒だったとしても、王宮での私の努力を父が無駄だと思っていたとしても………あなたが、ずっと私を心に留めて認めてくれていたというだけで、もう傷つくことは無いし、報われた気がする。それに、あの時頑張っていたことは、いまここ(ファーニヴァル)でしっかりと役立っているから、大丈夫! 全然、無駄ではなかったから……!」

 アミーリアはギディオンに向けてにっこりと晴れやかに微笑んだ。

 王宮で手に入れた人脈や知識は、アミーリアが立ち上げた事業とこれからファーニヴァルの為にやろうとしていることに繋がり、成長して、いずれ大きな花を咲かせるはずだとアミーリアは自負している。

「これもすべては……あなたと結婚してファーニヴァルに戻って来られたから、出来たことよ」

「アミーリア様……」

「それとね、……ごめんなさい。実は大体のこと、私はすでに調べて知っていたの。情報通のファーニヴァル商人ならとっくに知っていたことだったから。まぁ、ゲートスケルと通じていたのが、私がアーカートに行く前からだったというのと、アーカート王の密命は、さすがに知らなかったけど。だから、むしろ……、いままで私の方こそ、あなたには親の仇だと憎まれていると思っていたのよ……」

「まさか! ならば最初から婚姻などするはずもない」

 言っていることが堂々巡りになっているとお互い気が付いたのか、二人は同時に目を合わせ、ふっと口元を弛めた。

「私も、よ。だから先代クルサード侯爵もあなたのことも、憎んだことなんて一度もない。さっき、キアラが言ったこと憶えているかしら。私が父のことを諸悪の根源だと思っているって。あなたの話を聞いて、やっぱり改めてそう思ったわ。アイツは、ファーニヴァルを壊し踏み躙ったクズで、百害あって一利なしの史上最低最悪の寄生虫————そんな父に(ないがし)ろにされていたからって、私が傷つくことは全く! 全然! これっぽっちもないわッ! だから、もうそんなに気にしないで? ね?」

 にっこりしながら悪態をつくアミーリアに、ギディオンは目を丸くして苦笑いを浮かべた。

「そうか……、そうだったのか。俺は、勝手に思い込んで…………情けないな…………」

 自嘲するように呟くギディオンであったが、キアラは言えるものなら声を大にしてこう言いたかった。

(いいえ、パパ。むしろママは『ヨワヨワクタクタのギディオンも濡れそぼった犬みたいでいじらしくて可愛い♡』とか、たぶん脳内お祭り騒ぎのはずなんで、問題ナシだよ!)……と。

 そして概ね、その通りだった。

 長年の誤解とすれ違いをどうやら解消できたらしい二人は、手を握り合ったまま、お互いしか目に入らない様子で食い入るように見つめ合っている。

 キアラはこの僥倖を見逃さなかった。

 邪魔をしないよう静かによじよじとソファを降り、体をうんと低くしたハイハイ(匍匐前進とも言う)で、細心の注意を払いながら超高速で扉まで移動した。

 小さくノックをすると、少しだけ扉が開いた。その隙間から素早く部屋を出て、扉の前に居た驚き顔の護衛騎士に向かって、すぐさま「シッ!」と黙るように人差し指を立てる。

「ふたりがでてくりゅまで、だれもいれちゃ、メッよ?」

 しばらく二人きりにしておけば、あの調子ならイイカンジに距離が縮まるはずだ。……たぶん。

 すると護衛騎士は心得ているとばかりに「はい。聞いておりますので大丈夫です!」と大きく頷いた。

 誰に? と疑問に思ったが、それよりもなんだかひどく疲れを感じて、早く自分の部屋に戻りたかった。

 こんなに心的疲労をかける親ってどうなのよ……と娘の立場では思わないでもない。

 だが小説の一読者としては、仲違いしたまま死ぬはずだった二人の和解に、何とも言えない感動を覚えていた。

 これで二人が殺害される筋書きは、きっと消えた。

 キアラはまるで、仕事をやり切った徹夜明けのサラリーマンが朝日を拝んだ時のように、妙に清々しい気持ちであった。

「あなべゆはどこ?」

 そう聞くと、騎士の一人が「失礼致します」といってキアラを抱き上げ、まるで打ち合わせでもしていたかのように手際よくアナベルの元へ連れて行かれたのだった。



※※※


(置いてかないでぇ)

 執務室の扉を閉める間際、声なき声をあげ、こちらに手を伸ばしたキアラが見えたが、ブランドン・アナベル・レオンの三人は心を殺し、見なかった振りをして扉を閉ざした。

(スミマセン……。キアラ様……)

 アナベルとブランドンは、心の中でキアラに平身低頭謝罪した。

 だが、そこは家族ということで我慢してあの場に残って欲しい。他人である自分達には、とてもじゃないが居続けることは不可能だ。

 何故なら、あのまま部屋に居続ければ地獄を見るのは分かり切っていたから。

 そう。それはきっと、どろどろに甘ったるい、お砂糖地獄。

 ギディオン様の脂下(やにさ)がっている顔なぞ、ムズ痒過ぎてとてもじゃないがずっとは見ていられないし、ギャラリーはいない方が二人も本音を言いやすいだろう。そうだ、そうに決まっている。

 ————というカンジで三人は瞬時にアイコンタクトで通じ合い、ひそやかに素早く執務室から退散した。


「ブランドン様、あと一時間程で閣下は外出の予定になるのですが、十分前のお声掛けで大丈夫ですか?」

 執務室を出ると、中で何が起こっているかを知らない護衛騎士の一人が尋ねてきたので、ブランドンは慌てて注意した。

「今日の予定は全てキャンセルだ! 私が全て手配しておくから、誰もこの部屋に近づけてはならない。いいか、お前たちの為に言っておく。部屋から閣下かアミーリア様が出てくるまで、黙ってここを死守するんだ! 何もするな! 誰も近付けるな! 絶対邪魔をするな! これは、お前たちの命を守るための忠告だ‼」

 ブランドンのあまりにも必死な形相に慄いて、思わずアナベルの方を見ると、同意するように重々しく頷く。護衛騎士たちはゴクリと唾を飲み込んで(いったい、執務室の中でナニゴトが……?)と訳が分からないながらも「は!」と返事をした。

「よし。では、私は自室に戻っているので、閣下が出てきたら誰か知らせに来るように。……そうだ、もしかするとキアラ様だけ先に一人で出てくるかもしれないが、その場合は私の部屋にお連れしてくれ」

 ブランドンは護衛騎士たちにそう言うと、アナベルたちに顔を向け「アナベル様も一緒に部屋で待ちませんか?」と声を掛けた。

「そうですね。そうさせて下さい。レオンもいいですか?」

「もちろんですよ」

 三人は、同じフロアにあるブランドンの自室へと向かった。その道すがら。

「……それにしても、驚きの連続でしたね。ギディオン様のテレ顔なんて見てしまったのもそうですが、キアラ様が舌足らずながら、あんなに喋れるのにはすごく驚きましたよ。話す内容もずいぶん大人びているし。確か……まだ二歳くらいでしたよね?」

「それは私もびっくりしました。いつもは静かすぎるくらい無口なんですけど、いつの間にあんなお口が達者になっていたのかしら」

 ブランドンとアナベルは感心したように話していたが、レオンだけは不思議そうな顔をして言った。

「そうですか? キアラ様は最初からあのくらい喋っていましたよ。ただ急激に発音は良くなったみたいでしたけど」

 レオンは知るはずもないが、ここ数日キアラはアミーリア相手に非常によく喋っていた。その為、滑舌が格段によくなったと思われる。

「えぇ? レオン、ほんとう?」

「はい、母様。たぶん無口だったのは普通を装っていたんじゃないでしょうか。でも(ミミ)と比べると違い過ぎて、全く無駄でしたけど。僕、キアラ様はものすごい天才児なんだと思っていました。むしろ母様が気付いていなかったことの方がびっくりです」

「そう言われると、時々話が通じているんじゃないかって反応はあったような……?」

 レオンは、はは……と乾いた笑いを浮かべた。

 母は細かいことを気にしないというか、おおらかというか……相変わらず変なところが鈍感なのだ。父の苦労が偲ばれた。

「それにしても、幼児があんなにしっかり話ができるなんて凄いですよねぇ。早熟っていうのか、さすがあのお二人のお子さんですよね……けど私、キアラ様の前で変なこと言ってなかったかな~。なんだかちょっとコワ……いえ、心配になってきたなぁ~」

 ブランドンが茶化すように笑いながらも、キアラに違和感を覚えているのをレオンは敏感に感じ取った。

(そうか……。大人がこういう反応をするのをキアラ様はわかっていたのかもしれない。だから隠して、普通のコドモを演じようとしていたのか……)

 そう思い当たると、レオンの中でまるでギディオンと初めて会った時と同じような、ある種の感情が湧き上がってきた。

 それは例えるなら、雄大な山を目の前にしたような、果てしない海を眺めた時のような————そう、何か敵わない、ひれ伏したくなるものを前にした時と同じ感覚だ。

(これは、尊敬の念とか、そういったものなんだろうか? 僕は、キアラ様を……)

 このときレオンが自覚した感情は、レオンの将来を決定付ける大事なものとなったのだが、それはまた後の話————。



※※※



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