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誤解2

 放課後、亜紀先生が教室にやってきた。

「白虎、お前ここで何をしている?」

「姫がいなくなったのは、お前のせいだろう。」

「だったら、こんなところでうじうじしてないで、今すぐ探しに行け。」

「女子寮に立ち入るのも今だけ許可してやる。だから、今すぐ学校中を捜せ。」

 驚いたように、亜紀先生を見つめる白虎。

そして、慌てて教室を飛び出した。

『俺は、何を躊躇していたんだ。何を、姫さんに期待していたんだ。』

『俺が、動かなければ何も始まらない。誤解が有ったにしても、俺が動かないと誤解は解けない。』

『誤解は、誤解された方が動かなければ、ぜったに溶けない。』俺の短い人生の中でも、それだけは真実だ。相手に甘えていたら、何時までもわだかまったままで、本当の気持ちがつながらない。

白虎は、学校の教室を、1つ1つ見て回った。そして、体育館。

途中で明日香に会ったが、彼女も姫さんを探しているけど見つからないとのことだった。

『どこのいるんだ?』自分の胸に問いかけた。

『もしかしたら、女子寮の自室にいるのか?』

そう思った白虎は、明日香に姫の部屋がどこにあるか聞いた。

「明日香さん、姫さんの女子寮の部屋は、どこか知ってますか?」

「確か、3階の真ん中の部屋だったと思うけど。」

「わたしも一緒に行こうか?」

「お願いします。」

「わかったわ、行きましょう。」

白虎は、明日香の後ろに付いて女子寮に入っていった。

本来なら、男子禁制だけど、そんなことはどうでもいい。

ここで、誤解を解かないともう2度と姫と心を通じ合えなくなるような気がした。

男子寮と違って、花が飾ってあったり、良い香りがしたりとまるで別世界のようだった。

「ここよ。」

その言葉で、白虎は、扉越しに

「姫さん、そこにいるなら聞いてくれ。何を勘違いしているのかわからないけど、姫さんに嫌われたら、俺は、生きていけない。女々しい奴と思われてもいい。もう1度姫さんと直接話がしたい。」

 部屋からは、何も聞こえてこなかった。

「ここにもいないのか?」

「まさか?」

「明日香、女子寮のお風呂は、どこにある?」

「一階の突き当りだけど。」

「わかった。ありがとう。」

そう言うと、白虎は、女子寮の1階のお風呂に向かった。

「姫さん、失礼します。」女子寮の前のお風呂の前で大声で叫んだ。

返事は、無かった。

仕方がなあいので、更衣室の扉を開けて中に入っていった。

そこには、誰も居なかった。

ただ、脱衣かご中に、綺麗にたたまれた制服とその上に薄いピンクの下着が可愛く置いてあった。

『見つけた。』

「姫さん。そこにいるなら聞いてくれ。」

「俺、馬鹿だから、姫さんに何で嫌われたのかわからない。だから、理由を聞かせてくれ。」

白虎は、そこに土下座した。

「姫さんが、出てくるまで俺、ここで待ってる。」と叫んだ。

次の瞬間、お風呂場の扉が開いて、白虎は、姫さんに頭から水を掛けられた。

「馬鹿、白虎。」

「すみません。俺は、馬鹿白虎です。何をされても、姫さんしか好きになれない馬鹿です。」

「本当に?」

「俺は、今まで、姫さんに、嘘を言ったことはありません。俺の尻尾にかけて。」

白虎は、姫様を見たくて思わず顔を上げようとした。

「顔を上げるな!」

「はい。」

 実は、姫様は、部屋で拗ねていたけど、そんな自分がバカバカしくなって、お風呂に入りに来た。

そしたら、外が騒がしくなって出るに出れなくなった。

まさか、白虎が、来るなんて全然思ってなかった。

 でも、土下座している白虎に水を掛けることで少し気持ちが落ち着いてきた。

そして、白虎が頭を上げそうになったので我に還った。

『しまった。私、裸だった。』

「白虎、今、私の裸見たでしょ。」

「見てないです。」

「責任取ってもらうから。」

「本当に見てないですけど、姫さんが、そう言うなら責任取ります。」

「じゃ、今度私を悲しませたら、あなたの記憶から、私の裸を見たという記憶を消します。」

「それは、死ぬということですか?」

「そうよ。」

「えっ、そんな?」

「約束できないのね。貴方の、さっきの言葉は、嘘なのね?」

「って、言うことは、姫さんを心から愛しても良いってことですか?」

「そんなこと、前から言ってるじゃない。」

「じゃ、約束します。それと、俺は、絶対姫さんを悲しません。」

「でも、どうして、姫さん朝から、機嫌が悪かったんですか?」

「それは、あなたが、朝から女性と抱き合っていたからよ。」

「武道館の件ですか?」

「そうよ。」

「あれは、誤解です。それに佐々木は、男ですよ。」

「えっ、だって、髪の毛が長かったじゃない。」

「自分も昨日、最初は勘違いしてましたけど、あの剣筋は、女性にしては力強すぎます。それに、今朝、抱き付かれたときにわかりました。」

「ちょっと、明日から注意しておきます。」下を向きながら、白虎は言った。

その時、後ろから、白虎の頭にバスタオルがかぶせられて、無理やり脱衣室から引きづり出された。

扉が、閉まる音がしたと思ったら、そのままバスタオルで首投げをされた。

白虎はそのまま、気絶した。

目が覚めると、目の前に亜紀先生がいた。

「白虎、女子寮に入って良いとは言ったけど、風呂場に入るとはどういうことだ。しかも裸の姫さんを目の前にして。」

「お前、しばらく、男子寮で謹慎だ。」

「わかりました。」

肩透かしのような対応に、亜紀先生が今度はひるんだ。

「どうした?」

「いえ、姫さんの誤解が解けたんで、もう大丈夫です。」

「そうか、良かったな。」

「はい。」そうって、白虎は、寮に戻っていった。

結局、姫様からも事情を聴いたのと、『白虎が、謹慎なら、私も謹慎します。』と姫さまも言いだしたのと、剣道の試合も近いので、白虎の謹慎は1日で終わった。

ちなみに、佐々木は、今回の件で、髪の毛を切ってきた。

ただ、白虎に言い寄って来るのは、今まで以上に激しくなった。

当の白虎は、そのことで、姫様の機嫌が悪くなることを恐れて、佐々木には、あからさまに距離を取るようにしていた。

 姫様は、見て見ぬふりをして、ひたすらチアの練習に打ち込むことにした。



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