2学期
翌日、依然と同じように朝早くから、教室に向かった。
「おはよう。」最初に挨拶したのは、隣の席の明日香だった。
「おはよう。今日は、なんか眠そうね。」
「そうなの。朝練してたから、朝早くて。」
「チアも大変ね。」
「うん、でも体動かすの好きだから。」
「ねえ、レイラ、白虎って何かスポーツやってる?」
「今は、何もしてなかったと思うけど。昔は、武道をしてたって言ってたかな。」
「そうなんだ。」
「でもどうして、急に。」
「今度ね、うちの学校の剣道部が対外試合するんだけど、人数が足りなくて。白虎なら、運動神経良さそうだから、良い助っ人になるかな?って思って。」
「でも、剣道って色々ルールが有るんでしょ。素人が、急に無理でしょ。」
「そうね。その時が来たらまたお願いしてみる。」
1時限目が、始まった。
西洋の世界史だった。
姫の近く国の歴史が出てきたり、色々なことが勉強できた。
世界史の先生は、まるで自分がさっきまで、その世界に居たように話をしてくれるから楽しい。
例えば、古代ローマのカエサルが、最後に言った『ブルータス、お前もか。」熱演しながら、一回目は、日本語、二回目は英語で演じてくれた。
どうやら、学生の頃は、役者を目指していたみたいだ。
次の時間は、古文だった。
「どうして、高校の授業って、混沌としてまとまりがないのかしら。もっと、個性のある授業をすればいいのに。」と、レイラが言うと
「そうそう、みんな同じ授業したって、10万人同じ高校生が、できるだけだよね。同じ価値観の人間ばっかり作っても仕方ないのにね。」
「そうよね。学生のやる気を無くさせようと考えてるとしか思えないわよね。」
「わかったわ。今度、おじい様に言っとく。もっと、面白い授業にしてって。」
「でも、そんなこと言ったら、おじい様が授業を始めかねない。」
「あつ、そうか、レイラって、理事長のお孫さんだよね。」
「そうよ、それに、ある国の王女様です。エッヘン。」
「白虎は、その王女様を守るように命令されている、騎士です。なーんてね。」
「でも、素適よね、それが本当なら。」
「そんなことないよ、本当に大変なんだから。権力争いとか、敵が攻めてきたりとか。」
「はいはい。わかりました。」
「レイラ、今日学食行く?一緒にお昼食べない?」
「いくいく。」
「じゃ、最後の数学を寝ないように頑張りますか?」
「誰か、数学を好きになるようなおまじない掛けてくれないかな?」
そんなことを言いながら、やっと数学の時間を乗り切った。
レイラと明日香とそして真紀と白虎が、食堂に向かった。
白虎がいるとみんな席を開けてくれるから助かる。
怖がられてるわけではなく、みんな、白虎に好意を持って席を譲ってくれる。
これが、この男の不思議なところだ。ただ、亜紀先生とは、心底仲が悪い。
その日の放課後、再び、姫と白虎は、理事長室に呼ばれた。
多分、先日の出雲の事だろうと思っていたけど、全然違ってた。
「理事長お呼びでしょうか?」
「おう、今日は、白虎くんに用事がある。」
「今度、北野高校と剣道の試合が有るんだが、白虎くん助っ人で出てくれんか?」
「出るのは良いですけど、相手が人間だと話にならないですよ。」
「それなら大丈夫だ、相手も化け物のような奴らだから。」
「どうやら、うちの素性を探りに来てる。後に誰がいるかわからんが、やられる前にやり返せじゃよ。」
「白虎、すごい、私、明日香と一緒にチアしてあげる。」
「えつ、ほんとですか?理事長、今の件、お引き受けいたします。」
そのまま、二人で教室に戻って、明日香に剣道の試合の話をした。
姫は、そのままチア部に入部することになってしまった。




