出雲4
神々の会議は、それから3日間続いた。
それぞれの神々がいくつかの塊になって、いくつもの縁を結んだり解いたり、繋ぎ変えたい、時には、絡まった糸をはさみで切ったりとやりたい放題だった。
この会議で何が重要かって?それは、自分達が住んでいるところの人たちの幸せをどれだけ増やせるかだ。一見無造作に見える行為も他の神様の目を盗んで、どれだけ自分に有利になるかにかかっていた。
幸せな人が多い地域の神様は、自然と幸せになれる。
それとは、逆に貧乏神とかは、いかに人々を不幸にするかだが、この会議では、影をひそめながらも、確実に不幸せな人間を増やしていった。
結局、不幸な人も幸せな人も両方出てしまうのがこの会議だった。
一通りの話し合いが終って、次は、神様同士の縁を結ぶかどうかの会議が始まる。
これは、それぞれの利益が、如実に表れるからみんな真剣になる。
その前に、息抜きのために神々にお酒がふるまわれる。それも、これから話し合われる神々が準備する。いわゆる接待のようなものだった。気に入って頂ければ、すんなり認められる場合も有れば、速攻却下される場合もある。
「姫、一曲舞ってくれんかのう。」青龍が、姫に言った。
これは、何を意味するのか、姫は気付いた。
『多分、次に議論されるのは、私と白虎の事だわ。みなさんの機嫌を取らなきゃ。』
姫は、白虎の銅鑼に合わせて、手に持った鈴を鳴らしながら舞いをまった。
それは、以前社交ダンスををユキに教えて貰ったおかげで天女かと見間違うほどに美しく、また、衣装に焚き込んだ桃の香りに、神々のお酒も進んだ。
神々が気分の良くなったところで、天照の神が顔を出した。そして、大国主の神も現れて、楽しそうに宴が始まった。
姫と、白虎は、いつ自分達のことが、議論されるのか不安になってきたころに、月読みの神が、
「君たちが、青龍の孫と白虎か?うまくいってるかね?」と聞いてきた。
はてなマークの二人に、青龍は、「お前たちのことは、去年神々に承認されてるよ。」と言った。
「白虎、お前、親父さんから、異国の姫の面倒を見るように去年言われておるじゃろう。」
「はい。一生、面倒を見ろと。」
「そう言うことじゃよ。だから、黄龍も勝手にしろと言ったじゃよ。ただ、姫に自分の力を与えたところをみると、お前たちを信用したということじゃ。要するに、お前たちの背中には、日本だけじゃなくて、西洋の龍族の未来も背負っているということじゃ。」
「気負わなくてもいいぞ。お前たちが、幸せに暮らしておれば、すべてがうまくいっているということじゃ。」
「もし何かあれば、八百万の神々とわしと黄龍が後押ししてやるから、心配するな。」
「と言うことで、月読み様向こうで一献お願いいたします。」
「神々の会議は、もうお開きじゃよ。後は、宴じゃ。お前たちも楽しめ。」
「はい。」
姫と、白虎はそう言うと二人で、踊り始めた。




