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新学期

 翌日、祖父の部屋から学校に行くことにした。

と言っても、祖父の理事長室の扉を開けるとすぐに学校の校舎だった。

二人とも,何食わぬ顔で教室に入った。

そこには、見知った顔がいっぱいいた。

「やっと来たね。」と隣の明日香が声を掛けてきた。

彼女は、姫に勝るとも劣らない美人だった。

「おはようございます。色々有って、やっとここに戻って来れました。」

「何か、意味ありげな言い方ね。」

「そうなの。実家に戻ってたんだけど・・・。」と言いかけて、こんなこと誰も信じてくれないわね。お父様お母様が偽物で、黒龍と戦ってたなんて。多分、顔で笑ってくれても、次からは、話しかけてもくれないわね。そう姫は思った。

 白虎の方を見ると、いつの間にか男子学生に囲まれて、武勇伝を語っていた。

森の中で、龍と戦ったとか、お城によじ登ったとか、でもそんな夢のような話をみんな真剣に聞いていた。

白虎は、良いな。何を言ってもみんなに受け入れてもらえる。私も、見習わないと。

「ねえ、明日香、ちなみに今日は、何日なの?」

びっくりしたような、明日香の顔

「もう、9月よ。」

「えっ、そうなの。」

「ごめんなさい、また、1か月記憶喪失になってた。」

これなら、ごまかせる。まさか、龍と一緒に眠ってたなんて言えない。

「大変ね、一度は治ったんでしょ。」

「そうなんだけど、時々なるのよね。それで、病院に行ってて。」

「そう、大変ね。わからないことあったら聞いてね。」

「ありがとう。」

 しばらくすると始業ベルが鳴った。

国語の教師が、いつものように、しかめっ面をして授業を始めた。

出席なんか取らないから、自分が居なかったことに気付いても居ないと思っていたのに、白虎の顔を見るとビックリしていたあら、ちゃんとチェックしていたんだ。と思った。

その日は、久しぶりの授業だったので、なかなか頭に授業の内容が、入ってこなかった。まるで、リハビリのようだった。

『明日から、頑張ろう。』白虎は、すでに眠っていた。

『おやすみなさい。私の王子様。』って、顔でもないけど。

『顔で、人を判断しては駄目よね。』

やっと、六時限目の授業が終わった。

帰る準備をしていると、亜紀先生が、教室にやってきた。

「レイラ、白虎、一緒に来てくれる。」

『やっぱり、一か月以上も学校に来ないと怒られるか?』そう思いながら、亜紀先生に付いて行った。

廊下で三人になった時に亜紀先生が、

「理事長が、お呼びよ。10分もここに居れないから、すぐに呼んできてくださいって。念話で伝えて来たから、すぐに行きましょう。」

後半は、廊下を走っていいけませんの注意書きを横目で見ながら、小走りで、理事長室に向かった。

そのまま、理事長室の扉を開けた。

「おう、間に合った。」

「おばあさんから、話は、聞いた。1週間後に、出雲に行くから準備してくれ。お前たちの今後について、日本の神々と相談じゃ。」

「わしは、今、神々を引佐の浜に連れていく段取りで忙しいから、先に引佐に言って、出雲の神々に事前に話をしておいてくれ。」

「みんな、優しい神々だから、心配しなくていいぞ。自分からも、事前に伝えておく。」

「亜紀先生、学校の方は、よろしく頼む。」

「わかりました。」

その言葉を聞くと、祖父は、あっという間にその部屋の扉から消えてしまった。

「白虎、私一言もしゃべれなかった。」

「俺も。」

「それだけ忙しいのよ。」

「さあ、教室に戻って、1週間分の勉強を先にやるから、寝れないと思いなさい。」

「そう言えば、あなったち、学校にも1か月遅れて登校してきたのよね。」

「留年したくなかったら、2学期は、死ぬ気で勉強するからね。わかった?」

「はあい。」

姫と白虎は、亜紀先生に腕を掴まれたまま、教室に連れていかれた。







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