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目覚め




 次の朝、姫はユキと一緒のベッドで目が覚めた。

ほのかに、窓の外が白み始めていた。

昨日の有ったことが、嘘のようだった。と言うより、ここ3年の間に起こったことが嘘のようだった。

お父様と、お母様が戻ってきたこのお城もなんとなく落ち着きを取り戻したような雰囲気が漂っていた。

でも、まだすべて解決したわけではない。これからも何が有りかわからない。

 黒龍が、どこに逃げたのかわからない。本当に、逃げったって言っていいのか?

奴らの本当の勢力が分からない以上、この国も対抗できる準備をしておく必要が有った。

西の隣国と友好関係にあるのは、ありがたかった。

姫は、ベッドから起き上がるとカーテンを開けて、目の前の湖を眺めた。

白い水面に魚が跳ねた。これは、吉報なのだろうか?それとも、何かよからぬことが起きる前触れなのか?

ユキが、姫様の足元に近づいて、体を擦り付けてきた。

「大丈夫よ、ユキ。すべて、元通りになったこの時間を楽しんでいるだけ。」

姫は、朝の空気を感じたくて窓を開けた。

夏の終わりのいたずらな風が、姫の薄いレースのネグリジェを舞い上げた。

妖精かと見間違うほどの透き通るような白い肌が、朝日を受けて輝いた。

その裸は、性的と言うより聖的と言った言葉の方がぴったりくる。

全ての欲望を包み込み、そして浄化していくそんな無限の力を内包していた。

「ユキ、おなか空いた。朝ご飯食べに行こう。」

「キュン。」とユキが鳴いた。

姫様は、服を着替えると食堂に向かった。

「おはようございます。お父様、お母様。」

すでに、国王と妃がテーブルに着いて、食事をしていた。

「おはよう、レイラ。」

「お父様、今日は、皆様と今後のことを打ち合わせされるのですか?」

「もし、私にできることが有れば何でもおっしゃってください。」

「私たちが、いない間に随分大人になりましたね。」と妃。

「お父様はいらっしゃらなかったけど、お母様は・・・、いえ、偽のお母様に色々鍛えられましたから。」

その時、姫の後ろから、咳払いがした。

そして、姫様の胸を後ろから掴んで、

「それって、私の事?」って、朱雀が声を出した。

「朱雀様、私がいない間、娘の面倒見て頂いたのは感謝してますが、娘に手を出すのを止めて頂けると助かります。」と妃が、声は優しいが、目は、朱雀を睨んでいた。

「朱雀さま、それぐらいにして頂かないとどうなっても知りませんよ。」と姫。

「痛い。」そして、朱雀が大声で叫んだ。

ユキが、思いっきり、朱雀に噛みついたのだ。

「申し訳ないけど、もうあなたの思い通りにはならなくてよ。」

「はいはい。と言うことで、今日、私は、日本に戻るわ。」

「後は、玄武がうまくやるでしょう。」

「お母様、私も来週日本に戻ります。学校が始まるの。」

「そうね、日本の方が安全かも。」

「それに、今日の夜、邪悪なものが、この国に入れないように湖の神殿にお祈りを捧げます。」

「姫、悪いがそうしてもらえると助かる。」

 この国の国王は、代々この湖の神殿を守ってきていた。その神殿自体がこの地域を、昔支配していたといわれる黄龍(龍の王様)を祭っているのだった。

 その関係で、日本の青龍の娘が嫁いできた。妃自体は、普通の人間だったが、神官としてこの地にやってきたのだ。

そして、生まれた子供が姫様だった。








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