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冒険10

 しばらく進むと、国王が、

「郵便路を進む。」そう叫ぶと、左の道に入っていった。

それは、郵便車がやっと1台とおれる広さだったが、街と街を最短距離で進める道だった。

国王の一団は、その道をお城へと一直線に進んだ。

しばらくすると街が見えてきた。

「騎士団長、私をここで降ろしてください。街の人たちに協力して頂くようお願いしてきます。」

姫様が、そう言うと騎士団長は、馬を止めて姫を降ろした。

白虎は、一瞬どっちに行こうか迷ったが

「ユキ、一緒に来て。それと、白虎は、お父様とお母様をお願い。」

その声を聴いて、白虎は、走りを止めずに国王の後を追いかけた。

姫様は、急いで街の方に走っていった。

街に入ると、それを目ざとく見つけた騎士団長の息子が駆け寄ってきた。

「姫様、ご無事で。」彼は、軽く口笛を吹いて、仲間を集めた。

すぐに、10人ぐらいの少年騎士団の連中が集まってきた。

「今、国王が、今までお城に居た偽物の国王を追い出すためにお城に向かっていることを手短に説明した。そして、大人たちに武器を持って、お城に向かった国王を助けをしてくれるように頼んでほしいと告げた。

事の重大性に気付いた彼らは、みんな一斉に走り出した。

ひとり残った騎士団長の息子は、

「姫様は、これからどうします?」と尋ねた。

「私は、先にお城に向かいます。」

「だったら、私が、お送りします。」そう言って、彼は、家の小屋から、馬に乗って現れた。

「後ろに、乗ってください。」

「ありがとう。ユキ、一緒に乗って。」そう言うとユキが、姫様の背中に掴まった。

「じゃ、飛ばしますよ。」

 先にお城に向かった王様の一団は、門の開いてるお城にそのまま馬で駆け込んだ。

黒龍が、先回りをしているかもしれないので白虎が、国王の前で身構えた。

黒龍は、出てこなかったが、奴の部下が100名ほど国王の騎士たちと同じ格好で現れた。

森の中とちがって、勝手知ったる我が城そして長年一緒に戦ってきた仲間たちは、息の合った連携で敵の兵士を次々と倒していった。

奴らは、刀を振り下ろす相手が、味方かもしれないという不安から、いちいち相手の顔を見てから攻撃していた。それに時々味方同士で戦っていたりした。

敵兵が、少なくなったところで、白虎が一声吠えた。

その声で、相手は、戦意を喪失して降伏した。

それと同時に、姫様の乗った馬がお城に駆け込んできた。

姫さまは、馬から降りると白虎に駆け寄った。

「白虎、終わったの?」

「今、終わった。大勝利さ。」姫様には、白虎の声は理解できるけど、周りの人間には、白い虎が吠えてるようにしか聞こえなかった。

国王の一団は、降伏した敵を縛り上げるとそのままの広間に入っていった。

広間では、偽の妃が、一人で本物の妃と対峙した。

「おかえり。」偽物の妃が言うと、姿が徐々に朱雀に変わった。

奥から、玄武も出てきた。

「あなた達、どうしてここにいるの?」

朱雀は、妃の方を見て、

「あなたのお父様に頼まれたのよ。」

「あなたの娘が、一人で頑張ってるから助けてやって欲しい、って。」

「だからって、私に化けなくてもいいでしょう?」

国王は、急いで部下たちを他に敵がいないか見にいかせて、このやり取りを見せないようにした。

そのうちに、街のみんなも集まってきそうなのでくその準備に自分も外に出た。

 残されたのが、妃と姫と玄武と白虎と朱雀とユキだった。

「だって、黒龍がこの城にやってきたから、あなたに化けてた方が警戒されないでしょ?」

「それは、そうだけど。」

「白虎は、頼りないし、姫様は、何をするかわからないし、ユキは、狐のままだし、玄武は、知らんぷりだし。」

「自分は、知力以外は何も手助けできないので。」と玄武。

「奴を油断させるには、私があなたの偽物になって協力するように見せかけるしかないじゃない。って玄武が。」

「それに、今日は、本物のあなたに会って、私が偽物、たぶん敵だと気づいたから、ここに戻ってこなかったんじゃないの?」

「そうね、ありがとう。」

そのうちに、外が騒がしくなってきた。

街のひとたちが集まってきた。

国王が、街のみんなに捕虜にした敵兵を見せ、お城を取り戻したことを伝えた。

国王の部下たちも、二年ぶりに会う家族と抱き合っていた。

「みんなには、苦労を掛けた。一段落したら、お祝いしよう。」と国民を労った。

「玄武、北の国との交渉はあなたに任せるわね。」と妃が、玄武に言った。

「お任せを。ただ、黒龍がまだ倒せてません。そして、その後ろの黒幕を。」

「それは、お父様と、姫と私で何とかします。」

「わかりました。」

 その日は、まだ、黒龍がどこにいるかわからないという理由で、みんなを日が有る間に家に帰すことにした。

姫と国王と妃は、久しぶりに会ったにもかかわらず残務処理に追われた。

白虎とユキは、姫の隣の部屋でおとなしくしていた。

姫は、夜遅くに部屋に戻ってきた。

「白虎、ユキ、今日は、ありがとう。それと、お疲れさまでした。」

「これからみんなでお風呂に入って、疲れを癒しましょう。」

そう言って、姫様はみんなを連れて、お風呂場に向かった。

 そこには、すでに先客がいた。

国王と妃と朱雀が仲良くお風呂に浸かっていた。

そこに、姫と白虎とユキが加わった。

「お母様、日本にもこんなお風呂有るんでしょ。」

「混浴ね。でも、今は、ほとんどなくなったわ。」

「時には、混浴もいいわね。白虎は、いつまでその姿なの?」

白虎は、広いお風呂で楽しそうにユキと一緒に犬かきで泳いでいた。

そうして、長いようで、短かった一日が終わっていった。




 












 

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