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冒険9

 国王と姫様の一行は、東の山の麓に向かって進んでいた。

「国王、どうやら誰かが後ろから付いてきているようです。後詰めの騎士から連絡がありました。」

「少し、速度を速めましょう。」

そう言うと、妃は、王様の騎馬に、そして、姫は、騎士団長の騎馬に飛び乗ると、そのまま馬を走らせた。

数キロ走ったあたりで、上空から何か黒い影が下りてきた。

慌てて、馬を停止させると、国王と騎士団長が、その黒い影に対峙した。

「黒龍。」と国王がつぶやいた。

「全員、抜刀しろ。」

すぐに騎士が二人、国王の前に割って入り、黒龍に刀を振り下ろした。

それを、固い鱗で遮ると、長い尻尾でその者たちを地面にたたきつけた。

「そんなもので、俺を倒せるか?」

そう言うと、黒龍は、見ている間に人間の姿に変身した。

その顔そして、その姿をみると、国王そっくりだった。ただ、耳が、大きく尖っている以外は。

奴はその耳を隠すように王冠被った。

『多分、お城の中では、あの耳をいつも王冠の中に隠して、見られないようにしていたんだわ。』と姫は、思った。

「妃も、一緒でしたか?そんな、弱そうな人間がお好みでしたか?」

「お前のような化け物が、何を言っている。」

「これは、これは、お言葉ですね。貴方の日本のお父上も我らと同類ではないですか?」

「お前たちのような、悪魔と同じにするな。」

そう妃が、叫んだ。

『しまった、ここで足止めされているうちに、周りを敵の兵隊で取り囲まれてしまった。』

彼らの服装は、この国のものだが、顔つき事態は、北の隣国のものとわかるそれであった。

遠くから見ると、まるで味方同士が戦っているようだった。

国王に関しては、まるで双子の兄弟が戦っているようだった。

しかし、力の差は歴然で、本当の国王の方が圧されていた。と、言うより、弄ばれているように見えた。

姫様は、私と一緒だと、白虎に迷惑がかかると思って、心を鬼にして、別れを告げ、そして、二度と呼ばないと誓ったけど、胸のペンダントを握りしめ、『白虎。』と祈ってしまった。

二十人近くいた騎士たちも徐々に圧され始め、今にも打ち負かされそうになった時に、白い大きな虎が、

姫様の前に現れた。

「白虎!」と姫さまが叫んだ。

「すみません。遅くなりました。」そう言うと、同じ服装で戦っている兵士たちの武器を次々と取り上げて、戦いを止めさせ、最後は、国王同士が戦っている中に割って入ろうとしたが、迂闊に近づくと本物の国王が、殺されかねないと思うと近づけず、躊躇していた。

「白虎、待って。ユキ、お願い。」姫様が、そう叫ぶと、

白い狐が、二人の国王の所に駆け寄り、一方の国王の頭の上に載っている冠に体当たりした。

冠が、そのまま地面に落ちると、その国王の頭から、龍の耳が飛び出した。

それを見た瞬間、白虎はその偽の王様に飛び掛かり抑えつけた。

「白虎、ありがとう。」

「お父様、下がってください。」

白虎が、取り押さえた偽の国王が

「お前ごとき小僧が、俺様をとらえられたと思うなよ。」そう言うと、みるみる黒龍の姿に変身し、白虎を払いのけると、部下を置いて、山の方に飛んで行ってしまった。

白虎の威嚇で、怯えきった敵の兵隊は、騎士たちが手持ちのロープを使って締め上げた。

「国王、黒龍が逃げた今は、すぐにお城に戻って、体制を立て直しましょう。」

と騎士団長が進言した。

「そうだな、そうしよう。」

 そう言うと、騎士たちは、とらえた捕虜を監視するものと、国王と一緒にお城に向かうものとすぐに二手に分かれた。

姫さまと白虎は、そのまま、王様と一緒にお城に向かうことにした。

そして、お城にも妃がいることを伝えるとお母様も一緒に行くことにした。

「だって、私も自分の偽物を見て見たいもの。」

国王一行は、見張りの兵たちに街に付いたら応援を寄こすように伝えると言ってから、一段となって、森の中を駆け出した。

白虎は、虎の姿が気に入ったのか?もしくは、元の姿に戻れなくなったのか?まるで、姫様のペットのように付いてきた。そして、その背中には、ユキがちょこんと座っていた。















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