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冒険6

 もうすぐ日が沈みそうなときに騎士団長の家に着いた。

その家の扉のリングを鳴らした。

しばらくして、その家のメイドが扉を開けた。

そのメイドは、フード付きの外套を着ていた。

『これから、どこかに出かけるのかしら?』そんなことを思った。

 そのメイドは、ちょっと躊躇したが、姫様が一人と言うことが分かって、家の中に招き入れた。

「姫様、どうぞお入りください。」と言って、姫様を家の中に招き入れた。

ソファーを進め、それから、奥の部屋に入っていったかと思うと、騎士団長の奥様と一緒に紅茶を持って戻ってきた。

足元には、ユキが、周りを気にするように座っていた。

 騎士団長の奥様が、姫様の前に来ると、そのメイドに声を掛けた。

「ユリア、そのかごのものを持って、早く用事を済ませてきて。暗くなるとこの辺も物騒だから。」

「わかりました、奥様。」そう言って、姫様にお辞儀をすると、そのメイドは、扉を開けて外に出て行った。

「姫様、今度は、どのようなご用件でしょうか?」

「朝、お父様を捜していることはお伝えしたと思いましたが、もしかしたら、奥様が何か私に隠し事をされているのでは?と思いまして、また、来てしまいました。」

「今朝ほどのお連れの方は?」

「日本に返しました。自国のことは、他人に頼らずに自分の力で何とかしなければと思いまして。」

「そうですか?」そう言ってまま、しばらく二人の間に無言の時間が流れた。

それを崩したのが、ユキのあくびだった。

「わかりました。今朝ほどは、息子も居たので話しませんでしたが、姫様のお父様も主人もこの国に戻ってきております。但し、今は、人前に出れない状況なんです。」

「姫様のお母様を捜しに行って、隣国の国境近くで見つけて連れて帰ってきたのですが、途中で敵に見つかってしまい、その時に空から降りてきた龍に襲われたそうです。」

「王様を助けようとして、部下たちがその龍に立ち向かったんですが、夜に黒い龍だったので、赤い目が異様に光るだけで攻撃してもすべて躱わされたそうです。」

「それでも、命からがら自国に戻ってきて伯爵の屋敷に避難したのですが、そこで伯爵に裏切られて、地下牢に閉じ込められたそうです。」

「ただ、王様が、伯爵の地下牢からの抜け道を知っていたので、その夜遅くその牢を抜け出し、今は、東の森の小屋に隠れて、反撃のチャンスを狙っています。」

「えっ、じゃあ今お城にいるお母様も偽物なの?」

「多分、そうだと思います。」

「そして、さっきのメイドが、その森の小屋に食料を運んでいます。」

「そうなのね。」

「姫様、今日は、もう遅いので、明日の朝、日が昇る前にその小屋にご案内いたしましょうか?」

「そうして頂けると、嬉しい。」

「わかりました。」

「でも、申し訳ありません。お城の連中にも最近この家も疑われ出しているので、何かったときのために地下の隠し部屋でお休み頂いてもよろしいでしょうか?」

「わかりました。問題ありません。」

「もし何か有ったときは、息子を連絡に寄こします。」

「では、ご案内いたします。」

 そう言って、ろうそくを持って、台所のストックヤードの戸棚の奥の隠し扉から、地下の部屋に案内された。

「ここは、主人と私と息子しか知らない部屋です。」

そこは真っ暗で、ろうそくの明かりでやっと部屋の扉が見えるところだった。

電気は、通っているので壁のスイッチで明かりはつきますが、外からも明かりが見えるので極力暗くして頂けると助かります。」

「そこは、大丈夫です。この子は、夜目が効くので少しの明かりが有ればなんとかなります。」

「後、すみません。上でお食事して頂けばよかったのですが、何が有るかわからないのでサンドイッチと飲み物をお持ちしました。」

そう言って、バスケットを部屋のテーブルに置いて行った。

「ここは、時々うちの主人が隠れ場所としても使っているので快適ではないかもしれませんが、いちよう掃除だけはしております。」

「後程、お布団は、お持ちします。」

そう言うと、騎士団長の奥様は、ろうそくを置いてその部屋から出て行った。

「ユキ、どうしようもないわね。とりあえず、あの奥様を信じるしかなさそうね?」

その時、ユキがくしゃみをした。

「そうね。ちょっとほこりっぽいかも。でも、今日一晩の我慢よ。」

しばらくして、騎士団長の奥様が、フカフカのお布団を息子と一緒に運んできた。

「このお部屋には、不似合いね。でも、これで、一晩我慢できそうだわ。」

 もしかしたら、明日本物のお父様とお母様に会えると思うと姫様は夜遅くまで寝付けなかった。

と言っても、光の入らない地下室なので、明かりを消すと、今が、何時ごろなのかまったく見当がつかなかった。








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