冒険4
翌日、朝から少年騎士団の連中が姫様の所に集まってきた。
「昨日の朝、朝日の中を龍のようなものを見たっておばあちゃんが言ってた。」
「それは、関係ないわね、次。」
「国王様と一緒に捜索に言った連中がまだ帰ってきていない。僕の知り合いの人も一緒に言ったけど。」
「そのことを国王様に聞こうとしたら、知らんぷりされたって。」
「その話、もう少し詳しく聞かせて。」
「国王様と30名ぐらいの騎士が、お后様を探しに西に向かったんだけど、それっきり消息が無いって。」
「どう思う白虎?」
「もしかしたら、まだ、本物の王様と一緒にいるか?それか、西の国のどこかでまだ王様を捜しているか?これは、考えたくないけど絶滅したか?」
「今は、西の国とも仲がいいから一度行ってみる価値は有るかな?」
「そうね、今日中に準備して明日西の国に向かって行ってみましょう。」
「隣国で何か情報が、得られるかもしれないわ。」
「姫様、だったら自分たちも連れてってよ。」
「ごめんね、本当は、一緒に来てくれると心強いんだけど、もう少しここの情報もあつめてほしいの。それと、今の国王が無いか悪いことをしないか見張っててほしいの。」
「そこのお兄さん、大丈夫なの?」
「なんか、弱そうだよ。」
「そんなことない。」と、白虎が言おうとしたら、少年騎士団の女の子たちが、一斉に「あなた達より、ましよ。」と言ってくれた。
「そうよ、好きな姫様のために、日本から追いかけてきてくれたのよ。」
「すごいわよね。」
「一途よね。」
「白虎、良かったわね。見方が、いっぱい居て。」
「他に、何か情報ない?」
そう尋ねると、みんな顔を見合わせた。
「そう、ありがとう。」
「じゃ、今日は、解散ね。あんまり集まってるところを見られると何を言われるかわからないわ。今の国王には、気を付けなくちゃ。」
そして、姫は、国王と一緒に捜索にいった人の話をしていた少年に声を掛けた。
「君、さっき国王と一緒に捜索に付いて行った人の話をしていたわね。」
「その人の家族に会わせてくれない?」
「いいよ。」
姫様とユキと白虎がその少年と連れ立って、宿屋を出た。
少年は、姫様の一行をお城の近くの大きな屋敷に連れて行った。
「ここだよ。僕の家だよ。」
「ああ、ここは、騎士団長のお家ね。知ってるわ。」
「あなた、騎士団長のご子息なのね。」
「お母さんがいるから、でも、姫様が来たって知ったらびっくりするかも。」
そう言って、彼は、その家のドアを開けてくれた。
そして、その家の中に迎え入れてくれた。
「しばらくお待ちください。」そう言って、
彼は、そのまま奥の部屋に入っていった。
「お母さん、姫様がお父様のことで色々教えてくださいって、来てくれました。」
しばらくして、奥の扉から、彼のお母さんがかれと一緒に現れた。
「これは、姫様、いらっしゃいませ。」
そう言って、紅茶を入れてくれた。
「突然、お伺いして、申し訳ありません。」
「騎士団長のことを、お聞きしたくて伺いました。」
「二年前に、国王様と一緒にお母様を探しに言って頂いたとか。その時に、どの辺を捜索するとか仰られてませんでしたか?」
「確か、西の国との国境辺りを回ると言ってました。」
「そして、もし、国王様に何か有るといけないので、隣国の国境を超える場合は、自分が行くと言ってました。」
「その時は、王様一人で戻られるかもしれないから、注意していてくれと。それと、伯爵にも注意するようにと言われてました。」
「そうですか。だとすると、お父様と一緒にいらっしゃる可能性は低そうですね。」
「お母様、今の国王は、偽物かもしれないんだって。だから、姫様は、本物の国王様を捜しに行くんだ。」
「僕も、一緒にお父様を捜しに行きたいな。」
「駄目よ、あなたは、まだ子供だから姫様の邪魔になるだけよ。今は、一生懸命武道と勉強に励みなさい。」
「奥様、すみません。私に力がないばっかりに皆さんに頼ってばかりで。」
姫と白虎とユキは、しばらくしてからその家を後にした。
「姫さん、とりあえず食料を調達してくる。」
「白虎、お菓子もいっぱい買ってきてね。」
「承りました。」
それで、白虎と別れそのままユキと宿泊場所に帰ることにした。
ちょっと、色々心に筆禍ることが有ったので、一旦、部屋で色々考えることにした。
部屋に入ると、猫足のお風呂にお湯を張って、泡だらけにしてからユキと一緒にその中に飛び込んだ。
「ねえ、ユキ、なんか変だよね。色々あったのに大人は、みんな落ち着きすぎてる。もう少し騒いでもいいと思わない?」
「子どもたちの方が、騒いでる。」
「大人は、何か、隠し事をしているみたい。今の国王を偽物と言ってもそんなに驚いた様子もなかった。」
しばらくして、白虎が帰ってきた。
「姫様、今戻りました。」
「白虎、お帰り。」
「どこですか、姫さん。」
「お風呂よ。白虎も一緒に入る?」
「えっ?」と言う大声が聞こえた。
「冗談よ。」
「でも、話したいことが有るからちょっとこっちに来て。」
「大丈夫よ、湯船に浸かってるから。」
白虎は、そおっと、扉を開けて入ってきた。
「ねえ、白虎、さっきの騎士団長の奥さん、何かおかしくない?」
「今の国王が、偽物と言ってもびっくりしないし。」
「そうですね。」
「何か、みんな本物の国王がどこにいるのか知ってるような。」
「そうよ、白虎。そんな感じ。」
お風呂から、立ちあがる姫様。
びっくりして、ひっくり返る白虎。
「時には、いいこと言うわね、白虎も。」
「それより、姫さん、前を隠してくださいよ。」
「いいじゃない、気にしないわ。」そう言いながら、前で腕を組む。
残念ながら、全身泡だらけで何も見えなかった。
「多分、本物の国王をみんなでかくまってる。そして、それを探りに黒龍が来た。さらに、その手助けをお母様がしているとしたら話が通じる。そのために、私の外出を許した。」
「としたら、本物のお父様は、今は、無事ってことね。」
「白虎、明日、お城に戻るわよ。お母様を問い詰めてやる。」
「姫様、それは、ちょっと危なくないですか?」
「黒龍とお母様がグルになってると、ユキのこともばれてるし、自分たちでは、どうしようもできないような。」
「ここは、一旦、日本に戻って形成を立て直した方がいいと思いません。」
「本物の国王様が無事と信じて。」
「わかったわ、じゃ、とりあえず疑われないようにこの国を回って、時期が来たら日本に戻りましょう。」
段々泡が消えて姫様の白い肌が、お風呂に差し込む光に照らされて輝きだした。
それを見て、白虎は、慌ててお風呂の外に出ようとしたら滑って転んで頭を打って気絶した。
そして、ユキは、あきれ顔でそれを見ていた。




