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冒険

 次の日の朝、空がうっすらと明るくなり始めるころに姫と白虎とユキはそれぞれの荷物を持って、姫の部屋に集まっていた。

「みんな、準備は良い?」

「地図は、持ってきた。それと、方位磁石と、食料と、多分大丈夫。」

「ユキは?」姫の背中のリュックの中から大きく頷くユキ。

「さて、朝日が昇ると同時に出発よ!」

「でも、姫さん、なんで、ユキは、姫さんのリュックの中にいるんですか???」

「それは、これからのお楽しみよ。」

しばらくすると朝日が、登り始めて、湖も森も輝きだした。

「白虎、悪いけど、来た時と同じように窓から出ていくのよ。」

そう言われて、『えっ‼!』とは、思ったけど、声には、出さずに窓枠によじ登った。

「じゃ、行くわよ。」と言う姫さんの声が後ろから聞こえて来たので振り返ると、

自分の方に、全力疾走で向かってくる姫さんが見えた。

「白虎、飛んで!」

『えっ、どっちに?』と思う暇もなく、姫さんと一緒に窓の外に飛び出していた。

『ここって、どこだっけ?』

思わず目を瞑った。

 落ちる瞬間は、その場に止まってるような感じになるとは、聞いたことがあるけど、その一瞬がやけに長いように感じた。

と言うより、何故か上に登っていくような感じがした。

『あっと言う間に死んで、今は天国に登っていく途中か?』

『とんでもない姫さんを好きになったもんだ。あんなところから、飛び降りるなんて。』そう思うと、笑いが込み上げて、目を思いっきり見開いた。

『やっぱり、天国に行くみたいだな。雲が近づいてくる。』

「白虎、大丈夫?」

 上の方から、姫さんお声が聞こえて来た。

白虎は、声のした方を見上げると、そこには、白い龍が口をあけて笑っていた。

「一回、やってみたかったのよね。窓から、飛び出して、空にのぼるのを。」

「なんとなく、できる気がしてたのよね。」

そこには、飛んでる姫さんが居た。

「飛べなかったら、どうするつもりだったんですか?」

「だから、白虎がいるんでしょ。その時は、あなたが何とかするのよ。」

『やっぱり、とんでもない姫さんだ。』と白虎は思った。

 しばらくして、姫さんご一行は、山の麓に着陸した。

「ああ、気持ちよかった。」

そう言いながら、リュックの中のユキを降ろしてあげた。

「白虎、ここで朝ご飯にしない?空を飛んだら、おなかすいた。」

「わかりました。ちょっと待っててください。」

 そう言うと、白虎は、手際よく湯を沸かすとトーストとゆで卵と熱いコーヒーを入れて、姫さんに渡した。

「おいしい。白虎って、何でもできるのね。学校のテスト以外は。」

「はいはい。」白虎は、ユキにもご飯を作ってあげて、自分も簡単に食事をとった。

「どうやら、見つからずに城は、出られたようですね。」

「旨く、朝日の光の中に隠れることができたわ。」

「そうだったんですね。」

「そうよ。私を誰だと思ってるの?こう見えても、この国の王女なんだから。」

「失礼しました。可愛い王女様。でも、これからは、空を飛ぶ前に飛ぶって、言ってくださいね。」

「そんなのつまんないじゃん。」

「つまっても、つまらなくてもいいから言ってください。こっちにも、心の準備が有ります。」

「わかったわ。でも、これで、黒龍に対抗できる自信がついたわ。」

「一段落したら、いどうしましょう。奴らが、追ってきてるかどうかも確認したいので。」

「それと、今日中に街に入って、少年探偵団と合流しましょう。」

「そうね。その前に、明るい間に伯爵の牢屋も見に行きたいし。」

「そうですね。それを忘れてました。じゃ、急ぎますか。」

小川で、食器を洗ってからすぐに姫とユキと白虎は、伯爵の屋敷を目指して出立することにした。





























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