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夏休み14

 次の日、朝食の席で国王と妃と姫が3人で食事をしていた。

食事が終わって、紅茶を飲んでいると、国王が姫に話しかけた。

「いつも、お城の中で何をしているんだ?」

姫は、今の国王が偽物だと知っているので、そのことに気付かれないように、笑顔で、

「学校の宿題とピアノの練習を続けてます。」

「そうか。まあ、頑張りなさい。」

姫は、思い切って国王に

「お父様、日本に戻る前に、国内を見て回るのをお許しいただけないでしょうか?」

「お前の、国じゃないか、好きにすればいい。」そう国王が言うと、これがチャンスとばかりに右の口の端がちょっと上がった歪な笑顔を姫に向けていた。

そして、王妃に向かって、

「レイラも、もう16才なら、これからのためにも国内を見て回るのもよいだろう。」と言った。

国王に逆らえない王妃は、

「レイラ、それで誰と行くの。まさか一人じゃないでしょうね?」

「少年騎士団の方々と一緒に、遠足のような感じで近くの町や森の中を見て回ってみるつもりです。」

「その少年騎士団とはなんだ?」

「国王様は、ご存じ無いわね。姫が、以前偽の日本大使をお迎えするときのダンスの練習を一緒にした子供たちよ。」

「レイラ、でも大丈夫なの?彼らじゃ、護衛にならないわよ。」

「大丈夫よお母様、お父様がお戻りになられてから、町も平和になったって、皆さんおっしゃってるもの。」

「それは、そうだけど。玄武の手が空いてれば、一緒に行かせるんだけど、今、日本との貿易の関係で忙しいから無理ね。」

「私が、一緒に付いて行こうかしら?」

「そうしてください。お母様。一緒に、旅行するなんて、初めてだわ。お父様、よろしくて?」

 一度、国王のいないところで、お母様とは、色々話さないといけないと思っていたからこれは、チャンスかもしれない。

「二人で、行ってきなさい。その間のことは、私が玄武と対応しておこう。」

「ありがとう、お父様。」

「お母様、後でお部屋に伺います。」

「それより、レイラ、街を見にいくなら、事前に色々調べて行った方がいいわ。歴史とか、それにまず地図が必要ね。二階の図書館で10時に待ち合わせしましょう。」

「わかりました。お母様。10時に図書館に伺います。」

姫の足元では、人間の言葉なんて何もわからないわ。と言いたげなユキが、国王の隙を見て、テーブルにかけられたレースの中を走って、王妃からの手紙を受け取って、すぐに姫の所に戻ってきた。

 それを国王に気付かれないように姫に渡すと、姫は、

「お父様、お母様、ごちそうさまでした。これで、失礼します。」と言って、食堂を後にした。

部屋に戻って、お母様からの手紙を開いた。

『国王が、自分達を疑ってるみたい。気を付けてね。白虎と一緒に城を出た方がいいかも。』と書いてあった。

 『お母様を誘ったのも、正解かもしれない。お城に敵を入れてしまった以上、いつ襲ってくるかわからない。それなら、一度場所を変えて、建て直した方が、いいかもしれない。玄武なら、何か有っても多分大丈夫でしょう。黒龍ごときにやられるほど、軟じゃないと思いたいけど。』

『白虎にも、話した方がいいとは思ったけど、お母様が、私の部屋に来るのを拒んだのは、何か理由があるのかもしれない。白虎には、聞かれたくない話かもしれない。』そう思ったので、今朝の会話は、お母様と図書館で会うまでは、秘密にしておくことにした。








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