夏休み13
姫は、自分の部屋に戻って、自国とその周辺の地図を探した。
それから、白虎に渡す前にもう一度お父様が、どの辺に監禁されているのか考えってみた。
『お父様が、遠征に行かれたのは、お母様を助けに行く目的だったから、西の隣国よね。この森を抜けていくのが速いけど、もしかしたら、その途中で北の国の連中に捕まったのかしら?』
『そうしたら、この黒龍の森が怪しいわね?』
『それに、あの伯爵が絡んでいたとしたら一体どこに監禁されているんだろう。』
『今の国王を捕まえる全部話させるのが速いような気もするけど。わからないわ。』
姫は、ユキにその地図をとりあえず白虎の所に持って行くようにお願いした。
ユキは、その地図を口にくわえると、姫様に開けてもらったクローゼットの扉を通って白虎の部屋に向かった。
しばらくして、ユキが戻ってきた。
それから、ベッドの上で、ユキと遊んでいると、ペンダントから白虎が声がした。
「姫さん、色々考えたんだけど、もし、姫さんのお父さんを助けに行くなら、早くここを出てすぐに行動に移した方がいいような気がする。本当なら、今の国王を締め上げればいいんだけど、たぶんそんなことをしたら、姫のお父さんが殺されて、今の国王がそのまま、居座る可能性がある。」
「そして、自分たちは国王を殺そうとしたとかで牢屋に入れられる可能性がある。」
「そうよね。」
「白虎、可能性があるとしたら、隣国が攻めてきたときに伯爵の家の牢屋に閉じ込められたことが有ったけど、もしかしたら、お父様もあそこに閉じ込められていたかもしれないの。」
「あの牢屋を調べたら何か見つかるかも。」
「わかった、そこを1番に調べてみよう。」
「それと、白虎、今日色々話していて、気になることがあるの。」
「今日、一緒にお風呂に入ってくれない?」
「えっ、いいんですか?」
「だって、しょうがないじゃない。お風呂でしか見せれないもの。」
「わかりました。」白虎の声が震えていた。
「お風呂に入る前に、一度お風呂に入ってきてもいいですか?」
「なに、訳の分からないことを言ってるのよ?一度だけ一緒に入ってくれればいいから。」
その日の夜遅く、もじもじする白虎の手を引いて、お風呂まで連れて行った。
「先に目を瞑って湯船に浸かってて。私が、いいって言うまで目を開けないでね。」
「わかりました。」声が、上ずっていた。
「大丈夫?男の子でしょ。しっかりしなさい。」
「ユキ、私がいいというまで、白虎が目を開けたりしないか見ていてね。」
仕方なく、白虎は、服を脱いで、先に目を瞑って、お風呂に入ることにした。
突然、お風呂の扉から大きな音がした。
「白虎、こんなところから目を瞑らなくてもいいのよ。先に湯船に浸かって待ってて。」
「はい。」
白虎が、湯船に浸かるのを待って、姫も服を脱ぎ始めた。
「バスタオルを巻いたから、大丈夫かな?」
そう言って、バスタオル事湯船に浸かった。
しばらくして、白虎に背中を向けたまま、上半身だけゆぶねからだして、
「白虎、目を開けてもいいわよ。」と言った。
ゆっくり目を開ける白虎が最初に見たのは、姫さまの背中に大きな文様が浮かびあがっていた。
山の景色のようなものそして、その中の位置を示すような龍の爪が浮かび上がっていた。
「昔、お母様とお風呂に入っているときに言われたの。これは、お父様とお母様が、結ばれたことの証だって。」
「だから、たぶん金脈の在処を記しているんじゃないかって。」
「白虎、ちゃんと覚えた?」
「ちゃんと覚えました。姫さんのかわいいおしりの形、じゃなかった、文様を。」
「奴らも、金脈を探してるはずだから、どこかで出くわすかも。それに、その探索にお父様も連れ出されてる可能性が高いから。」
「わかりました。命に代えてもお父様を探してきます。」
「白虎、先にお風呂あがって良いわよ。」
「私、もう少しユキと浸かってるから。」
「姫さんも、お人が悪い。今は、ちょっと出れませんって。」
「そうなの。男の人って大変ね。」
「じゃ、先にでるわね。ユキ、行きましょう。」
そう言って、姫とユキが先に上がった。
「じゃ、明日から、探しに出かけます。」と言う、ちょっとのぼせ気味の声が、湯船の中から聞こえてきた。




