夏休み11
翌朝目が覚めると、部屋の扉の所で白虎が眠っていた。
上半身を起こすと、それに気づいたユキが白虎の足元から、ベットの方に飛び乗ってきた。
「ユキ、おはよう。」
「昨日は、白虎が来る前に眠ってしまったようね。」
「せっかくだから、もう少し寝かせておきましょう。でも、扉を背にして、よく眠れるわね。」
しばらくベッドの上から、ユキと一緒に白虎の寝顔を見ていた。
「ユキ、おなかすいてきたから、ちょっと白虎に扉の前から移動してもらって、食堂から何かもらって来るわ。」
「動かすの手伝って。」
姫とユキは、白虎を動かそうとしたけどびくともしなかった。
「駄目ね。」と姫が言うと、いきなり、ユキが白虎の鼻に噛みついた。
「痛てってて。」そう言って白虎が目を覚ました。
「ごめんね、白虎。あなたが起きないから、ユキがあなたのお鼻にキスしたのよ。」
「キスって、こんなに痛かったか?」と言って、ユキを睨んだ。
ユキは、なんだか笑ってるような顔をしていた。
「白虎、おなか空いてない?ちょっと、食堂で何か食べ物もらってくるわ。」
「それより、姫さん、聞いてくれ。」
白虎は、扉を開けようとして出ていきかけた姫を呼び止め昨日の夜の出来事を説明した。
「君のお母さんは、君を守るためにユキを殺したように見せかけて、そして、記憶を無くさせて日本に送ったみたいなんだ。」
「それに、今の国王、あれは、偽物だって言ってた。」
「本当の国王、つまり君の本当のお父さんは、奴らに捕まっていて、どこかに監禁されているみたいなんだ。」
「それで、君のお母さんは、お父さんの命を守るために奴の言うことを聞いてるみたいで、だから、俺たちの味方みたいなんだ。」
「本当かしら?」
「姫さんの所に来るつもりが、間違って、あの二人が話している部屋の窓にたどり着いて、色々聞いたんだって。それに、窓の所に来た君のお母さんと、目が合ったけど知らんぷりしてくれたんだ。それに窓のカギも閉めずに部屋から出ていってくれた。絶対、味方だって!」
「わかったわ。でも、とりあえず、食堂から何かもらってくるわね。これからの話はその後よ。」
そう言うと、姫様は、食堂に向かった。
食堂では、お母様が一人食堂で食事をしていた。
「あら、レイラ、遅いわね。今から、朝食?宿題の方は、大丈夫?部屋で、食事をとるくらいだから、日本のスクールも大変ね。」
「お母様、おはようございます。」
仕方が無いので、レイラは、テーブルに座って、朝食を取ることにした。ここで、変なことをすると、白虎が、見つかってしまうかもしれない。
「お母様、お父様はご一緒じゃないんですか?」
「そうね、今日は、朝早くからどこかに出かけたみたいね。」
「それと、レイラ、部屋でペットを飼うなら、その可愛い狐さんだけにしてね。もう一匹飼いたいなら、玄武に言ってね。話は、してあるから。」
「檻も、準備させるわね。可愛い娘が、食べられたら大変だもの。もしかして、もう食べられちゃったかしら?」そう言って、ニコッと笑った。
「それと、後で部屋に伺うから、居てね。」
そう言って、お母様は、席を立たれて、食堂を後にした。
レイラは、その後ろ姿を見送って、朝食のパンとおかずを1つのお皿に詰め込んで、自分の部屋に持ち帰った。
持ち帰ったお皿を、白虎に渡すと
「今食堂で、お母様に有ったわ。」
「ペットは、狐さんだけにしなさいって。それで、もう一匹飼いたいなら、玄武に相談しなさいって。」
「俺が、もう一匹のペット?」
「猛獣だって。」
「ほんとに?」
「降りも準備するって。」
「かわいい娘を食べられたら困るって。」
「俺が、姫さんを食べる?嘘でしょ?」
「それと、後でこの部屋に来るって。」
「どうしよう。」
「俺は、居た方がいいのか?いない方がいいのか?」
「とりあえず、クローゼットに隠れていて。」
「そうだな。じゃ、ユキ、姫さんの護衛は頼んだから。」
と話しているところに、ドアがノックされた。
「レイラ、いる?」
それは、お母様の声だった。
「今、開けます。」
そう言って、レイラは、部屋の扉を開けた。
妃が、部屋の中に入ると
「猛獣も隠れてないで出てきなさい。」
白虎は、その声を聴いて、クロ-ゼットから顔を出した。
「あなた、夜這い下手ね。」
「お母様、夜這いなってそんなことしてませんよ。」
「だって、あなた、今、娘のクローゼットから出てきたでしょ。」
段々、小さくなる白虎。
「お母様、白虎は、私を心配して日本から飛んできてくれたのよ。いじめないで。」
「わかたわ。」
「白虎、事情は、昨日窓の外で聞いていてくれたと思うから説明しないけど、あなたにお願いが有るの。」
「国王を探してきてほしいの。連れて帰れとまでは言わないから。場所さえわかれば、後は、私と玄武で何とかするわ。」
「今、動けるのは、あなたしかいないの。」
「お母様、だったら、私も行きます。」
「駄目よ。レイラは、あいつに、目を付けられてるから。この城を出たら、何を仕掛けてくるかわから無い。せっかく、あなたを守るために、記憶を無くさせて日本に送ったのに。」
「奴も、レイラとユキが一緒にいるのをひどく怖がってた。ユキは、とりあえず死んだことになってるから、すぐに手は出してこないと思うけど。だから、ユキ、相手に小隊がばれるようなことをしたら駄目よ。」
「それと、あんまりこの部屋には、来られないから。」そう言って、妃は、レイラを抱きしめた。
「今後のことは、ユキに手紙を渡すからそれを見て行動してちょうだい。」
「お父様も見殺しには、できないわ。」
そう言って、妃は、部屋を出て行った。




