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到着

 「まもなく当機は、目的の成田空港に到着いたします。皆様、シートベルトをお締めください。」

今度は、着陸するのか?

退屈するかと思ったけど結構、楽しめたな。

暫くすると、機体が揺れて無事タイヤが滑走路に着いた音がすると同時に水平になり、その後急激にスピードがダウンした。

 暫く外を見ていると、ゆっくりと機体が進路を右方向に取り、滑走路から離れたところに停止した。

「当機は、無事成田空港に止まりました。順番にご案内いたしますので、しばらくの間座席付近でお待ちください。」

そのアナウンスが終ってしばらくすると、飛行機の窓の外が、思いっきり光り、轟音が轟いた。

「ヤッタ!、あのガキ、俺の首飾りを持って飛行機を降りたな!」

「皆様、申し訳ありません、ただいま投機の外で事故が発生したもようです。しばらくそのままでお待ちください。」

その時、知らない女性の声が頭の中に響いてきた。

『姫様、聞こえます。朱雀です。お迎えに来ました。飛行機から降りれます?』

『朱雀?今、降りれないみたい。飛行機の外で何か有ったみたい?』

『そうですか?じゃ、こちらからお迎えにあがります?』

『わかった。気をつけてね。外にいる派手な服をきた親子には、近づかない方がいいわよ。雷が落ちるから。』

『かしこまりました。では、すぐに伺います。』

 しばらく自分の席で待っていると、エコノミークラスのみんなの話声が、急に止まった。

何?と思って顔を上げると、身長は180Cmぐらいのモデル並みの容姿の真っ赤なドレスの女性が自分の方に向かってやってきた。

飛行機の中で、姫様の騎士団になった数名の子供が勇敢にもその行方を阻もうとした。

「みんな、ありがとう。その人、私のお迎えみたい。だから大丈夫よ。」

その女性は、子供騎士団の間を影のように通り過ぎた。

「姫様、お迎えに上がりました。こんなところにいらっしゃったんですね。ファーストクラスにいらっしゃらなかったんで探しましたよ。」

「あなたもそう思うでしょ。今度、玄武に言っといてよ、小国の王女だと思って舐めてると痛い目に合わせるぞ!って。」

「畏まりました。」

「それで、外の状況はどう?」

「お二人、雷に打たれて失神してましたけど、命のほうは、大丈夫でしょう。」

「日本に、着いた早々かわいそうにね。」とニコッと笑うと、彼女もニコッと笑って、

「こんな風に首飾りを使うのは、止めてくださいね。中の竜神が、機嫌を損ねてますよ。」と言って、首飾りをかけてくれた。

「ありがとう。だって、盗ったくせに、『自分のだ!』って言って、返さなかったから、罰が当たったのよ。」

「はいはい、わかりました。ただ、竜神は、人ではないので我々の言い訳は通用しません。今度、この首輪、いえ失礼、首飾りを失くしたらどうなるかわかりません。」

 今、首輪って言ったわよね。どう言うこと?首輪を外すと竜神が騒ぐ?どうなるかわからない?

「まあ。いいわ。今度から、気を付けるわ。でも、寝ている間にこの首輪を取られたらどうなっても知らないから。わかった?」

「わかりました。そのために、今から私が、護衛に着きます。」

「よろしくお願いします。」そう言うと、彼女について、出口にむかった。

そして、エコノミークラスを出ようとしたときに振り返って、

「国民の皆様、ありがとうございます。皆様のおかげで楽しく飛行機に乗れました。」

「騎士団の皆様も、早く大人になって、私を守ってください。それと、みなさまのご旅行の安全をお祈りしてます。」

というと、割れんばかりの拍手が起こった。そして、

「姫様も、気を付けてね。何か有ったら連絡してね。」

「それは、私のセリフです。本来なら、皆様一人一人と握手したいところですが、迎えが来ましたのでこれで室りします。」

深々とお辞儀をすると、割れんばかりの拍手が起こった。

「では、これで失礼いたします。」

「さあ、朱雀行きましょう。」

 軽快に、タラップを降りると伯爵夫人とそのご子息が一緒に医療用のタンカーで運ばれてい行くところだった。

『治ったら、そのまま帰国ね。我が国の恥を、日本の皆さんに晒さなくてよさそうね。』

「姫、こちらにお乗りください。」

そこには、外観がマッドブラックで内装が真っ赤なカウンタックが止まっていた。

「日本の空港は、車の乗り入れができるの?すごいわね。」

「できませんよ。今回は、特別です。変な迎えが来る前に行きましょう。」

彼女は、そう言うとガルウイングを跳ね上げて助手席に姫様抱っこして乗せてくれた。

「優しいわね、ありがとう。」

運転席に乗った彼女は、ウインクしてから、爆音を挙げて、飛行機のエコノミー席が見えるように走ってから空港を後にした。

「なかなか、楽しそうな訪日になりそうね。」

「で、朱雀さん、入国審査はいいの?」

「大丈夫です。」

「えー、せっかく練習して来たのに。」

彼女は、そのまま何も答えずに空港を後にした。


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