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帰省

 赤いカウンタックは、校門から出ると信号で止まることなく,そのまま高速道路のインターまで加速した。

信号自体は、朱雀の部下が先回りをして左右の車を止めて、赤いカウンタックが通過と同時に通行させたので、不審な車の尾行は完全に防がれた。

ただ、小さなドローンが静かに近づきカウンタックの後方に張り付いた。

「姫、どうやら敵のドローンがこの車に張り付いたみたいね。」

一瞬だが、敵のドローンがカウンタックのバックミラーを横切るのを朱雀は見落とさなかった。

「どうしましょうね?」

 車を止めると、ドローンに積んである爆弾のスイッチを押される可能性がある。

でも、もし爆弾を積んでいるならさっさとスイッチを押せばいいのに、爆発しないところを見ると尾行用かもしれない。

「それとも弄んでいる?」

「朱雀さん、大丈夫ですか?」

「姫様、私に命預けてもらっていい?」

「大丈夫です。好きにやってください。」

朱雀が頷くと、

「高速に乗る前に、車の後ろのドローンを打ち落として。」と、独り言のようにつぶやいた。

高速のインターを目指してしばらく走っていると、ピシという甲高い音と、車の後ろに金属片が転がっていくのが見えた。

その後、黒いバイクが現れ、カウンタックの後部を確認し、おもむろに前に出ると、親指を上にあげて、OKサインを出した。

カウンタックは、それを見ると2車線向こうの高速インターの入り口を目指して、ハンドルを切るとフル加速した。

「姫、ごめんね。今回は、ループを使わずに高速を使って、お爺様の所に送っていくから我慢してね。」

「こちらこそ、朱雀さん直々に送っていただくなんて申し訳ないです。」

「いいのよ、敵を捕まえるのに姫を、餌代わりに使ってるだけだから。」

「こんな私でも、餌になるんですか?」

「なるなる。敵にとっては、姫は、喉から手が出るくらいほしい獲物だから。」

「この私に、そんな価値があるのかしら?」

「しばらくは、目立つように高速を走っていくけど、後方の5台と前方に5台それと、さっきの黒いバイクが武装してこの車を護衛しているから、安心して。」

「わかりました。」

「それと姫を、周りに異常がないか見張ってね。」

「はい。」

それから、朱雀は、鼻歌を歌いながら、カウンタックを200㎞/hに近いスピードで東北自動車道を北上した。

栃木を越えるまでは、何事もなく快調にカウンタックを飛ばしていた。そのころには、日も沈み徐々にあたりも暗くなってきた。

「姫、そろそろ休憩しましょう。」朱雀がそう言うと、次のサービスエリアにハンドルを切った。

先行の車が2台駐車している間に車を止めた。そして、後続車両が入ってくるのを確かめてから、カウンタックのエンジンを切った。

「サービスエリアの中も私から離れないでね。トイレも、多目的用を使ってね。」

、そう言って、車を降りるとカギを黒づくめの男に渡した。

その男は、そのまま、車に乗り込みガソリンスタンドに車両を移動した。

姫は、朱雀と何事もないように歩いてトイレに入った。

「朱雀さん、私たち誰かに監視されてるみたい。視線をそこら中から感じた。」

「姫も、気付いた。もしかしたら、車は、ここで捨てた方がいいかもね。」

「先行隊の2台が、先のサービスエリアで待機してるから、そこまで、姫は、さっきの黒いバイクに乗って行ってくれない。」そう言って、多目的トイレに入った。

そこには、姫様と同じ背丈の女性が待機していた。

「姫様ごめんね、向こう向いてるから、おトイレ済ませて。」

「私は、大丈夫です。」

「じゃ、着替えて。」

その女性から、黒いスーツを受け取ると素早く着替え、そして、ヘルメットをかぶった。

「私たち、先に行くから、2分後にここに出て外で待ってる黒いバイクに乗ってね。」

「じゃ、またあとで会いましょうね。」

「朱雀さまも、お気を付けて。」

そのまま、二人は、何事もなかったようにトイレから出て行った。

2分後、姫様もヘルメットを被ったま多目的トイレを出た。

女子トイレの前に、黒いバイクが止まっていた。

無言で、バイクの後ろにまたがると、フル加速でサービスエリアを後にした。黒いバイクは一瞬にして、暗闇に紛れた。

その異変に気付いた、一般客に扮した敵が、一斉に銃を構えて、仕方なく赤いカウンタックを銃撃した。

カウンタックも甲高い音を立て、銃を構えてくる奴らをなぎ倒して走っていった。

それにつらなるように、朱雀の部下の車が、銃撃しながらカウンタックの後に連なった。

さらに、敵の車が、朱雀のカウンタックを追うように動き出した。

それを見た、後続の車は、サービスエリアの出口をふさぐように車を止め迎撃態勢を取った。

その様子を見て、数台が、入り口の方に車を走らせそこから、高速道路の本線に合流しカウンタックの後を追いかけた。












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