女子寮
「やっと、つながった。」
「姫様、今どこですか?」
「あつ、白虎ごめんなさい。今、女子寮のお風呂の掃除してるところ。」
「えっ、なんで姫さんが、お風呂掃除してるんですか?」
「だって、いつも一番最初に入らせていただいてるから、お風呂ぐらい綺麗にしなくっちゃ。」
「簡単よ。ブラシでごしごしして、ホースで水をかけるだけだから。」
「終わったら、管理人さんに言って、お湯を入れてもらうの。」
「なんか、お湯が入るの見てると楽しくって。」
「なんか、変わりましたね。姫さん。姫さんにとっては、この方が幸せかもしれませんね。」
「そうね。」
「それはそうと、姫さん、昼間は、どこにいってたんですか?」
「ペンダントもつながらないし、すごく焦りましたよ。」
「理事長の所にいってきました。青島理事長。」
「私のお爺さんって言ったけど、記憶が無くてわからなかった。」
「青島のじいさんなら、ペンダントがつながらなくなるのも頷けます。」
「そうなの?理事長室も、学校の中じゃなかったみたい。」
「それと、2~3日中に、迎えに行くから、理事長のお屋敷で夏休みを過ごしなさいって。白虎は、補習だから頼りにならないって。」
「すみません。姫さん、守るって言ったのに。」
「気にしないで。でも、補習が終わったらすぐに来てね。今は、白虎しか信じられないから。」
「わかりました。姫さんに、そんなことを言ってもらえるなんて、幸せです。」
「じゃあね、お風呂にお湯が入ったから入るわね。」
白虎は、慌てて、ペンダントを覗いた。
バンダナで、髪の毛を束ね、短パンに汗と水に濡れて体に張り付いたTシャツから、2つの隆起がすけて見えた。
「うおー。」と言う声が、ペンダントから聞こえた。
「白虎のスケベ。でも、Tシャツ着てるから残念でした。」
「姫様、すみません。大きな声を出して、これは欲情じゃなくて、姫様の綺麗なお姿を見れて、感動した声です。」
「浴場?今、お風呂だから浴場で良いんじゃない。」
「じゃあね。」
「はい。」
そう言って、白虎は、この上もない幸せの感情を胸にペンダントを首にかけた。
二日後に、学校の校舎の前に、甲高い音を立てた車が入ってきた。
姫は、日用品と着替えをいれたスーツケースをその車のボンネットの中の収納に入れると、その車に乗り込んだ。運転席には、真っ赤なパンツに、ビキニそして、サングラスの女性が乗っていた。
「よろしくお願いします。」
「姫様、久しぶり、って言っても記憶が無いんだっけ。」
「すみません。どちら様か記憶が無くて。でも、この車は、なんとなく覚えているような気がします。」
「以前、自分を守ってくれたような気がします。」
「私は、あなたにとって車以下ってことね。まあ、あなたを危険な目に合わせたことは、否定しないわ。」
「朱雀さん、姫さんをちゃんと送って下さいよ。」と白虎。
「白虎、私に命令なんて100年早いわ。しっかり勉強しなさいよ。お父様とは全然違うわね。」
それを聞いて、しゅんとする白虎。
「トラが、ネコみたい。」
「早く、補習終わらせなさい。連絡くれたら迎えに来てあげるわよ。」
「すみません。よろしくお願いします。それと、姫さんが、座ったところには、自分が乗るまで誰も乗せないようにお願いします。」
「白虎の姫様崇拝も、すごいものね。わかったわ。」
そう言って、朱雀と姫様は、甲高い音を立てて、校門を出ていった。
「よし、徹夜で、補習受けるぞ。」
「駄目よ。授業は昼間だけ。」と亜紀先生。
「2週間は、最低でも補習受けてもらうから。」
「えっ、そんな。」
「あきらめて、勉強しなさい。」
白虎は、そのまま制服の襟を掴まれて、猫のように教室に連れていかれた。




