密談
そのころ、レイラの母親と玄武は、今後の対応を打ち合わせていた。
「玄武、その後、レイラの状況はどう?」
「旨くいってるみたいです。事前にサキとマキを転入させた高校に、姫様も入学させたので問題ないと思います。」
「ユキは、可愛そうなことをしたけど、こうするしかなかったわよね。」
「はい、あのまま無自覚にあの力を持ったまま、日本に入れることはできません。」
「あの子が、キツネ狩りで、見せた力を見てもわかるわ。」
「ここであの力を出されたら、お城自体跡形もなく消えていたわね。」
「そうですね。多分、3年は、大丈夫でしょう。」
「奥様が、居てくれたおかげで助かりました。」
「玄武と二人であの子の力を抑えても、地形が変わってしまったものね。」
「あれを見て、こちらの敵もしばらくは、手を出してこないと思います。」
「そうなら、うれしいけど。」
「今のうちに、始末しようなんて思われたら、私たちでも防げないかも。」
「それで、日本に送ったんでしょ。」
「子供を守るための汚れ役は、母親のつとめよ。」
「多分、殺したいほど嫌われたと思うけど、たぶん大丈夫でしょ。」
「ご主人が、亡くなられるときも、姫様を守ろうと単身敵陣に乗り込むなんて無謀ですよ。」
「あなたが来るのが、遅いのよ。」
「すみません。日本でも色々ありまして。」
「お父様から聞いてるわ。貴方達のおかげで、日本政府が敵に乗っ取られなくて済んだことを。」
「奴らは、知らない間に組織に入り込んでくるので、今でも油断できないです。」
「朱雀の所も大変だったみたいです。」
「あそこは、ビジネスを手広くやりすぎだから。でも、そのおかげで色々情報が入ってくるのよね。」
「日本に行った時も、レイラを危険な目に合わせたことを謝ってくれたけど、あれは、全部お父様の仕込んだことでしょ。」
「それは、聞かないでください。とりあえず、私は、そのタイミングで奥様を救出するように言われただけですから。」
「敵の存在と、レイラの力を確認できる。一石二鳥って言ってそうよね。」と言って笑った。
「でも、残念で、白竜だったんでしょ。」
「そうですね、でもまだ、14才の時ですから。経験を積むことで、黄龍になれるかと。」
「そうね、あのやさしさは、お父様譲りだから、すべてを包み込めるだけの力が有れば、その可能性はあるわね。」
「そのために、私は、今、代理でこの国の国王を務めてるんだから。」
「わたしも、全力で奥様をサポートいたします。」
「そうしてね。」
玄武は、そのまま城の執務室を後にした。




