表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
21/156

歓迎会

 午後2時から、歓迎会が始まった。

最初に、姫様による歓迎会の始まりの挨拶が有った。

次に日本からの大使の紹介が有った。

その後は、少年騎士団と、姫様によるワルツの披露が有った。

本格的な、王立楽団の演奏による舞踏会は、見ていて迫力のあるものだった。

そこには、この国の伯爵連中も揃っていたので小国ながら、結構な人数の国民が揃っていた。

少年騎士団のダンスが終わると、今度は、大人たちが各々パートナーを探して踊り出した。

姫様は、最初の予定通り、ユキの待っている寝室へと向かった。

「ユキ、終わったわよ。」

「衣装着替えて。」そう言うと、姫様は、下着姿のユキに助けられながら、服を脱いでいった。

大使に怪しまれないように、姫様の脱いだ服を器用に身にまとい、あっとゆう間にさっきまでそこにいた自分が目の前に現れた。

「じゃ、ユキ、うまくやってね。それと、無理しないでね。ばれそうになったら適当な理由付けて帰ってきてね。」

「わかりました。姫様。じゃ、行ってまいります。」

そう言って、ユキは出て行った。

 この日のために少年騎士団と練習を共にして、姫様のダンスの癖もすべて確認し習得している。

それに、大使は、さっき初めて姫様のダンスを見たところだし、まず私が別人だとは気づかないはず。

問題は、大使が、ダンスができるかどうか?そして、そのダンスにユキから誘いに行くかどうかだ。

調べでは、日本の大使は、一通りの礼儀作法と、ダンスは、外交上必要項目として、必修になってる。

多分、今回の大使も上手下手は、合ってもダンスはできるはず。

しばらく、様子を見て、誘ってこなかったらこちらから誘ってみるか。そう思って、ユキは、大広間に入っていった。

最初に、目に入ったのは、玄武だった。

アイコンタクトで、大使の位置を教えて貰い、さりげなく姿を確認した。

それとなく、玄武が飲みものを持って大使に近づき、大使には、気付かれないように同じように玄武に近づいたユキが、

「玄武、何か飲み物を下さる。」と声を掛ける。

そして、振り返った玄武の向こうに大使がいることに初めて気づいたふりをして、

「あら、大使、こんなところにいらっしゃたんですか?」と声を掛ける。

「玄武、大使にも何かお飲み物を。」

「大使、私たちのダンス如何でしたか?」と切り出す。

「いや、素晴らしかったです。わずか1か月であそこまで踊れるとは、大したものです。」

「大使、ダンスは?」

「嗜む程度です。」それを聞いて、ユキが、

「シャル ウイ ダンス?」と誘ってみる。

「あまりうまくないですが、」と大使が、ユキの右手を取った。

予備歩から始まり軽やかにステップを踏み出した。

『うまい。姫様の演技でどこまで付いていけるか?』そのまま、踊っていると、少しずつ違和感を感じ出した。

 このまま、大使のリードで進めていると、他のペアにぶつかってしまう。

どうしようか悩んでいたが、そのまま、大使のリードに合わせた。

次の瞬間、隣のペアと重なり、ユキは、激しく後ろに倒れた。

 大使は、とっさにユキを守ろうとするようなそぶりを見せたが、一瞬笑ったように見えた。

そのまま、ユキは後頭部を殴打し、気を失ってしまった。

メイドに化けて、大広間に潜んでいた姫が、慌てて駆け寄ろうとしたが、玄武に止められてしまった。

大使は、青ざめた顔を作って、ユキをお姫様抱っこをして、慌てて、救護室に連れて行くように大声をだして大広間を出た。

どこにユキを連れて行くんだろうと姫が思っていると、玄武が、

「姫様、後を追いますよ。」と玄武が、手を引っ張った。

そのまま、廊下に出て、大使に気付かれないように後を付けた。

大使は、救護室ではなく、ドア越しに中の様子に聞き耳を立て、相手そうな部屋に音もなく入っていった。

「悪く思うなよ、姫様。俺も,雇われたんでな。」

そう言うと、隠し持っていたナイフを取り出し、ユキの心臓をめがけ振り下ろそうとした。

間一髪のところで、玄武が扉を開け、大使の持っていたナイフを蹴り飛ばした。

「ユキ、大丈夫でか?」と玄武が言った。

「はい。」と暗闇の中で、目が光った。

その後は、ユキと玄武で大使をにさるぐつわをはめてロープで縛った。

「こいつ、いったい誰なんだ。」まあ、いい。この後、ちゃんと話してもらおう。と、玄武が二タ~と笑った。

「姫様、後は、玄武に任せて、私たちは向こうに行きましょう。」そう言って、ユキは、私を寝室まで連れて行った。

「さあ、姫様着替えましょう。そして、姫様から来客の皆様に、大使が明日死んでても疑われないように、持病の心臓発作で退席した旨を伝えましょう。」

「殺しちゃうの?」

「そんなことは、しませんが、万が一口を割らなければそう言うことも有り得るということです。」

「日本政府にも、このことを伝えて抗議します。」

「多分、それは無理かも。何者かが、大使に化けて私を殺そうとした。って言うわね。」

「そして、本物の大使は、空港のトイレかどこかで縛られていたとか言って、別の組織の所為にでっちあげるわよ。」

「お母様が、向こうに居る限り、今度は、日本政府が私の命を狙ってきたってわけね。」

「まだ、事実かどうかわかりませんが、可能性はありますね。」

そのまま、歓迎会は、主役がいないまま、夜まで続けられた。

その夜遅く、ユキと一緒にお風呂に入った。

「ユキ、今日は、大変でした。頭、大丈夫?」

「倒れた時に、顎を引いて後頭部を打たないようしたので大丈夫です。」

「でもあの時、すごい音がしたわよ。びっくりしたもの。」

「あの音は、玄武が床を叩いた音です。」

「それで、犯人もユキが、脳震盪を起こしたと思い込んだのね。」

「さすがね、ユキと玄武は。」

「ユキは、私のことを心配して、飛び出そうとしてくれた姫様が大好きです。」

そう言って、ユキは、裸のまま、抱き付いてきた。

湯船から、ユキの尻尾がうれしさのあまり、ピンと立っているのに気付いた。

その尻尾を、撫でてあげるとユキはそのままうれしさのあまり気絶してしまった。











評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ