平和の国
次の日、朝から、祖父と4人のメイドと朱雀お姉様とその部下の屈強な男たち、そして、なぜか隣国の兵士たちもみんなDランドに集まっていた。
「おじい様、あの人たち隣の国の兵士たちじゃないの?」
「そうじゃよ、昨日の敵は、今日の友って言うじゃろ。」
「それは、そうだけど。大丈夫なの?」
「無敵のお前が心配することでもなかろう。じゃ、ここで、わしが一言言っておくか?」
そう言うとおじい様が、Dランドの入り口の前に立って、大声を張り上げた。
「今日は、日本政府の計らいで、わしらの貸し切りじゃ。存分に楽しんでくれ。」
「それと、もう一言、昨日、日本に攻めてきた兵士も一緒じゃ。彼らも、国王に言われて、むりやり戦闘に参加させられた不幸な連中じゃ。幸い、うちの孫娘の活躍で、一人も死者が出んかった。すべて、遺恨無しじゃ。」
「ということで、今日は1日敵味方もなく楽しもう。」
一斉に、周りから歓声が上がった。
姫、朱雀、メイド4人に入場用のリストバンドを手に巻いてもらって、みんな嬉しそうにDランドに消えていった。
「さあ、私たちも楽しみましょう。」
そう言って、私は、朱雀と祖父の手を取って、目の前の大きなお城のアトラクションに向かった。
それから、汽車に乗ったり、船に乗ったり、色々楽しんだ。
パレードでは、屈強な男たちが、コースの左右にかわいい被り物をして、規則正しく並んでみていた。
『うっ、気持ち悪い!』とは、思ったけどなんだかほほえましかった。
でも、一番かわいかったのは、祖父が大きな黒い耳の被り物をして、一番はしゃいでいたことだった。
「みんな、子供に戻ったみたい。」
「そうね。」
「みんなこうなら、戦争とかなくなるのに。」
「そうもいかないのよね。人間、欲があるから。」
あっという間に、倒しい時間が過ぎた。
館内放送が流れ、みんな駆け足で、入り口の方に集まってきた。
「姫、締めの挨拶じゃ。」
「えっ、あたしがやるんですか?」
「そうじゃよ。」
「何も考えてないけど、わかったわ。」
「今日は、みなさん、楽しめましたか?」
というと、一斉に歓声が上がった。
「家族へのお土産も買いましたか?」
「でも、私の隣国の兵士の皆さん、あなたたちは、昨日この国に戦略行為を行った関係で、2度とこの国には入国できません。」
「その責任の一端は、私にもあると思います。幸い、私の国は小国ですが、この国と友好関係にあります。もし、あなた方が、家族と一緒にこの国にこのDランドに来たいと思ったら、私の国に連絡してください。その時は、うちの国のパスポートを発行してあげます。だから、他人の言いなりにならずに、自分の判断で動いてください。」
屈強な兵士たちから、すすり泣くような声が聞こえた。
「この平和の国を見習って、自分たちも平和の国を作っていきましょう。」
「皆さんが、無事に祖国に帰れることを祈ってます。」
それから、あちらこちらで、別れを惜しむ声が上がった。
隣国の兵士たちは、そのまま、Dランドのそばの海に横ず消された、貨物船と潜水艦に乗り込んだ。
「姫、わしは、彼らが、無事この国から出れるように護衛しなきゃいかん。今日は、楽しかったぞ。」
「おじい様、その被り物に似合ってる。お家で待ってるから早く戻ってきてください。」
「わかった。」そう言って、祖父は、自分の船に乗船した。
貨物船の兵士たちも、泣きながらいつまでも手を振っていた。
朱雀お姉様と私も、夕日に向かって消えていくそれらの船を手を振って見送った。




