日常
次の日の朝、姫が目覚めると真紀は、すでにベッドに居なかった。
「あれ、今日、朝練の日だっけ?」ベッドの上を見ると、洗濯物が、綺麗に畳まれておかれていた。
「こんなこと、しなくていいのに。」そう言って、姫は、着替えた。
食堂かな、と思って行ってみたが、真紀は、居なかった。
食事をしてから、さらに綺麗に化粧をして、体育館に行ってみた。
そこには、明日香が一人練習していた。
「おはよう、明日香。今日って、朝練の日だっけ?」
「違うわよ。学園祭のすぐあとだから、今日は、部活もお休み。」
「そうなのね、わかったわ。」
そう言うと、姫は、そのまま、教室に向かった。
教室に、着いても、真紀は、居なかった。
「どこ行ったのかしら?」
クラスの友達に聞いても、みんな首を振るだけだった。
しばらくして、明日香が教室にやってきた。
「真紀は?」
「来てないみたい。」
その言葉を聞いて、明日香は、何かに気付いたように笑った。
「心配しなくても大丈夫よ。そのうち来るわよ。遅刻は、するかもしれないけど。」
と言って、明日香は自分の席に座った。
しばらくすると始業ベルが鳴った。
それが、終わるか終わらないかぐらいに真紀が教室に駆け込んできた。
しかも、昨日より、幾分綺麗に化粧をしていた。
「真紀、どこ行ってたの?」と聞きたかったけど、
先生が、すぐに教室に入ってきたので聞けなかった。
1時間目の休み時間になると真紀は、慌て教室から出て行った。
そして、また次の授業が始まるぎりぎりにもどってきた。
お昼休みも、同じだった。
姫が、「お昼、一緒に食べよう!」と、声を掛けたが、振り向きざまに深々とお辞儀をして、そのまま、教室から走り去った。
「真紀も、がんばるわね。」と明日香が言った。
明日香が言ったことが分からず、姫が、キョトンとしていると
「佐々木君の面倒を見に行ってるに決まってるでしょ。」
「ああ、そうか。そうよね。そうだわ。」姫が、笑顔になった。
それを見て、白虎が、
「姫さん何かいいこと有った?」と聞いてきた。
「それがね、朝起きたら真紀が部屋に居なくて、休み時間もすぐにいなくなるし、お昼休みの今も走ってどこかに行っちゃったから、変だなって話してたら、たぶん、佐々木くんの所に行ってるのね。って、気が付いたの。」
「そうなんだよ、男子寮に朝から、チア部のかわいい子が来てるって騒ぎになって、見に行ったら、佐々木の部屋に真紀がいるじゃん。佐々木も、扉を閉めればいいものを、男女二人きりで、へんな噂になったら真紀先輩に申し訳ないとか言って、扉を開けたままにするから、他の生徒たちがうらやましそうに覗きながら通るから男子寮の廊下が朝から渋滞だよ。」
「白虎、そんな重要なこと、もっと早く教えてよ。」と言って、姫様が頬を膨らませた。
それをみて、白虎が、『可愛い。』と言い出したものだから、明日香は、一人どこかに行ってしまった。
「姫さん、お昼どうする?」
「食堂でも、いきますか?」
「お供します。」と白虎。
「でも、あの二人、うまくいきそうね。」
「そうだね。まあ、なるようになるでしょう。男女の関係は、」
「それより、姫さん、お母さんの方で黒龍が何かやらかしたらしいですよ。」
「親父から、今朝連絡が来て、姫さんから絶対目を離すな!って、厳命が来ました。」
「私の方には、何も連絡はないわ。」
「奴ら、姫さんの誘拐に失敗して、今度は、警備の手薄そうなお母様を狙ったのかも。」
「ほんと、手を変え品を変え色々やってくるわね。」
「この辺で、一度締めときますかね?」
「今度、おじいさまに相談してみます。」
そう言いながら、二人は、食堂で仲良くランチを食べることにした。




