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学園祭3

 姫と真紀は、二人で3階の体育館に近い方の階段に向かって歩いていた。

「この学校、風水か何か知らないけど、階段が3階から2階に降りるだけだったりと、あみだくじみたいなのよね。」

「そうなんです。4階から3階、2階、1階につなげて降りれるようにすればいいのにっていつも思います。」

「理事長の悪趣味ね。」

「話は変わるけど、亜紀は、佐々木さんの事好きなの?」

「だって、かっこいいじゃないですか?3対1で勝っちゃうんですよ、しかも、竹刀が見えなかった。」

「真紀は、強い人が好きなのね。」

「はい。だから、姫様も好きですよ。」

「ありがとう。」

「じゃ、白虎は?」

「強そうだけど、姫様の彼氏じゃないですか?」

「それに、たぶん姫様の方が強い。」

「でも、私が連れ去られたときは、危険を顧みずに助けに来てくれたわよ。」

「だから、私なんかは入れないじゃないですか?」

「そうね。真紀は、女性がいいの?男性がいいの?」

「どっちでもいいです。同性の方が話しやすい。でも、男性でもかっこよくて、優しい人なら大丈夫かも。」

「そうなんだ。じゃ、今度かっこよくて優しい人紹介するね。」

「姫様、何か佐々木さんと私を引き離そうとしているみたい。」

「そんなことはないわよ。今度白虎と一緒にダブルデートするなら、男の子の方がいいかな?って思っただけ。」

「そうなんですね。私も、ダブルデートしたい。そうだ、佐々木さんに男装してもらおうかな?」

話が、段々ややこしくなってきた。

「この話は、また今度ね。」それから、二人は、東の端の会談で2階に降りて中央の階段に向かった。

そして、そこから1階に降りて、やっと体育館にたどり着いた。

明日香たちは、すでに、集合して準備に取り掛かっていた。

「すみません。遅くなりました。」

「いいのよ、パンフレット配れた?」

「全部配り終えました。」

「剣道部、男性よりも女性の方に人気が有ったみたいよ。」

「でしょ、姫様、佐々木さんって女性から見ても魅力的なんです。だって、あの細い体つきであんなに強いなんて、素敵。」

「明日香、気を付けないと、今にもチアを止めて、剣道部に行きたそうなのがいるよ。」

「真紀、駄目よ。貴方は、チアのアイドルなんだから。さっきも、貴方目当てに男子が二人入部届けだしに来たんだから。」

「私たちより、真紀は、男子受けいいのよね。」

「それは、明日香も姫も綺麗すぎて近寄りがたいのと、ちゃんと素適な彼氏がいるからでしょ。」

「それもそうね。」と、納得する二人。

「じゃ、そろそろ柔軟始めますか?」

「全員集合。今から、柔軟始めます。」

「終わった人たちから、出演準備。」

「姫様、佐々木さん来てくれるかな?」

「大丈夫よ、それより、真紀、今度は、タワーのてっぺんだけど大丈夫?」

「気を抜かないでね。」

 そのころ、佐々木は、姫たちと別れたのをチャンスとばかり、化粧を落として、私服に着替えて学園祭を回っていた。

ちょっと小柄なのが気になるが、それでも美男子なのは間違いない。すれ違うたびに女の子が振り返っていく。

それでも、とりあえず真紀との約束通り、体育館に向かうことにした。

体育館までの渡り廊下を歩いていると、突然背後から、腕を回された。

「佐々木、演武うまくいったか?」

それは、白虎先輩だった。

「僕の背後を取るとは、さすがですね?」

「お前、すれ違う女の子に、意識集中しすぎなんだよ。」

「いや、いつ襲われるかと思うと・・・?」

「はいはい。でこれから、チアを見に行くのか?」

「そうです。先輩も一緒に行きませんか?」

「そうだな。」

「あれ、虎徹は?」

「ああ、学園祭に忍び込んでた神様に任せた。多分、その辺をその神様を乗せて、走り回ってるはずだ。」

「じゃ、行きましょう。」

 佐々木は、白虎と一緒に体育館に向かった。

体育館に着くとすでに観客でいっぱいだった。

それでも、白虎は、姫さんの演技を一目見ようと人をかき分けて前にすすんだ。

そして、一番前に座り込んだ。

白虎の恩恵を受けて、佐々木も前の方に座ることができた。

しばらくすると、姫さんたちの演技が始まった。

高校生とは、おもえないようなアクロバティックな演技に目が離せなかった。

そして、クライマックスは、真紀が、タワーの頂上にスクリューのように回転しながら、二段目の人の肩に飛び乗るという大技だった。

佐々木さんが、見に来てないかな?と気になっていた真紀は、さっきから小さなミスを繰り返していた。それを見ていた佐々木は、「真紀さん、大丈夫かな?」と思って見ていた。

他のメンバーに大きく跳ね上げられたな真紀が回転しながら2段目の人の肩に飛び乗ろうとしたときに大きくバランスを崩し、頭から落ちてしまった。

「危ない。」と、叫んだ佐々木は、そのまま真紀の落ちる場所を目掛けて走り出した。

そして、何とか、頭が地面に叩きつけられる間に自分の体をねじこみ、さらに自分の体をクッションにすることで、真紀の地面への直撃を避けた。

 周りが、一瞬、水を打ったような静けさに包まれたが、次の瞬間、大きな拍手が起こった。

白虎は、気を失った真紀を抱え上げ、そして、佐々木に肩を貸して、そのまま二人を保健室に連れて行った。

 保健室に着くと、真紀は、気絶しているだけだが、佐々木は、肋骨が折れてるかもしれないということで亜紀先生と病院に行くことにした。

 姫は、真紀の目が覚めるまで、保険室で看病するつもりで、白虎の後を付いてきていた。

「姫さん、悪いけど自分は、警備の仕事が有るので、真紀の看病をお願いします。」

「わかったわ。白虎も、頑張ってね。佐々木くん、大丈夫かな?」

「肋骨が折れてるかもしれないと言ってたけど、体は、鍛えてるはずだから大丈夫でしょ。亜紀先生も一緒だし。」

「そうね。警備の仕事頑張ってね。」

「おう。」そう言って、白虎は、保健室を後にした。

姫は、そのまま、真紀が目覚めるまでベッドの傍で看病していた。

「でも、真紀が、気が付いたらなんて説明しよう?」





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