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学園祭1

 あっという間に文化祭の当日になった。

姫の誘拐事件の後、教師たちの間では、『部外者が、簡単に招待状だけで校内に入れるのは危険では?』との意見が大半だったが、誘拐事件自体が闇に葬られている今、全土以上に立ち入りを厳しくすれば、マスコミの格好の餌食にされるのは、目に見えている。

それに、海外の名前のあまり知られていない小国とはいえ、その国の姫様が学校にいることは公にされていない。そのことも、世間に知られてしまう。

そうなると、姫を他に移さなければいけなくなるが、やはりこの学校で警備を固めて守るのがベストだという判断に変わりない。

最終的には、理事長が昨年と同じやり方で進めることを決めてしまった。

「まあ、なるようにしかならんて。」とのことだった。

すっかり、正門は、元どうりに修理され、今まで以上に、防犯カメラ等の設置が多くなった。

聞くところによると、カメラは、警視庁ともつながっていて、何か異常が有れば、パトカーがすぐに駆けつけるようになったとのうわさが出来ていた。

 事実、夜中に正門の前をうろついていた酔っぱらいが、数秒後には、パトカーの後部座席で取り調べを受けていた。

 また、文化祭のために建てられた門の上には、神様が二人、目を光らせていた。そのうちの一人が、貧乏神という、いかにも恐ろしい門番が門の上からにらみを利かせていた。

さらに、白虎も虎徹と校内をくまなく見張っていた。

時折り、虎徹が草の茂みの中に鼻を突っ込むと、びっくりして小さな神々が飛び出してきた。

「虎徹、あまり神様たちをびっくりさせないでくれ。」

「みんな、姫様を心配して、来てくれてるんだ。」

もしも、何か有った時の通信に彼らの存在が非常に役に立つ。

彼らは、校内だけでなく、あらゆるところに姿を隠していて、何かったときに連絡をもらえるのだ。

姫様の誘拐の時も、情報を流していたのは、彼らの仲間だった。

それに今日は、この学校に天照の神を始め、そうそうたるメンバーが集まっていた。

これだけ、神々が集まれば、奴らもそう簡単に手出しはしてこないだろう。

「もうすぐ、10時か?」

「武道館で姫様のチアの演技が始まるな。」そう言うと、白虎は、武道館に向かった。

今日は、警備隊長の特権を使って、うまく観客の前の方に割り込もうと考えていた。

 そのころ、武道館には、学校の1の美人のいるチア部の演技を、一目見ようと他校も含め、たくさんの男子生徒が詰めていた。

 彼らの中には、試合中にこの学校のチアの演技に見とれて、負けたものが復讐いや、試合の時に目に焼き付いた光景が忘れられずに来た連中が大勢いた。

「こんな状態じゃ、白虎先輩が来ても武道館に入れるかどうか?」そう佐々木が独り言ちた。

その佐々木だが、髪は、結局ロングにはせずにショートカットで化粧は、これ以上ないというぐらいにかわいく仕上がっていた。

そのため、姫も明日香も彼女が佐々木とわからず、ぜひ剣道部を止めチア部に来て欲しいと誘ったぐらいだ。

だが、それでは今回の目論見とは真逆になってしまうので、丁重にお断りした。

 「10:00になりました。らわが校が誇りますチア部の皆さん演技を始めてください。」

この広い武道館でも、おしくらまんじゅうのように人がごった返していた。

その中に、涼しい顔をしながら見学しているものがいた。自分の周りに結界を張って、人間が寄ってこないようにしている神様がいるのだ。そのために、よけい観客同士が密集してしまった。

なので白虎が、武道館に付いても、入り口のはるか向こうにおしやられて武道館の入り口から、誰かわからない人のダンスを見るしかなかった。

 一曲終わると武道館は、割れるような拍手に包まれた。

つぎは、ダンスと言うより、手拍子と掛け声によるアクロバティックなステージだ。

姫と明日香がそれぞれのタワーのてっぺんでポーズを決める。そして、その前を、真紀が側転やらバック転やらを綺麗にこなしていった。

これも、割れんばかりの拍手が上がった。

そして、そのチア部の集団がさっと左右に開けたと思うと、中から、剣道着姿の4人が現れ、見事な日本剣道型を木刀で披露した。

「やあ。」「とう。」

それから、佐々木対女子3人で防具を付けずに打ち合いを始めた。

佐々木は、他の女子3人からの攻撃を二刀流でうまく相手の竹刀を受けその返し技を目にも留まらぬ速さで繰り返した。さらに、寸止め(観客からは、当たっているようにしか見えない。)を繰り返し、3人の女子との演武を続けた。そして、最後に4人で決めポーズをしたところで、再び、チア部に取り囲まれて、午前部が終了した。

これもまた、割れるような拍手が起こった。

そして、1年の佐々木と2年の三宅が、可愛い声を作って、

「今日、私たちのことが気になったかったは剣道部に入ってください。お願いします。」と言ってパンフレットを配り出した。

 剣道着自体が、前を左右に合わせてひもで縛るだけなのと、先ほどの演武で若干緩んでできた胸元の影を一目見ようと二人に男どもが群がった。

パンフレットは、あっという間になくなった。

パンフレットには、『か弱い私たちを守ってください。』と言うコメントと、漫画チックな絵が描かれていた。

そして、その下に、クラスと名前を書く欄が有った。

そして、入部してくれたら、チア部と剣道部の合同写真とお好きな個人のプロマイド写真をプレゼントと書いてあった。



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