放課後2
姫と、真紀は、寮のお風呂の扉を開けた。まだ、早い時間だったので誰も入っていなかった。
ふたりは、チアの衣装を脱いで裸になった。そして、湯船に浸かる前に、全身を綺麗に洗った。
湯船に浸かると思わず声が出た。
「ふう、やっぱり、運動して汗をかいた後に入るお風呂って最高。」
「そうですね。それに、明るいうちに入れるなんて良いですね。」
「確かに、向こうじゃいつも夜遅くに入ってたんだよね?」
「でも、それはそれで星空がきれいでよかったですけど。」
「そうなんだ、今度夜遅くに入りに行くかな。」
「そうしてください。お供します。」
そんなこんなで、いろんなことをしゃべっていると、どやどやと外が騒がしくなってきたので、二人は上がることにした。
脱衣所では、他の部活の女の子が、先を争うように服を脱いで、湯船に飛び込んでいった。
「姫様、チアの衣装化してください。洗濯しておきます。今洗って干しておけば、明日の昼までには乾きますから。」
「いいわよ、自分のは、自分で洗うようにしてるから。」
「わたしも、そろそろ自立しないとね。」
「姫様も、こちらに来られて、たくましくなられましたね。」
「違うわ。当たり前のことを当たり前にできるようになっただけよ。」
「偉そうなこと言っても、洗濯物を洗濯機に入れて、洗剤入れて、後はスイッチ押すだけだかラ、誰にもできるわよ。」
「簡単なことでも、やらないといつまでたってもできないけど、一回やれば、後は、平気でできるようになるから、不思議よね。」
それから、二人で、洗濯機の前でも、おしゃべりしていた。
洗濯が終ると、取り出して部屋のベランダに干した。
「姫様、下着類は、内側に干した方がいいですよ。」
「そうなの?」
「だって、外から見られたら恥ずかしいじゃないですか?」
「それもそうね。今日から、そうするわ。」
そのころ、武道館では、3人の美女に取り囲まれた佐々木が、綺麗に化粧をされていた。
「もう少し、アイシャドウこんな感じでいいかしら?」
「涙袋を強調し、目を大きくみせてと。」
「やっぱり、室内競技よね、日に当たらないから、色白で、すごくかわいい。」
「同じ女性として、嫉妬するわね。」
「何が、同じ女性なんですか?僕は、男ですよ。」
「そうね、でも、白虎に負けたんだから、文化祭までは、女装してね。」
「えっ、女装は、部活の間だけじゃないんですか?」
「普段から、しておかないとばれるでしょ。」
「明日から、朝練もするから、終わったら化粧してあげる。」
「先輩たち、何か楽しんでません?」
「楽しんでるわよ。」
「こなものね。鏡視る?」
鏡を渡された、佐々木は恐る恐る自分の顔を見た。
そこには、今まで見たことのないような顔が写っていた。
「これが、自分なんですか?」
そこには、大きな瞳のかわいい少女が写っていた。
以前、自分で女装していた時よりは、数段綺麗だった。
白虎も、化粧後の佐々木を笑ってやろうと覗き込んだが、思わず、
「かわいい。」と言ってしまって、口を塞いだ。
白虎に、可愛いと言われた佐々木は、満更でないような顔をした。
「ウイッグは、あるわよね。」
「有ります。」
「じゃ、明日から持って来てね。」
「はい。」
「やっぱり、先日の一件からこれぐらいしないと生徒が寄ってこないから、我慢してね。」
「わかりました。白虎先輩のためなら、これくらい我慢します。」
その日の稽古は、それで終わった。
白虎は、武道館に最後まで、残ってカギを閉めて、男子寮に戻っていった。
佐々木は、そのまま一人暮らしのマンションに帰っていった。




